記者会見イベント・舞台挨拶

『隣人X 疑惑の彼女』舞台挨拶付き台湾プレミア上映&記者会見

©2023 映画「隣人X 疑惑の彼女」製作委員会 ©パリュスあや子/講談社

 第14回小説現代長編新人賞を受賞した「隣人X」(パリュスあや子著)が、7年ぶりの映画主演となる上野樹里と、初共演となる林 遣都で待望の実写映画化。タイトルを『隣人X -疑惑の彼女-』とし、新宿ピカデリー他全国公開中。

 日本では12月1日(金)に公開し、「偏見や先入観で物事を見てしまっていることに気づかされる映画でした」「コロナ禍を経た今だから観てほしい映画」などの感想が飛び交い、“X”で話題となっている本作。台湾では12月15日より29館での公開が決定している。このたび、上野樹里と熊澤尚人監督が本作公開前の台湾を訪問。

 約8年ぶりの訪台となる上野、空港ではうちわやボードなどを持った多くのファンたちの熱烈な歓迎を受けた。上野主演のドラマ「のだめカンタービレ」が大人気だったこともあり、2日間にかけて行われた舞台挨拶付き上映の1000席は即日完売。熱狂的なファンの想いを釘付けにし、盛り上がりを見せた。さらに、翌日12月9日には、上野演じる良子のアルバイト先の同僚で、台湾人留学生・林怡蓮(リン・イレン 通称レン)役の台湾出身の人気女優、黃姵嘉(ファン・ペイチャ)も合流し、記者会見にそろって登壇。記者会見では、現地記者の質疑応答にも答え、撮影を振り返っての思い出などが語られた。

台北松山空港到着

 15日からの台湾での公開を控え、キャンペーンのため台北松山空港に降り立った上野と熊澤。到着するやいなや、「キャー!!」という歓声が上がり、「台湾へようこそ!」「長旅お疲れ様!」など、現地のファンからの熱烈な歓迎ムードに包まれ、上野も笑顔で応えた。さらには、駆けつけたファンとの記念撮影を行うなど終始笑顔でファンサービスに応え、ファンも大喜びな様子。日本語で「樹里さんの笑顔が大好きです」と伝えられた上野は、顔を綻ばせていた。ファンから花束などのプレゼントが贈られ、大勢にサインを求められるなど、台湾での人気の高さが伺えた。上野は車に乗り込んだ後も、窓を開けてファンに手を振り続け、惜しまれながら舞台挨拶の会場へ向かった。

台湾プレミア舞台挨拶

 映画上映後、割れんばかりの大歓声と拍手に迎えられて登壇した上野と熊澤監督。上野がこの日駆けつけた約500人のファンに対して、中国語で「大家好(皆さんこんにちは)」と挨拶すると客席からは大きな歓声が上がった。上野は劇中のセリフとしても披露したでも中国語を今回も披露し、舞台挨拶は和やかな雰囲気で始まった。続けて中国語で自己紹介を行った上野は、作品について「(映画は)楽しんでいただけましたか?」と観客に問いかけると、多くの観客から「良かった!」と返事があり、舞台挨拶ならではのコール・アンド・レスポンスで会場を沸かせた。さらに、「私はタピオカミルクティーと小籠包食べました!」と上野のお茶目さが伺える発言も飛び出した。舞台挨拶内では、台湾での公開の想いや本作に込めた想いを熱く語った。

 熊澤監督は、本作を映画化した理由に関して「原作小説が『無意識の偏見』をテーマに描かれていたものでした。コロナを経験して人との距離が変わったと感じる中で、「無意識の偏見」を扱った映画にできるのではないかと思い、映画化したいと思いました」と映像化に至った並々ならぬ思いを語った。本作のオファーを受けた決め手は何かと問われた上野は、「タイトルにまず魅かれてオファーを受けました。隣の人、親しい人なのに、Xという異質なワードが入っていて。コロナ禍でオファーをいただいたのですが、直接会うことが難しくなり、隣にいる人の心と心が通い合う機会が減っていたタイミングだったんです」と、2年前のオファーを受けた頃を思い出し、懐かしむ様子。そして、「17年ぶりに熊澤監督とご一緒できることが楽しみでした。ラブ・ストーリーだけでも謎解きのミステリーだけでもない、大切な社会的なメッセージも散りばめられている気がしました」と、7年ぶりの主演作へのやりがいを強く感じたという。

 本作で、上野と熊澤監督は、17年ぶりにタッグを組んだ。それにちなみ17年前と変わった部分・変わっていない部分を問われると、熊澤監督からは「上野さんは17年前と変わってないです」と意外な回答が飛び出し、会場からも思わず「えー」と驚きの声が漏れた。続けて「今回上野さんに主演をお願いしたのは、周りの価値観に振り回されることなく、自分で感じて自分で考えて決められる人だから。そこが素敵で、魅力的だと思っています。そして、今回の主人公はそういう方にやってほしくてお願いしました」と起用理由を明かした。変わった部分に対して「上野さんは大人になってすごく柔らかい人になりました。大人の魅力がいっぱいになりました」とにこり。上野は「(監督とご一緒したのが)20歳の頃で、周りが見えない時期でしたが、今回は落ち着いてしっかり向き合うことができて、とても濃い時間になりました。改めて監督はすごいなと思いました」と尊敬の念を口にする。続けて、「隅々にまで熊澤監督の神経が行き届いていて、観る度に面白いし、結末が分かって観ると、より感情移入できます」と何度でも観て欲しいと力強くアピールし、作品への自信をのぞかせた。

 最後の挨拶で熊澤監督は、「この映画の中には、”普通はこうだから、こうあるべき”という描写が時々出てきます。『普通じゃなくてもいいじゃない』という良子のセリフにもあるように、普通というのは、周りから決められることではない。『自分らしい』という言葉に置き換えて、自分らしさとは何だろうか?と教えてくれる映画に、上野さんのおかげでなったと思います」と主演の上野への感謝を述べた。上野は「映画はしっとりとしたトーンですが、ラブストーリー・サスペンス・社会派など、いろいろな要素が入っています。台湾の方がどう感じるのか、楽しみです」と声を弾ませる。続けて「クリスマス、年末とみんなで盛り上がる楽しい季節ですが、この映画を観ると、自分自身の心の純度が見えてくると思います。台湾の方の熱量を今日感じることができてうれしいです。ありがとうございました」と締め括った。最後に、本作のタイトル『隣人X -疑惑の彼女-』にかけて、腕を交差させた「Xポーズ」で観客と共に記念撮影を行い、舞台挨拶が終了した。

 登壇者:柏木良子役/上野樹里、熊澤尚人監督

記者会見

 前日に行われた、舞台挨拶も盛り上がりをみせたが、記者会見では台湾人気女優の黃姵嘉(ファン・ペイチャ)も合流し、憧れの上野樹里との共演した感想や、本作を通して伝えたい想いを語った。

 台湾に来た感想を問われた上野は、現地のファンとの交流や夜市を訪れてみて「皆さん警戒心を持たず、人の目を気にせずに、隣にいる人とただ楽しく話しながら歩いている。これが自然体だなと感動しました」と時には涙で声を詰まらせながら熱く語った。続けて、「“普通”って麻痺しがちなものですが、台湾に来てみて、人がいるって温かいんだなと感じました。一人でいても独りじゃないと感じ、心がとても解かされて、身体の調子もすごくよく、リラックスすることができました。大事な感覚を台湾に来て思い出させてもらえました」と素直な感想を述べた。
 熊澤監督も「僕は台湾が大好きなんです」とはにかみながら答えた。「台湾に来ると、自分の心が本当に洗われます」と先ほどの上野のコメントに共感し、「ぜひ、台湾の方にも本作を鑑賞していただいて、感想を話し合っていただきたいです」としっかりとアピールした。上野も「台湾の皆さんに観ていただいて、どんなふうに日本を感じていただけるのか、いろいろな感想を楽しみに待っています」。

 そして、良子のアルバイト先の同僚で、台湾人留学生・林怡蓮(リン・イレン)役を務めた黃姵嘉(ファン・ペイチャ)との共演に対し、「今回はペシーさんが出演してくれたことで、日本映画の世界観に大切なエッセンスを加えていただいたと思います。本当にありがとうございます」と声を弾ませた。

 「まっすぐに気持ちを伝えるというのはシンプルなことなのに、SNSが発達することで逆にできなくなっていたり、普段忘れかけていたことや、素直に表現できない気持ちを、ペシーさんが演じるレンから言葉を超えて感じるものがすごくありました」と、自身もハッとさせられる瞬間があったと告白。「台湾・日本のどちらの方にも言葉を超えて交流できることが嬉しいです。共演できてよかったです」と隣に座っていた黃姵嘉(ファン・ペイチャ)に対し、照れくさそうに微笑んだ。

 登壇者:柏木良子役/上野樹里、林怡蓮(リン・イレン)役/黃姵嘉(ファン・ペイチャ)、熊澤尚人監督

 オフィシャルな場以外にも、上野と熊澤監督は夜市散策を楽しむ様子を急遽インスタライブにて配信。劇場から駆けつけたファンと交流しつつ、屋台での食事を満喫するなど、思い出に残る台湾キャンペーンとなった。

公開表記

 配給:ハピネットファントム・スタジオ
 絶賛公開中

(オフィシャル素材提供)

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