登壇者:佐倉綾音、榊原優希、大塚剛央、細谷佳正、森なな子、悠木 碧、塚原重義(原作・脚本・監督)
昨日4月12日(金)より全国の劇場にて2作品同時に封切りとなった『クラユカバ』と『クラメルカガリ』。公開初日は主人公の探偵・荘太郎を演じた神田伯山を始め、黒沢ともよ、芹澤 優、坂本頼光ら『クラユカバ』のキャスト陣が監督・塚原重義と共に舞台挨拶を実施。初日から一夜明けた本日4月13日(土)は、佐倉綾音、榊原優希、大塚剛央、細谷佳正、森なな子、悠木 碧ら『クラメルカガリ』の豪華キャストが集結! 塚原監督と共にテアトル新宿にて、公開記念舞台挨拶を開催した。
本作は、『クラユカバ』のスピンオフ小説として、成田良悟が執筆したシナリオを原案に制作した長編アニメーション映画。「箱庭」と呼ばれる炭鉱の町で起きる不審な事件に立ち向かう「地図屋」を営む少女・カガリと、風変わりな町の人々が織り成す痛快群像エンターテイメントだ。
上映を終えたばかりの余韻が残る会場に、万雷の拍手で迎えられたキャストと監督たち。キャストたちは、本作の幻想と現実が入り混じりながら、どこか懐かしさを漂わせる唯一無二の世界観、自身が演じた個性溢れるキャラクターをイメージした衣装を身にまとい登場!
掴みどころのない独特なキャラクターのカガリを演じた佐倉は「主体性があるのかないのか分からない彼女が、果たして主人公としてタイトルを背負う、物語を引っ張って行けるのかと、正直はじめは不安が大きく、キャラクター性を活かしながら、個性が強い周りのキャラクターたちとのバランスをどう取っていくのかが難しかったです」と振り返る。
カガリに思いを寄せる幼馴染のユウヤを演じた榊原は「映画を既にご覧いただいた方の反響を見ていたのですが、ユウヤは“愚かわいい”なんて言われていて(笑)。自分は“もう大人なんだよ”という意識が強いものの、大人になりきれない不完全さというのが魅力だと思ったので、誰と相対する時にどんな感情になるかというのを大切にしていました」とコメント。すると、思わず登壇者たちが「愚かわいい界のエースが来たなと思った」「いい愚かさ(笑)」とのコメントが飛び交い、会場から笑いが沸き上がる。
カガリとユウヤと共に奇怪な町を陰から見守る貸本屋・伊勢谷を演じた大塚は、キャラクターを象徴するアイテム・煙管を手に登壇。「実はアフレコでは、ボールペンを煙管の代わりに口にして収録していました(笑)」と裏話を披露。加えて、「なかなか掴みどころのないキャラクターで最初はどうしようかと悩んでいました。彼にとって一体、起こっている出来事のどこまでが想定内で、何が想定外なのか。余裕があるように見えて、実は緊張感を持っているのかなど、ミステリアスなキャラクターの幅を表現するのが難しかったです」と振り返る。
伊勢屋と対をなすように、町を表で守ろうとする栄和島を演じた細谷は「先に大塚さんが収録されていたので、僕はとにかく楽しいという気持ちだけでアフレコを終えました。栄和島は振る舞いだったりがダークサイドにいるキャラクターにも一見見えて。非道になり切れない中途半端な感じだったり、彼の過去が垣間見えるシーンもあったりして演じていて面白かったです」とコメント。
ある事件を追って町に調査へ訪れたシイナ役の森、町の情報屋としてシイナに協力している飴屋を演じた悠木は共にアフレコ収録を行ったという。シイナと自身の共通点を尋ねられると森が「即決の判断力は唯一似ている点かもしれませんが、それ以外は冷静でかっこいい彼女と自分の共通点が中々見つからず……」と回答すると、悠木が「私から見ると、森さんとシイナは似ているなと思うんです。土台を支えてくれる安心感がずっとありながら、ちょっとかわいいところがあるのが“これは素敵すぎる森さん!”と思って一緒に演じさせていただきました」と悠木。
続けて、「この作品に登場する数多くの“読めない”キャラクターの中でも、コメディになったことでより読めなくなったキャラだなと思っています(笑)。シイナさんはやればやるほど残念になってしまう真面目なギャクタイプ、飴屋は何故かふざければふざけるほどいい方向に転んでいくタイプ。そのふたりの対比がとても面白くて、森さんと一緒に演じるのがとても楽しかったです」とアフレコを振り返る。また、「キャラクターデザインが自身に似すぎている(笑)」と笑いを誘いながら、飴屋調に話すサービスも。
そして、アフレコ現場で特に印象に残っているエピソードを聞かれた塚原。細谷とのアフレコ収録は「一部、元々イメージしていた演技とは異なる別のプランを細谷さんから提案を頂いて、収録を行ったシーンがあるのですが、その演技が素晴らしくて」と振り返り、佐倉のラスト・シーンの名演については「OKと思っていたテイクがありましたが、最後にもう一テイクお願いしたセリフに、思わずスタッフ全員が息をのみました」と明かすと、「カガリは叫ぶことを知らなそうなキャラクターなので、彼女の普段は出さない声でアプローチした」と佐倉が当時の心境を明かした。
最後は登壇者を代表して、佐倉が感謝の気持ちと合わせて、「エンタメとしてしっかり成立しながら、カガリとユウヤの過去も現在も未来もしっかり描かれている、自分の中でさまざまな気持ちが駆け巡った作品です。『クラユカバ』も『クラメルカガリ』も塚原ワールドが広がっていて、もう一度この世界に巻き込まれたいと思って観ていただくのもいいですし、少し視点を変えてご覧いただくのも楽しめると思います。また劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです」とのメッセージが送られイベントは幕を閉じた。
長編アニメーション映画『クラメルカガリ』、そして共に公開となった『クラユカバ』は全国の劇場にて好評上映中。
公開表記
配給:東京テアトル、ツインエンジン
4月12日(金) ロードショウ
(オフィシャル素材提供)