イベント・舞台挨拶

『罪と悪』完成披露舞台挨拶

©2023「罪と悪」製作委員会

 主演に高良健吾を迎え、罪の真実と正義の在り方を問う本格ノワールミステリーが誕生する。
 1月16日(火)、映画『罪と悪』のキャストや監督が登壇する完成披露舞台挨拶が実施された。
 さまざまな思惑が絡み合う骨太なミステリーを、監督の故郷である福井県で全編撮り上げた本作。主演の高良と齊藤監督は、これまでも何本も現場を共にしており、まだプロットもない段階から監督の本作への想いは聞いていたという高良。その高良に「ライバル意識は全くなくて、リスペクトだけがある」と言わしめる共演の大東駿介、石田卓也。若き頃よりオーディション会場でよく会っていた3人がどのように作品を作り上げたのか、福井オールロケの撮影の裏側や撮影エピソード、作品に込められた思いまでたっぷり話した。

 観客の拍手につつまれ登壇したキャスト・監督。高良が「とても思い入れのある『罪と悪』の舞台挨拶ができて嬉しいです。この4人で立てることができて嬉しいです」と、大東が「この映画を皆さんに観ていただけるのは嬉しいですし、楽しんでいただければと思います」と、石田が「今日は寒い中、足を運んでくださりありがとうございます。僕たちがつくりあげたこの作品を観ていただけることが本当に嬉しくあります。楽しんでいただければと思います」と、監督が「都会の片隅で書き上げた脚本に、素晴らしい仲間たちが一緒に映画をつくるといってくれて、感無量の中、ようやく完成した作品を皆さんに観ていただけるのがうれしいです。4人で立っているこの姿は脚本を書いていた時は全く想像ついていなかった世界と景色なので、この後映画で繰り広げられる世界を皆さん楽しんでいただければと思います」とそれぞれ挨拶をした。

 一昨年の夏、福井でのオールロケで行われた撮影から、1年半の時を経て観客に届けられる、今の心境を尋ねられると、高良は「(撮影は)一昨年なんですけど、皆でこの作品、役というのに必死に向き合って、答えが見つからない時はこのふたりの顔を見て、自分が困ったときに目の前にいる人から何かをもらって答えを導き出すというのはなかなかないので、作品が完成して、ここに立てて、感無量です。本当に嬉しいです」と、齊藤監督も「誰にも求められないまま、オリジナル脚本を書き初めて、オリジナル脚本でデビューというのがずっとやりたかったので、いろいろなスタッフや仲間たち助けてくれてここまで来られたので、皆さんの顔をみるだけで本当に感無量です」とそれぞれ感慨深い様子で話した。

 10代のころから、オーディションなどでも顔を合わせることも多かった高良、大東、石田。3人に本作で改めて共演されての感想、同世代での撮影だからこその刺激があったという話になると、「それぞれの名前を意識し合う年代でしたね」と振り返りつつ「僕らデビュー当時、学園ものたくさんあって。それぞれの学校でわちゃわちゃしてましたね(笑)」という大東に、「そういう時代でしたよね」と高良も当時を思い出す。「嬉しかったですね。10代の時からそういうところで競ってたし、20年後にこうやって再会してやれるっていうのは信頼感が違いますね」とこの3人の共演を改めて喜ぶ高良。「安心感があったよね」という石田に、「『20年経てできて嬉しい』っていうのをお互いの顔を前にして言えるっていうのが嬉しいですね。あとは20年間で自分の人生に向き合って、いろいろなことインプットして、“生きてきた”その背景が背中にあるんですよね」という大東。「今まで(僕たちも)会ってなかったっていうのも良かったよね」という石田に、「この作品にぴったりあってるんですよね。それぞれが語り合っているシーンでは、芝居をしているより、もう一個その先にいるような、語り合っているようなかんじだった」と、大東も改めて本作の役柄とシンクロするするような3人の関係性に熱い思いが込み上げているようだった。

 そんな奇跡のようなシンクロに、監督は「これは意図してたってことにしてもいいですけど(笑)、クランクイン前に4人で話し合った時に出来上がったかたちが、いままでの経験につながってそういう芝居になったのかな。顔合わせくらいで、何気ない話をしていて、でもあの時間が至福の時間だった」と分析。高良も「あの時に固めたわけでもなかったですよね。監督がすごいのが、初監督作品なのに、自分の色に染めないで、僕たちに委ねてくれるっていうのがすごかったですね」とそんな監督の演出を大絶賛。

 監督の地元でもある福井での撮影の話になると、「雄大な土地に背中を押されたよね」という大東に、「福井の方たちにも助けられましたよね」と高良。そんなキャストに「みんな初めてなのに、福井での撮影に新鮮な気持ちで臨んでくれて、出会ってくれた土地にも人にも感銘受けてくれてよかった」と嬉しい様子の監督。大東は「移住するなら福井、って言ってますよ。撮影で出会った福井の地元の人と食べ歩いてましたね(笑)。いまでも交流ありますよ!」とさらに福井への愛をアピール。高良も「散歩してましたね。僕地方行ったら散歩するのが好きで2〜3時間歩いてましたね。卓ちゃんとも“ああいう時期あったね〜”って話しながらずっと歩いてましたね」と石田とのエピソードを披露し、石田も「僕も散歩したり、永平寺だったり、苔が綺麗な神社だったり、定番の恐竜スポットも行きました。ちゃんと仕事もしましたよ!」と観光もがっつり楽しんだエピソードも明かした。

 そこから、幼馴染3人が対峙する、少年時代のある事件と20年の時を経た現在で起こる事件を繋ぐ真相が大きな柱となっている本作にかけて、20年前の自分と変わったこと、変わっていないことを、尋ねられると、石田は「変わりましたね。優しくなりましたね。見た目キリッとしているじゃないですが、ナイフみたいに。実際は話し方とか聞いたらわかると思うんですが優しいんですが、その優しさが増してましたね」と高良の変わったところを明かす。大東も20年前を振り返り、「10代の時3人とも怒ってましたよね。ピリピリしてましたよね」と“今だから言える”エピソードを披露。その中で高良が「みんな一緒だと思うんですが、現場に慣れずに緊張していましたね。そこ、『わ〜好き〜!』みたいな(笑)。みんな変わらず現場に対して緊張感あって」と、“変わらない”3人の仕事への姿勢を絶賛。石田が変わったか尋ねられると、「初めて会った時は“どヤンキー”が来たと思ったのに、自然に磨かれたのかな。土触っていると」と石田の印象を語る大東だったが、石田も「(大東は)陰でいちばんやんちゃしてましたね!」と反撃。そんな3人のやり取りに、会場からも笑いが起こった。その中で、大東は高良の印象を「僕は同じ時代を生きたと言いつつ、高良くんは10代の時から光をまとって、異質な輝きを放ってて、いまでもそうだと思いますがね」と、今だからこそ言える高良の魅力を熱弁。

 そんな3人とのタッグに、「20年前というと、日本映画が“ゼロ年代”と言われて、ミニシアターが流行っている時で、僕も映画を観ていて、高良さん、大東さん、石田さん、皆さんスクリーンにいたのをすごく覚えています。その20年前の方たちをこの映画でキャスティングして、出てもらえるっていう第一段階で僕は勝手に感慨深かったですね。そして、この3人と、映画をつくりあげて、この場に立っているっていうのが、一番大きな変化ですね。スクリーンで観てた人たちとやれているっていうのがね」と改めて感慨深い様子の監督。大東も「同じ俳優といえども、3人が全然違う道筋を辿ってきて、それぞれの人生を歩んできて、そういう3人が肩を並べて一緒に作品をやれているというのがすごいですよね」と、改めて喜びを噛み締めていた。

 最後に「いまも話した通り、オリジナル脚本でやっとつくりあげることができました。どこかの心の片隅に残ってくれる映画になっていたら嬉しいです」と監督。「この映画を観ることによって、それぞれにとっての罪であったり悪であったりを今一度考えてみる、考える時間を持ってしまうという、新しい自分の価値観に触れる瞬間でもあると思います。自分の中の新しい自分に出合えるものになっていると嬉しいです。10代の頃から一緒にやってきた3人でやれたものを皆さんに観てもらえるのは本当に幸せです。楽しんでいってください!」と高良が話し、イベントは大盛況で幕を閉じた。

 登壇者:高良健吾、大東駿介、石田卓也、齊藤勇起監督

公開表記

 配給:ナカチカピクチャーズ
 2024年2月2日(金) 公開

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