『A NEW DAWN（邦題未定）』2025年公開＆第77回カンヌ国際映画祭「Animation Day」アヌシー・アニメーションショーケース選出

　日本画家・アニメーション作家としてボーダレスに活躍する四宮義俊監督による劇場長編アニメーション『A NEW DAWN（邦題未定』の2025年劇場公開が決定した。
　日本画家としての活動を軸に、新海　誠監督や片渕須直監督など名だたる監督のアニメーション作品に参加するなど、ジャンルを超えてさまざまな創作活動を行ってきた唯一無二の美術家である四宮監督が、自身のオリジナル脚本で描く初の長編アニメーション作品となる。また同作は今年の第77回カンヌ国際映画祭マルシェ･ドゥ･フィルムにて開催される「Animation Day」アヌシー・アニメーションショーケースへも選出され、５月19日（現地時間）には四宮監督が登壇、本作のメイキング映像の上映とプレゼンテーションを行う。
　作品の舞台は、土地立ち退きの強制執行が迫る創業330年の花火工場・帯刀煙火店。そこで育った３人の若者たちと、幻の花火≪シュハリ≫をめぐる２日間の物語を描き出す。

　本作は、シンエイ動画との共同製作でカンヌ国際映画祭『監督週間』に選出された７月19日公開『化け猫あんずちゃん』や、2023年アヌシー国際アニメーション映画祭クリスタル賞受賞作『リンダはチキンがたべたい！』（絶賛上映中）など世界の映画祭で脚光を浴びるフランスのアニメスタジオMiyu Productionsと、アスミック・エースとの日仏共同製作となる。アニメーション制作を担うのは、高坂希太郎監督やモリ・マサ監督らを擁するスタジオアウトリガー。さらに米津玄師が「ハチ」名義で発表した「砂の惑星 /feat.初音ミク」や、ヨルシカ「準透明少年」など多数の人気アーティストのミュージック・ビデオを制作し、TVアニメ「天国大魔境」でキャラクター・デザインを手掛けたうつした（南方研究所）がキャラクター・デザインを担当。美術に『君の名は。』『詩季織々』などを手掛けた馬島亮子、音楽に瀬田なつき監督『5 windows』、冨永昌敬監督『マンガをはみだした男～赤塚不二夫』はじめ国内外でのパフォーマンス、展覧会など多様なプロジェクトで注目される蓮沼執太と、豪華なメインスタッフが集結した。

四宮義俊監督コメント

　企画を作り始めたのは2016年でした。月日が経つうちに、自分を取り巻く環境や景色も変わり、家族もできました。
　ある日、雑木林の隙間からあるはずのない『海』を子どもが見つけ僕に問いかけました。凝視すれば何のことはないソーラーパネルの羅列でした。ネガティブに感じられ変わっていく日本の風景にいっとき新しい解釈を与えた次の世代の感性は僕にとってとても意味のあるものに感じられました。
　そしてその瞬間、この物語は駆動し始めました。当時はごく一部の事象を描いたものでしたが、時を経るごとに物語がリアリティを帯びていったように思います。
　企画が始まってから８年目の今日、皆さんに情報をお届けできることにちょっとした奇跡も感じています。
　完成まではまだまだ長い道のりですが、作りながら、また少しずつ皆さんに知っていってもらえると嬉しいです。

プロフィール
　1980年生まれ。日本画家として絵画を軸に、立体、映像など多彩な創作活動を行う。実写映画やアニメーション映画の美術や特殊シーン演出を担当、『君の名は。』（新海誠監督・回想シーン）、『この世界の片隅に』（片渕須直監督・水彩画）等に参加。渋谷スクランブル交差点での四面連動ビジョン放映で話題になった「トキノ交差」や「冒険隊～森の勇者～」（眉村ちあき）MVで監督を務める。本の装丁、広告、CMなど各種メディアに携わる一方で、日本画家として培った素材研究をベースに異質なマテリアル同士やジャンル同士を媒介・融合させながら作品を制作し続けている。

カンヌ国際映画祭「Animation Day」とは

　カンヌ国際映画祭に合わせて開催される世界最大規模のマーケット（映画見本市）「マルシェ･ドゥ･フィルム（Marché du Film）」では、アニメーションの人気が急上昇し、映画館のスクリーンやストリーミング・プラットフォームを飾る作品が日々増え続ける中、アニメーションの普遍的な魅力と影響力の高まりを牽引するため、世界最大級のアニメーション映画祭であるアヌシー国際アニメーション映画祭と提携し、アニメーションの独創的な芸術性に特化したキュレーション・プログラムとして１日限りのイベント「Animation Day を開催する。
　「Animation Day」におけるプログラムの主な目玉である「アヌシー・アニメーションショーケース（Annecy Animation Showcase ）」では、セールスエージェント、配給会社および映画祭での認知を拡大することを目的とした、さまざまな制作段階にあるアニメーションのトップ５作品にスポットライトを当てる。選出された作品のプレゼンテーションや、アニメーション・コミュニティの関心とニーズに合わせた洞察に満ちた講演、パネルディスカッション、ネットワーキングの機会も用意されている。