作品紹介

『オーガスト・マイ・ヘヴン』

© Roadstead

イントロダクション

 真夏の京都の地で撮影された本作は、“誰かを演じる” ことによって運命的に交錯する男女三人の巡り合わせの旅を描く
 工藤梨穂監督のRoadsteadオリジナル映画作品である。
 若手のキャスト・スタッフが結集し、ここに新たな青春映画が生まれた。
 主演を務めるのは『オーファンズ・ブルース』以来、工藤と再タッグを組む村上由規乃。男二人の旧友“いづみ”になりすます代理出席屋の女・城野 譲役を演じる。譲に思いを寄せる中華料理屋の男・三枝南平役には『裸足で鳴らしてみせろ』の諏訪珠理。そして、長い失踪から突然帰還した南平の親友・長谷 薫役に『PLASTIC』の藤江琢磨が名を連ねた。そのほか、長谷川七虹、山﨑龍吾、西出 明、鈴木卓爾が脇を固めている。
 さらにシンガー・ソング・ライターのsomaが音楽を担当。工藤の前作『裸足で鳴らしてみせろ』での制作を経て、再びsomaによって手掛けられた本作の映画音楽は繊細かつ大胆に彼らの出会いと旅を彩る。
 『オーガスト・マイ・ヘヴン』は、自らの肉体を持ちながら自分ではない何者かになる“演じる”という行為へ、そして関係性を演じる中で積み重ねられる“時間”という事実へアプローチをかけながら、人と人が共に在ることへのかけがえのなさを映し出した意欲作となっている。

ストーリー

 とある街で代理出席屋をしながら暮らしを営む女・城野 譲(村上由規乃)。
 代理出席屋とは、依頼人の親族や恋人、友人などを演じて冠婚葬祭や人が集まる場所に出席する代行業のことである。
 譲の行きつけの中華料理屋の店員・三枝南平(諏訪珠理)は、そんな彼女に思いを寄せていた。
 8月のある日のこと。代行の仕事で葬儀場に訪れた譲は、いつか夢でみた見知らぬ男・長谷 薫(藤江琢磨)にそこで出会ってしまう。日を同じくして、中華料理屋で抱き合う南平と薫。薫は5年もの間失踪していた南平の親友だったのだ。彼の無事を喜ぶ南平に「恩師の葬儀で“いづみ”に再会できた」と言う薫。
 しかし、そこに現れた女は彼らの旧友・いづみになりすました譲だった。
 彼女と10年ぶりの再会を果たしたと思い込み嬉々とする薫に、ある真実を言い出せない南平は、「彼と別れるまでいづみのなりすましを続けてくれないか」と譲に依頼する。
 そうして彼らはそのまま刹那的な旅に出るが……。

 (2024年、日本、上映時間:40分)

キャスト&スタッフ

 監督・脚本:工藤梨穂
 主演:村上由規乃、諏訪珠理、藤江琢磨、長谷川七虹、山﨑龍吾、西出 明、鈴木卓爾
 エグセクティブプロデューサー:川村 岬、山本正典
 プロデューサー:岡本英之、山口 永、工藤梨穂
 音楽: soma
 撮影:谷村咲貴
 製作:Roadsead、グランマーブル
 企画:Sunborn
 制作プロダクション:ねこじゃらし

ギャラリー

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