イントロダクション
巨大な手で敵レスラーの顔をわしづかみする必殺技“アイアンクロー=鉄の爪”を生み出し、1960~70年代に日本でもジャイアント馬場やアントニオ猪木らと激闘を繰り広げ、一世を風靡したレスラー、フリッツ・フォン・エリック。さらにフリッツは息子たち全員をレスラーに育て上げ、苛烈な競争が繰り広げられる世界で“史上最強の一家”となる野望を燃やす。厳格な父を敬愛する息子たちはレスラーとしての才能を開花させ、次男ケビン、三男デビッド、四男ケリーが大活躍した1980年代に絶頂期を迎えるが、最強への道に不幸な運命が立ちはだかる。フォン・エリック家の子どもたちに、いったい何があったのか――。
本作は若き日のケビンを中心に、濃密な家族の絆とリング上でのファイトが生み出す興奮、そして最強を目指すことの過酷なプレッシャーを赤裸々に映し出す。監督はカルト教団による洗脳とトラウマを描いたデビュー作『マーサー、あるいはマーシー・メイ』で絶賛を浴びたショーン・ダーキン。子どもの頃からプロレスに夢中で、フォン・エリック家の悲劇に衝撃を受けた一人だったという。ダーキンは長年取り憑かれていた驚きの実話を、家族の愛情と葛藤のドラマとして再構築。プロレスにまつわる栄光と挫折を掘り下げ、植え付けられた価値観からの解放という今日的なテーマに踏み込んだ、胸の奥深くに刺さる人間ドラマに仕上がっている。
ストーリー
1980年初頭、プロレス界に歴史を刻んだ“鉄の爪”フォン・エリック一家。父フリッツ(ホルト・マッキャラニー)は元AWA世界ヘビー級王者。そんな父親に育てられた息子の次男ケビン(ザック・エフロン)、三男デビッド(ハリス・ディキンソン)、四男ケリー(ジェレミー・アレン・ホワイト)、五男マイク(スタンリー・シモンズ)ら兄弟は、父の教えに従いレスラーとしてデビュー、“プロレス界の頂点”を目指す。デビッドが世界ヘビー級王座戦へ指名を受けた直後、日本でのプロレス・ツアー中に急死する。さらにフォン・エリック家はここから悲劇に見舞われる。すでに幼い頃に長男ジャックJr.を亡くしており、いつしか「呪われた一家」と呼ばれるようになったその真実と、ケビンの数奇な運命とは――。
(原題:THE IRON CLAW、2023年、アメリカ、上映時間:132分)
キャスト&スタッフ
監督・脚本:ショーン・ダーキン
出演:ザック・エフロン、ジェレミー・アレン・ホワイト、ハリス・ディキンソン、モーラ・ティアニー、スタンリー・シモンズ、ホルト・マッキャラニー、リリー・ジェームズ
ギャラリー
予告編
オフィシャル・サイト(外部サイト)
公式X(旧Twitter):@IronclawJP
公開表記
配給:キノフィルムズ
4月5日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
(オフィシャル素材提供)