リュック・ベッソン監督最新作『DOGMAN ドッグマン』のトークショー付試写会が実施され、映画ライターのSYOが登壇し、MCの奥浜レイラと共に熱いトークを繰り広げた。
上映後のトークショーということもあり、まず本作の感想について聞かれるとSYOは「すごく出来の良い読み切り漫画だなという感覚になりました。いろいろなジャンルを横断しつつ、このテンポ感でちゃんと終わらせることとか、主人公の連載が観たいと思うようなキャラ立ちがあったり、どこかすごい新人が来たような感じがあって。リュック・ベッソンぽいなというグラフィックとかありましたけど、こんなフレッシュな撮り方をする人だったかなと面白かったです」と、本作の監督を務めたリュック・ベッソンが『レオン』(94)、『フィフス・エレメント』(97)など世界中で大ヒットした数々の名作を生み出している巨匠ながら、その新しい演出手腕に感動した様子。続いて奥浜は「最近の作品だとハリウッド進出もして、脚本家として頼まれたけどおそらく誰も監督がいなかったから自分で撮ったんだろうな、あんまり監督には腰を据えてないのかなと思う作品も個人的にはあったりしたんですけど、今回は原点回帰としてやりたいことをちゃんと自分が見つけた題材で撮っていたところに“おかえりなさい”という思いがしました」とここ最近のベッソン作品とは違った印象を受けたようだった。
また、SYOはシリアスに行き過ぎない本作のストーリーについて「主人公の生い立ちがあまりにも壮絶ながら、途中で“犬版のホームアローン”みたいな展開があったり、スパイキッズか!?という展開があって、すごく楽しげに撮っているなという感じがしました」とコメディ要素との絶妙なバランスに言及した。
今回主演を務めたのは若手俳優の中でも演技派として知られているケイレブ・ランドリー・ジョーンズ。本作で『ジョーカー』のホアキン・フェニックスを彷彿とさせる演技と称賛されているが、彼について話が及ぶとSYOは「ケイレブじゃないとできなかったんじゃないかと思うようなシーンがあって。ケイレブはすっごく好きな俳優なんですけど作品選びが抜群に良いので、そういう意味でもリュック・ベッソンの中にも安心感があったんじゃないかと思いました。どんなシーンを与えてもやってくれそうな感じもありますし」と見事に演じ切ったケイレブの演技を絶賛した。
“ドッグマン”というタイトル通りさまざまな種類の犬が登場し、その活躍ぶりが魅力の一つでもあるが、どの子が好きかについてSYOは「ずっとダグラス(ケイレブ)と一緒にいる小さい子かな~、可愛いですね」とダグラスの傍で活躍する“ミッキー”だと明かし、奥浜は「幼少期に一緒にいた子でダグラスを救出するきっかけになった子。いろいろなタイプの子がいるのが良いなと思いました」と笑顔で“推し犬”について語りあった。また、ベッソンの犬好きが作品に反映されているのではと奥浜が触れると、SYOは「ある種、神に見放されて犬に救われる話だと思うんですけど、犬への愛をたくさん描いていて。映画の中にはワンちゃんが死んじゃう映画とかもあって、それは作劇上必要なものだとは思いますが、やっぱり犬好きとしては落ち込んでしまうときもあります。でもこの作品は途中から犬は絶対無事だな!と分かったので素晴らしかったです」と犬愛に溢れた作品であると太鼓判を押した。
トークイベントも終盤となり改めてSYOは「僕はレンタルビデオの最後の世代なんですけど、当時親子で楽しんで見ていた系譜をすごく感じたんですよ。そういう意味で映画の面白さにもう一度気づかせてくれるような作品だったなと思います」と本作へ賞賛を送り、締めくくった。
最後には特別に映画オリジナルTシャツのプレゼント抽選会が行われ、当選者にはオリジナルTシャツが贈呈された。会場からは拍手が起こり和やかな雰囲気の中でイベントは終了した。
登壇者:SYO
MC:奥浜レイラ
公開表記
配給:クロックワークス
2024年3月8日(金) 新宿バルト9ほか全国公開
(オフィシャル素材提供)