イベント・舞台挨拶

『ストップ・メイキング・センス 4Kレストア』ライブハウス試写会

© 1984 TALKING HEADS FILMS

 『ストップ・メイキング・センス 4Kレストア』が2月2日(金)より全国ロードショー&IMAX同時上映をする(IMAXに関しては2週間限定公開予定)。
 本作の日本公開を記念して、1月20日(土)深夜、渋谷のライブハウス「Spotify O-EAST」にて、約1000人が集うオールナイト・オールスタンディングの試写イベントが開催された。さながら当時のライブ会場にいるかのようなライブハウスでの試写会に、1000人の観客は歌い踊り大興奮! さらに髙城晶平(cero)・松永良平をゲストにトークショーを実施し、澤部 渡 (スカート)・Milo・KID FRESINOという豪華面々のDJが会場を盛り上げ、伝説的なイベントとなった。

 開場と同時に、MiloのDJが会場の士気を上げた。まさにトーキング・ヘッズのライブ会場へ足を運んだかのような臨場感と盛り上がり。観客はお酒を片手に体を揺らし、深夜のライブハウスの空気を楽しんでいた。
 トークショーではcero髙城晶平と音楽ライターの松永良平が登壇。
 「今日初めて映画を観る方はどのくらいいらっしゃいますか」と松永が尋ねると、会場の観客の半数以上が挙手。驚くべきことに、映画公開当時にはまだ生まれていない世代、特に20代〜30代が参加者の大半を占めていた。
 「おっと、ここでの鑑賞が最初になるなんてすごいですね」と吉祥寺バウスシアターの爆音上映が最初だったという髙城は言い、「映画館だったので座って観ましたが、もう立ちたいな!と思ったのはすごく覚えていますね」と回想した。

 松永は「僕は世代的に、リアルタイムの時は高校生で田舎だったので映画館では観ておらず、レンタル・ビデオで見たのが最初。当時から話題で、『この映画はすごいぞ。ライブ・コンサートというものの、成り立ちや裏側が全部見られるぞ』というのが売りだった。でも実際に映画を観ると、裏側が見られるということよりも『こんなすごいコンサート、こんなライブはこれしかない!』と誰もがなったはず」。
 「ステージの足元に、モニターがない、一切。」(松永)、「モニターというのは、演者が今やっている音を聞く足元のスピーカーのことなんですけれども、(このライブでは)全て排している。」(髙城)、「もちろん今だったらイヤーモニターが発達しているが当時はそれもなくて。ずっとそこが謎だったのですが、アメリカでこの4Kレストア版公開時にメンバーのインタビューがあって、そこで、後ろから台に乗せてどんどん出てくるドラムやパーカッションのところにモニターが入っているってことが分かった! でも、それってさ、髙城くんバンドやっているから分かると思うんだけど、めっちゃやりにくくないですか?」と尋ねると、髙城は「めっちゃやりにくいです。もう気合いだと思います」と笑い、「そういう気合の環境を強いていて、それもこの映画の特殊性を担保している。なぜかというと、それまでトーキングヘッズってどっちかというとパンクだけどアートロック寄りで、頭でっかちなイメージだった」(松永)、「うん、アートファグ(Art Fag:いけ好かないアート野郎)ってね。『20センチュリー・ウーマン』って映画でもね」(髙城)、「よく思ってなかった人も結構いた、インテリが聞くような感じでしょ、みたいな。『Remain In Light』はすごいアルバムだけど、ちょっとまあ鼻持ちならないよねという人たちもいて。でもこの映画の演奏を通じて、すごい“ライブ・バンド“なんだということが認識された。しかも、結果的にこれがトーキング・ヘッズにとってアメリカでの最後のライブになってしまったんだから、映画に記録されていて本当によかった」(松永)と本作がトーキングヘッズのバンド・イメージを塗り替えたことを語った。

 「モニターはないけどバンド演奏の約束みたいにスタンド・マイクがあるじゃないですか。『アメリカン・ユートピア』だとヘッドセットだけど。スタンド・マイクを大事にした“バンドらしさ”が感じられる。」(松永)、「慌てて(マイクの前に)戻って、こうやって歌うっていう(笑)」(髙城)、「そういう面白さもあるよね。ドリフ的とも言える。実際40年前、50年前に作られたロック映画の素晴らしいものっていっぱいあるけれど、こうやって“今”、観るものとして耐えられるし、何度でも観るたびに発見があるもの、こうやって上映して、人がこんなに集まるものって実は限られているんですよね。ほぼないって言っても過言ではない。」(松永)と、ライブ映画として時代を超えて愛されている作品であることを語る。

 髙城は「個人的に『アメリカン・ユートピア』でも思ったんだけど、デイヴィッド・バーン水飲まないなって(笑)」と会場も思わず笑って、頷いていた。「“この世代の人たち、ステージ上で水飲まない説”ってあるんですよね。ポール・マッカートニーとかね! ポール・マッカートニーもあの歳で(ライブ中)一回も水飲んでないんじゃないかって。デイヴィッド・バーンもすごいモダンな人だけど、やっぱりその世代のショウマンなんだなって。人前で水飲むとか、こうやって今の俺みたいに(と手元の飲み物を指し)、こういうことをしないんですよね。トム・トム・クラブの『Genius of Love』をやっているときに、飲むのかなって思うんだけど。あれ本当すごく見習わないとなって。俺本当に飲むんで」と笑う。

 デイヴィッド・バーンの“ビッグ・スーツ”についても、「あれはクリス・フランツのインタビューを読んだら、どういうスーツが仕上がってくるのかまでは撮影当日までメンバーたちに知らされていなくて。トム・トム・クラブ終わったら、いきなりあれ着て出てきて驚いたっていう。サプライズを仕込んでた」(松永)、「途中まで普通のスーツでやってて。一回捌けて出てきたらあれになってたって。本当に面白いですよね」(髙城)、「あれはギャ……」「ギャグですよね!」と盛り上がった。

 劇場での上映に関しても、「IMAX、一昨日(試写会を)観に行きましたけど、本当に最高でした」(松永)、「そうそう! 映画館でもう一回観に行って欲しいっていうのはあって。ここ(O-EAST)ではここでの特殊な体験があるんですけど、5.1chだったり、そういった映画ならではの設備でも今一度観るべきだと」(髙城)、「ただ今日は飲んで踊ってください!」(松永)と、二人の掛け声で上映がスタートした。

 歓声とともに、「Spotify O-EAST」のLEDの大スクリーンにラジカセを持ったデイヴィッド・バーンが登場。スクリーン上の彼がラジカセの再生ボタンを押すと、ライブハウスならではの大スピーカーから爆音で音楽が流れだし、観客からはどよめきと歓声が一気に立ち上がる! そこに映画内のライブ照明とシンクロした会場内の舞台照明も加わり、上映は臨場感満載! 1983年にハリウッド・パンテージ・シアターで実施された伝説のライブ演奏に、2024年の渋谷のライブハウスから生で声援を送る錯覚に陥る、最高の体験型試写会となった。

 SNSでも「これは映画鑑賞というよりライブだ!」「O-EASTで爆音で浴びると生で観ているかのような凄まじい迫力と臨場感があって新鮮だった。」「ライブハウスで聴いて踊れるの最高」「1983年にトリップしたみたいに伝説のライブを体感できて本当に最高だった!」「歓声が上がった時は映画の声なのか生の声なのか本当に分からないレベル」といった興奮の声が数多く投稿された。

 上映終了後も、観客の最高潮の興奮をそのままつなぐように「Born Under Punches」から始まる澤部 渡(スカート)のDJが会場を盛り上げ、明け方のラストまでKID FRESINOのDJで観客が踊り続ける、伝説的な熱狂の一夜となった。

 登壇者:髙城晶平(cero)・松永良平(音楽ライター)、澤部 渡 (スカート)・Milo・KID FRESINO

(オフィシャル素材提供、写真:寺沢美遊)

公開表記

 配給:ギャガ
 2月2日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー!

(オフィシャル素材提供)

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