“ピンク四天王”の一人と称される佐藤寿保監督の最新作『火だるま槐多よ』が12月23日(土)から1月12日(金)まで新宿K’s cinemaにて公開されるのを記念して、12月23日(土)~12月29日(金)に同じく新宿K’s cinemaにて開催される佐藤寿保特集上映第1弾では、今まで映画館でめったに上映されてこなかったレアな作品を上映する。なお、『波動~WAVE~』、『LOVE-ZERO=NO LIMIT』、『CLOSE DANCE』、『αとβのフーガ』、デビュー作『狂った触覚』は16mm版、『視線上のアリア』は35mm 英語字幕版での貴重な上映となる。
日程:2023年12月23日(土)~2024年12月29日(金)
会場:新宿K’s cinema
料金:1,300円均一(シニア1,200円)
詳細:https://hidarumakaitayo.com/tokushu/(外部サイト)
12月23日(土) 『眼球の夢』(2016)
12月24日(日) 『波動~WAVE~』(公開題:『馬小舎の令嬢』)(1991)
12月25日(月) 『LOVE-ZERO=NO LIMIT』(公開題:『いやらしい人妻 濡れる』)(1994)
12月26日(火) 『CLOSE DANCE』(公開題:『制服 ONANIE 処女の下着』)(1992)
12月27日(水) 『視線上のアリア』(公開題:『浮気妻 恥辱責め』)(1992)
12月28日(木) 『αとβのフーガ』(公開題:『変態病棟 SM 診療室』)(1989)
12月29日(金) 『狂った触覚』(1985)
また、12月16日(土)には、「血染めのラッパ吹き鳴らせ! 孤高の映画監督 佐藤寿保の逆襲」と題した、『眼球の夢』ブルーレイ発売記念イベントと『火だるま槐多よ』公開記念イベントを開催。優しさと狂気の映画監督を解剖する1日となる。
日程:2023年12月16日(土)
第1部 『眼球の夢』ブルーレイ発売記念 13:30開場 14:00開始
第2部 『火だるま槐多よ』公開記念 16:30開場 17:00開始
懇親会 19:00頃開始
会場:ネオ書房@ワンダー神保町店 https://jimbo20seiki.wixsite.com/jimbocho20c(外部サイト)
千代田区神田神保町2-5-4 ワンダービル2階(地下鉄神保町駅A1出口、右手にまっすぐ30秒)
料金:
第1部のみ 予約 1,500円 当日 2,000円
第2部のみ 予約 1,500円 当日 2,000円
第1部+2部 予約 2,500円 当日 3,000円
各回+ドリンク 500円
懇親会参加費 1,500円
予約:ネオ書房 kirira@nifty.com(外部サイト)
第1部 『眼球の夢』ブルーレイ発売記念
上映作品:『GIMME SHELTER(公開題:エキサイティング・エロ 熱い肌)』
(1986/57分)
監督:佐藤寿保
脚本:渡剛敏
撮影:瓜生敏彦
出演:陽星真見子、渡剛 敏、伊藤清美
すでに原版を含めフィルムやビデオマスターは消失しており、唯一監督が所持していたVHSからの上映。画質は良くないが、他では決して見ることができない80年代パンク精神炸裂の問題作。
他に、佐藤寿保を取材したフランスのTV番組 パート1(7分)、『眼球の夢』ブルーレイ特典映像抜粋(佐川一政撮影風景+公開記念PANTAライブ)(5分)など
トークショー:
『眼球の夢』=万里紗(主演)、小林竜樹(出演)、夢野史郎(脚本)、御木茂則(撮影)
『GIMME SHELTER』=伊藤清美(出演)、渡剛敏(脚本、出演)、いまおかしんじ(映画監督)、佐藤寿保監督
司会:切通理作 ※追加スペシャルゲストあり。
※ 『眼球の夢』ブルーレイ購入および持参の方にもれなく公開時ポスターをプレゼント
第2部 『火だるま槐多よ』公開記念
上映作品:『明日なき欲望』
(1980/37分)8mm上映(監督:佐藤寿保、助監督:諸沢利彦)
20歳のときに学生仲間と制作した8mm作品。40年の封印を解いての特別上映。
随所に佐藤作品の原点が垣間見られる貴重作。
他に、学生時代の秘蔵8mm
佐藤寿保を取材したフランスのTV番組 パート2(10分)
『火だるま槐多よ』メイキング抜粋(5分)
トークショー:
『火だるま槐多よ』のモチーフとなった「尿する裸僧」をはじめとする村山槐多作品を収集し、顕彰してきた窪島誠一郎氏をお迎えしてのスペシャルトーク。
特別ゲスト:窪島誠一郎(「無言館」「残照館」館主、作家)、夢野史郎、佐藤寿保
司会:切通理作
佐藤寿保(Hisayasu Sato)プロフィール
1959年生まれ。静岡県出身。東京工芸大学在学中より8mmで自主映画を制作。卒業後、向井寛主宰の「獅子プロダクション」に参加。滝田洋二郎らの助監督を務める。1985年『狂った触覚』で監督デビュー。同年ズームアップ映画祭新人監督賞を受賞。以後、日常にひそむ狂気とエロチシズムを独特の映像美で描く異色作を連発。その作風はロッテルダム映画祭、ヴィエンナーレ映画祭など海外でも注目され、国内外にカルト的ファンが存在する。『名前のない女たち』(10)はモスクワ映画祭など多数の映画祭に出品され、カナダのファンタジア映画祭では主演の安井紀絵が主演女優賞を受賞。2014年よりスタートした『華魂』シリーズを経て、2016年、ハーバード大学感覚民族誌学研究所の教授らによるプロデュースで『眼球の夢』を発表し評判を呼ぶ。主な監督作品に、『狂った触覚』(85)、『オスティア~月蝕映画館~』(88)、『αとβのフーガ』(89)、『視線上のアリア』(92)、『LOVE-ZERO=NO LIMIT』(94)、『ラフレシア』(95)、『藪の中』(96)、『乱歩地獄/芋虫』(05)、『名前のない女たち』(10)、『華魂』(14)、『華魂 幻影』(16)、『眼球の夢』(16)など。最新作は、『火だるま槐多よ』(23)。
この度、佐藤寿保特集上映及び『火だるま槐多よ』公開記念イベントの開催を前に、佐藤寿保監督よりコメントが届いた。
佐藤寿保監督 コメント
村山槐多は22歳5ヵ月で死んだ。
“その時期、自分は何をやっていたんだ?”
俺にとって20歳前後は8mmカメラを武器として映画を観る立場から作る側への転換期だった。
かつて特集上映会で「学生時代の8mm映画も上映しましょうよ」「観たいなあ」などと提言されたが、頑なに断ってきた。理由は一つ、恥部を覗かれるようで恥ずかしい……。
今回、40年の封印を解き恥部を晒すことにしたのは、8mm原版のまま上映できる最後の機会になるかもしれないから。それは16mmも同じで映写機は既に生産中止、故障したら修理不可で見せたくても見せられない状況だからだ。それと紛失したと長年思っていた8mm『明日なき欲望』(タイトルの付いたケースの中身は空リールのみ)が別の探し物をしていた時に奇跡的に出てきたこともある。一人ひっそり観た。青臭さ100%、今じゃ絶対に撮れない!20歳の原点。しかし25歳のデビュー作『狂った触覚』はもちろん、それ以降の作品にも繋がるものを再認識した。「映画は生き物だ」とよく言う。自分の昔の作品も観る度に違った感慨を持つ。新型コロナ禍になって初の新作『火だるま槐多よ』にも通じる“何か”があるに違いない。過去から未来に向かって産み落とされた作品たちが、醒めない悪夢のこの時代にどんな表情を見せてくれるのか楽しみだ。
最後になるかも知れないこの機会にぜひ!!
紛失といえば、槐多の代表作の一つ『乞食と女』も行方しれずで印刷物でしか見ることができない。俺の『GIMME SHELTER』も含め何処かから発見されないかなあ、奇跡的に。
『火だるま槐多よ』公開表記
配給:渋谷プロダクション
12月23日(土)~1月12日(金) 新宿K’s Cinemaにて公開他全国順次公開
(オフィシャル素材提供)