作品紹介

『男女残酷物語/サソリ決戦』

©1969 – Cemo Film (Italia) – Surf Film All Rights Reserved –

イントロダクション

 これまで一切日本に紹介された形跡のない、1969年イタリア製ウルトラ・ポップ・アヴァンギャルド・セックス・スリラーが、製作から55年を経て日本に初上陸する。終わりなき男女の対決を描き、エリオ・ペトリ『華麗なる殺人』(65)、マルコ・ヴィカリオ『黄金の七人』(65)、ロジェ・バディム『バーバレラ』(67)、パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ『女性上位時代』(68)、ジュリオ・クエスティ『殺しを呼ぶ卵』(68)などの名だたる作品群にも通じるエロティシズムとフェティシズムを漂わせ、サイケデリックなサブカルチャーとセックス、ブラックなユーモアも含めて完璧かつ超洗練の異常世界を構築、近未来SF的美術造形は唯一無二の異様さを醸し出し、あまりの傑作ぶりに観る者は顎が外れること必至。
 サディスティックな凌辱魔人セイヤー役に『黄金の七人』『女性上位時代』『愛の嵐』(73)の名優フィリップ・ルロワ。監禁される女性メアリーを大量のイタリア犯罪映画、ホラー映画、エロティック映画で活躍、マリオ・バーヴァやルチオ・フルチ作品にも出演したドイツの女優ダグマー・ラッサンダーがクールに熱演。
 音楽は『ベニスの愛』(70)、『夜行性情欲魔』(71)、『血みどろの入江』(71)等を手掛けるイタリア映画音楽の巨匠ステルヴィオ・チプリアーニ。エンニオ・モリコーネの影響も垣間見える極上のラウンジ・ミュージックをベースにポップ、サイケデリック、ジャズを縦横無尽に駆け巡るチプリアーニの美しいメロディは映画を飛び越えて独立した存在感を発揮、本作の「メアリーのテーマ」は世界的な人気を誇る。また、美術面ではフランスの芸術家ニキ・ド・サンファルによる巨大女性像≪ホン≫のレプリカが使われ作品に忘れ得ぬ印象を刻むほか、記号の繰り返しによる空間構成で平面を造形するイタリアの抽象画家ジュゼッペ・カポグロッシ作品へのオマージュが劇中に施されている。
 米国では『カルメン・ベビー』(67)、『炎』(69)、『夜行性情欲魔』の監督ラドリー・メツガー率いるオーデュボン・フィルムが全米配給権を取得、『サンフランシスコ連続殺人鬼』(71)とのカップリング興行も行われた。
 相容れない男女の生態を極彩色の筆致で描いた、世にも残酷な物語。あまりに痛烈で華麗な結末を見届けたら最期、全身を中毒のように絡め取られるだろう。

ストーリー

 精巧な拷問技術の達人という裏の顔を持つ慈善財団大幹部セイヤーは、ジャーナリストのメアリーを拉致監禁、ハイテク装備満載の秘密のアジトで、想像を絶する肉体的、精神的凌辱の限りを尽くす。だが、言葉にできない恥辱を受けても微笑むメアリーはセイヤーの想像を遥かに超えていた。弱音を吐き始めるセイヤー。いま、洗練と野蛮が表裏一体の、性の対決がはじまる。

キャスト&スタッフ

 監督・脚本:ピエロ・スキヴァザッパ
 製作:ジュゼッペ・ザッカリエーロ
 撮影:サンテ・アキーリ
 美術:フランチェスコ・クッピーニ
 衣装:エンリコ・サバティーニ
 編集:カルロ・リアリイ
 音楽:ステルヴィオ・チプリアーニ
 出演:フィリップ・ルロワ、ダグマー・ラッサンダー、ロレンツァ・グェッリエリ、バロ・ソレリ、マリア・クマニ・クアジモド、ミレッラ・パンフィーリ

 (原題:Femina Ridens|英題:The Laughing Woman / The Frightened Woman、1969年、イタリア、上映時間:90分)

ギャラリー

予告編

©1969 – Cemo Film (Italia) – Surf Film All Rights Reserved –

オフィシャル・サイト(外部サイト)

6.7(金)公開『男女残酷物語/サソリ決戦』公式サイト
2024年6月7日(金)より新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイントほか全国順次本邦初上陸 | 『男女残酷物語/サソリ決戦』公式サイト | イタリア製ウルトラ・ポップ・アヴァンギャルド・セックス・スリラーが本邦初上陸!

公開表記

 配給:アンプラグド
 6月7日(金)より新宿武蔵野館・渋谷ホワイトシネクイントほか全国順次公開

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