映画『カラオケ行こ!』の完成披露試写会が都内で行われ、舞台挨拶に主演の綾野 剛、共演者の齋藤 潤、芳根京子、北村一輝、チャンス大城、八木美樹、後 聖人、やべきょうすけと山下敦弘監督の9名が“カラオケボックス”を模したステージに登場して作品について語った。
本作は、ドラマ「夢中さ、きみに。」やアニメ「女の園の星」などの和山やまの累計60万部を突破した人気漫画を実写映画化。ヤクザの成田狂児(綾野)が組のカラオケ大会で自分が最下位になることを回避するために、合唱部部長の中学生・岡 聡実(齋藤)とカラオケの練習に励みながら奇妙な関係性が築かれていくさまが描かれる。変声期に悩む中学生と、歌に悩むヤクザというあり得ない出会いから始まった2人の“青春”が描かれる。脚本は『罪の声』などの野木亜紀子が手がける。
歌がうまくない狂児役の綾野は、自身が演じた役について、「非常に難関な役でした。音楽から入っていくという役作り新しかったですね」と話す。「齋藤 潤くんが演じる『岡 聡実の青春の一片を魅力的に描く』という思いを集結させたような現場の雰囲気で、そこに参加できて良かった」と話す。さらに、共演した齋藤については「ふたりで試行錯誤しながら『紅』という楽曲に向き合った時間が、ふたりの関係を強固なものにしていたのかなと思っています」と話した。
オーディションで選ばれた岡 聡実役の齋藤は、初めての舞台挨拶に緊張しまくり。綾野は齋藤のオーディションを見に行ったことを明かし、「いろいろな緊張感、不安を抱えながら覚えてきたセリフを一生懸命演じている齋藤くんの姿を見て、ただただシンプルに感動しました」と語った。
合唱部の教師・森本もも役の芳根は「10代の時に初めて連ドラの主演でやらせてもらった役が合唱部員の役でした。今回は先生の役、しかも合唱の副顧問という立場で、合唱にまた関わる作品に携わることができて嬉しかった」とコメント。また生徒役を演じた齋藤や八木、後らに対して「本当にみんなかわいいんですね。いつも撮影中はメロメロになっていました」と話した。
祭林組組長役の北村は共演者たちについて「ヤクザ・チームも合唱部もみんな、可愛かったですよ~。ヤクザの皆さんは『腰が痛い』『ひざが痛い』、そういう話題で盛り上がっていました(笑)。みんな猛獣みたいで、まとめている監督がスゴイ」と話した。
キティの兄貴と呼ばれる祭林組のヤクザ・尾形役のチャンス大城は芝居するという新しい“チャンス”を得てビックリしたことを話した。現場のムード・メーカーだったようだ。
合唱部の副部長・中川役の八木は「初めての舞台挨拶です」感激を声にする。
合唱部の生徒・和田役の後は「待ちに待ったこの日!」と興奮を隠せない。
劇中歌に使用されたXの楽曲“紅”について、綾野は、「恐ろしいほどの情念を持って歌っています。狂児は裏声が気持ち悪いという設定なので、全編裏声で歌っております」と説明した。
山下監督からは『紅』自体が狂児にとって人生の一部になっていると言われたことを明かし、歌がうまくないという設定を考えて、だいたいほぼ一発で勝負していくという感じでした」と語った。
齋藤は「芝居の経験が少ないので、毎日学ばせていただいたことがたくさんありました。撮影したのが1年ほど前で、ちょうど変声期だったので、リアルな、等身大の聡実が映っていると思います」と話した。また、綾野らヤクザ・チームの印象について聞かれると、「怖かったです(苦笑)。皆さん、メイクも終わって「本当に『ヤクザだな』とビビリましたが、カメラが回っていないところでは、優しく接していただいて、いい方たちばかりでした」と笑顔を見せる。「優しかった」という齋藤の言葉を聞いた、祭林組のヤクザ・唐田役のやべが「それ、本心だね? 言わされてないよね?」と突っ込みを入れて会場をなごませた。
「たくさん、たくさん合唱の練習をした」と話すのは八木と後。二人とも舞台挨拶に緊張気味。八木は「周りのかたたちからたくさん声をかけてもらいました」。後は「現場ではいろいろな面で助けていただきました」と感謝の意を伝えた。
やくざと中学生のありえない出会いが見どころの本作。今までの“ありえない出会い”について質問が飛んだコーナーでは、綾野は「原作者の和山先生が現場に見えたことが強烈に印象に残っています。ヤクザ・チームのカラオケ・シーンを撮影するときに来てくださったんですが、和山先生の存在が、現場にいいスイッチを生み出してくださり、本当に感謝しています」とコメント。
齋藤は、「この作品に出会えたことが今一番心に残っています」。芳根は「高校1年生のときにスカウトしていただいてこの世界に入ったんですけど、あの出会いがなければこの場に立っていないんだな~と」と話す。
最後に、綾野は「俳優人生の中でも、自分が青春と呼ばれる作品に初めて参加したんだなと体感しました。みんな温かく優しい、たおやかな映画が出来あがりました。音楽と映画の親和性を改めて表明した作品だと自負しています。この映画を観終わった後に、いろいろな音楽を聴くきっかけになれば……。また、『紅』という楽曲の魅力にまた気づいていただけたら幸いです」とメッセージ。
齋藤は「笑えてただただ面白い映画になっています。狂児と聡実の関係もエモくなっていますので、楽しんでいただければ……」。山下敦弘監督は「最高に面白い原作を最高の脚本家がシナリオを書いて、面白い最高のキャストが集まってメチャクチャ面白い作品が出来ました」と作品を熱くアピールした。
登壇者:綾野 剛、齋藤 潤、芳根京子、北村一輝、チャンス大城、八木美樹、後 聖人、やべきょうすけ、山下敦弘監督
(取材・文・写真:福住佐知子)
公開表記
配給:KADOKAWA
2024年1月12日(金) 全国公開
(オフィシャル素材提供)