イベント・舞台挨拶

『ラストターン 福山健二71歳、二度目の青春』公開記念舞台挨拶

©2023『ラストターン』製作委員会

 登壇者:岩城滉一、高月彩良、田山涼成、宮崎美子、久万真路監督

 今や人生100年時代と言われ、定年退職後・子育て後の人生が昔と比べて格段に長くなった現代。この時代の中、人生の最期のページを意識し始めた71歳の主人公が、一歩を踏み出してさまざまな人と交流し新たな挑戦をはじめ、自分の第二の青春を送ろうとする、オリジナル脚本で描く希望の物語・映画『ラストターン 福山健二71歳、二度目の青春』が5月10日(金)に公開する。

 本日5月11日(土)、東京・シネマート新宿にて、本作の主人公・健二役の岩城滉一、その妻・佳代役の宮崎美子、健二が通う水泳教室の講師・香里役の高月彩良、健二がコミュニティクラブで出会う友人・橋本役の田山涼成、久万真路監督が登壇し、公開記念舞台挨拶舞台挨拶を行った。

 会場の皆さんの温かい拍手に迎えられながら、岩城滉一、宮崎美子、高月彩月、田山涼成、久万監督が登壇。

 撮影から約1年半を経てようやく公開を迎えた心境を聞かれると、岩城は「ここ2年くらいで3本ほど映画を撮っているんだけど、特にこの作品は自分の年齢にすごく合った、これからも人生が続いていく中での実生活とリンクする話だったので、すごく楽しみにしていました」と喜びを語った。
 監督は「岩城さんの今までのワイルドなイメージとは真逆の役をお願いしましたが、本当に自然体で演じていただいて、僕が脚本を書いているときに描いていた健二というキャラクターをまさしく体現してくださって、本当に感謝しております」と喜びを覗かせた。

 岩城は26年ぶりの映画主演となるが「26年も経ってるの? もう朝飯何食べたから覚えてないから(笑)」と笑いを誘いつつ、「健二という役は、年なりの、無理せずに出来る役でした。白髪のままでも良いですし。ちょうど大腿骨を折っちゃって脚が不自由だったんです。だから、劇中でもハシゴから落っこちて怪我したことにしよう、と急に台本を変えてくださって。それもあって、最近運動靴しか履かなくなりました」とさまざまな面で等身大の岩城自身のキャラクターや状況が作品にも投影されていたようだ。続けて「年齢は誰にでも待ったなしで来るからね。健二の生き方を観て、こういう生き方も良いなと感じてもらいたいですね」と呼びかけた。

 本作の構想のきっかけを聞かれると、監督は「僕ももうすぐ還暦に近いのですが、これから生きていく上で、憧れるお年寄りのモデル・ケースが少ない気がしていて。長く生きていく中で、輝けるお年寄りの方の姿を僕らの目標として描ければ良いなと思って作りました。岩城さんもものすごくアクティブですが、まさしく岩城さんのような方が増える世の中になったら嬉しいなと思っています」と明かした。

 認知症を患い、健二を残してなくなってしまう妻・佳代を演じた宮崎は「佳代は認知症を患って先に亡くなるんですが、デイケアの施設に見学に行って実際に患者さんとお会いして、演技の参考にさせていただきました。これもまた一つの老いの姿なので、私もそういう年齢に差し掛かったかな、という、節目の映画になりました」と振り返った。

 宮崎が「仲の良い夫婦でしたよね」と岩城に声を掛けると、岩城は「たくさん会話をするというよりかは、『花が綺麗だね』とか、一緒に見るものを二人で感じ合うような場面が多かったね」と回想した。それを受けて宮崎は「佳代は分かっていないのかもしれないけれども、私も演じていてとっても幸せな時間でした。良い夫婦だな〜って」と、劇中でお互いを思いやる健二と佳代を目の前で見ているような、温かい掛け合いを披露した。

 コミュニティクラブで健二に泳ぎを教える水泳講師・香里を演じた高月は、「出演のお話を頂いたときは、私でいいのだろうかと驚きました。久万監督とは何度かご一緒させていただいていて、お会いした時に、私が監督に『水泳できます!』とお伝えしていまして。それを覚えてくださっていて、今回声を掛けてくださったという気持ちが一番嬉しかったです。初めて台本を読んだ時は、どの世代の方にも楽しんでいただける作品だと思いました。私は香里目線で読んだのですが、私自身も水泳選手になることが夢だった時期があったので、リンクしながら読み進めました。台本を読み終わった瞬間に、清々しいような動き出したくなるような感覚になりました」と振り返った。

 健二とコミュニティクラブで出会い、健二を外の世界に引っ張っていく陽気な友人・橋本を演じた田山。岩城とは初共演だそうだが、「なんと、私の妻が岩城さんと同じ誕生日なのです。それを知った時にすごくご縁を感じました。ですが、岩城さんは最初怖いイメージがありまして(笑)、どうお話しよう……と思っていたのですが、岩城さんもおしゃべりが好きで! 本当に和んじゃって。撮影中、岩城さんに『田山さんとはダチ公だ!!』と言ってくださったんです。大変喜んだ次第でございます」と微笑ましいエピソードを明かすと、岩城は「田山さんと始めに会った時は、感じ悪いおやじだなと思ったのよ(笑)。それが、話を聞いたら本当に真面目で、本当に良い方なんです。今日も舞台挨拶の前に、『俺らダチ公だよね』と確認し合ったんですよ」とまるで劇中さながらの関係性の二人のエピソードに会場はほっこり。

 健二が苦手な水泳を克服するために一歩踏み出すというエピソードにちなんで、登壇者は苦手だけど克服したいものを披露。岩城は「この間、家に友人が集まった時、女房が大変そうに支度をしていたんだよね。普段は台所に入らないんだけど、一緒に春巻きを作って。二人とも良い年になってきてるから、そろそろこうやってお手伝いをしたり、二人支え合いながらやっていかないとなと。この映画がきっかけになりました。『女房が先に死んだらどうなるの?』って、今まで考えたことなかったんだけど、この映画を撮影しているときにすごく考えさせられた。精一杯やっていけることは二人でやっていって、幸せに生きていきたいなと思うようになりました」と、健二の役が岩城自身に大きな影響を与えたことがわかるエピソードを披露した。
 宮崎は「スポーツ全般がとても苦手なのですが、映画を観直してみると、水泳って良いかもなと思い始めました」と明かすと、岩城が「水着姿似合うから良いじゃない!」と後押ししていた。
 高月は「虫です。虫が本当に苦手で、虫を克服したいです。アリが出たら寝れなくなったりします。予測不可能に動くじゃないですか」と明かすと、岩城が「俺から見たらあなただって予測不可能よ!」とツッコんで会場の笑いを誘っていた。
 田山は「コンビニが、セルフレジのような全部機械になっておりまして。それでもたもたしていると、後ろに並んでいる方が“ここはこう押すのよ、おじいちゃん”という目つきで見ているんですよ。それを克服したいですね。この悔しさを自分の中に溜めて、しっかりできるようになりたいです」とコミカルに身振り手振りで再現する様子に会場は大爆笑。
 最後に監督は「僕は高所恐怖症です。高いところでの撮影でも、カメラマンだけ上に行ってもらって、僕は下でモニターで見ているんです」と明かした。

 最後に、監督より「今日の舞台挨拶を見ていて、まるで本当に健二と橋本さんがしゃべっているかと思いました。このコンビの面白さや、健二と佳代の夫婦愛の慈しみ、香里の、若いながらも二度目の青春を生きるひたむきな姿を描けた作品になっております。肩肘張らずに楽しんでいただける作品になっておりますので、ぜひ楽しんでください」、岩城より「夫婦仲良いところを観ていただけたらそれで十分です。あとは、何か一つお土産に、“こういうふうに生きていきたい”と指針に思ってくれたら本当に嬉しいし、素敵ですね」と締めくくり、舞台挨拶は和やかなムードで終了した。
 新時代のグランド・ジェネレーション世代、そして新たな一歩を踏み出すすべての人に贈る、自分の姿勢一つで、今この瞬間も輝けることを思い出させてくれる、全世代への応援歌・ヒューマン・ドラマ・ムービー『ラストターン 福山健二71歳、二度目の青春』にご注目いただきたい。

公開表記

 配給:イオンエンターテイメント
 絶賛公開中!

(オフィシャル素材提供)

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