イントロダクション
⾧編映画『莉の対』(れいのつい)は、映画制作経験が全くなかった、監督の田中稔彦と監督補の池田彰夫の2名が、豪雪の雪山で撮影をするところからスタート。その後、二人の声かけによって集った畑違いのアマチュア・スタッフたちだけで全編を撮影した。リアルな春夏秋冬をカメラに収めるため撮影期間は約1年にわたり、北海道 東川町(ひがしかわちょう)や占冠村(しむかっぷむら)をはじめとした数多くのロケ地の協力も得ながらクランクアップを迎えた。雪山でのホワイトアウトや、気象条件が非常に厳しいロケ地での撮影も多々クリアし、少人数で作ったとは
思えないほど豊かな自然の表情が観られる作品に仕上がっている。
東京と北海道を舞台に、出会うはずが無かった二人の男女の物語。
彼女らをとりまく周りの人間たちはさまざまな問題をかかえる者たちだった。
障害を抱えた子を持つ夫婦、行き場のない不倫関係を続ける男女、子を愛せなかった母親、弟の苦悩に寄り添えなかった兄。
コロナ禍で葛藤を抱える舞台俳優、性同一性障害に悩む者、そして耳が聞こえない風景写真家。
人は誰かと繋がることで自分の存在価値を見出そうとするが、そうすることで脆く崩れていく人間模様。
人間の脆さや弱さを、自然の美しさと対を成すように描いたヒューマン・ドラマ。
ストーリー
自分の存在の希薄さを感じながら生きている光莉。ある日、ふとしたきっかけで1枚の写真に心惹かれた光莉は、その写真を撮った人物に自分のポートレイト写真を撮ってくれないかとメールで依頼する。光莉の元に返ってきた返信は「人物の写真は撮ったことがありません。あと。僕は、耳が聴こえません。なので、しゃべることもできません。うまくコミュニケーションが取れないと思います。それでもよければ……」風景写真家である真斗からのメッセージ。真斗は失聴者だった。
光莉と真斗、それぞれを取り巻く人間関係が少しずつ影響を与えあい、そして脆く崩れていく。自然の美しさと対比されるように描かれていく人間模様。
『莉』は単独ではほとんど意味を持たない。
他と結びつくことで初めて意味を持つ。
(英題:Rei、2023年、日本、上映時間:190分)
キャスト&スタッフ
監督:田中稔彦
キャスト:鈴木タカラ、大山真絵子、森山祥伍、池田彰夫、勝又啓太、田野真悠、菅野はな、内田竜次、築山万有美/田中稔彦
ギャラリー
予告編
オフィシャル・サイト(外部サイト)
公式X:@reinotsui
公開表記
配給:©No Saint.&Bloom CO., Ltd.
2024年5月31日(金)より、テアトル新宿にて1週間限定上映 ほか全国順次公開
(オフィシャル素材提供)