ヨーロッパ・ジャンル映画界の異才が臨界突破で叩き込む!
エクストリーム・ハードゴア・アクション『FARANG/ファラン』が5月31日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開となる。
極限の人体損壊描写でR-18指定!
監督は『ヒットマン』のエクストリームなヴァイオレンス描写でその名を世界に知らしめたヨーロッパ・ジャンル映画界の異才ザヴィエ・ジャン。その後もホラーを中心に映画ファンの注目を浴びてきた彼が、再び容赦なきヴァイオレンスをかつてないテンションでハードゴアに描ききる。愛する者を奪われ、捨て身の覚悟でひたすら敵を殺しまくる主人公サムを演じるのはキック・ボクシングの大会で優勝経験もあるフランスの新星ナシム・リエス。極限まで鍛え上げられた肉体が繰り出す圧巻のアクションと、ザヴィエ・ジャンが見せる極限の人体損壊描写が奏でるハードゴアのアンサンブルは圧巻の一言。更に『オンリー・ゴッド』で映画ファンのハートを虜にしたヴィタヤ・パンスリンガム、カンヌ国際映画祭主演男優賞受賞の重鎮オリヴィエ・グルメらベテラン勢が、凄絶な愛と復讐の交響曲に荘厳な彩りをもたらしている。
血まみれの拳と肘が俺の武器!
凄腕ながらも家族のために八百長で負けることで日銭を稼いでいた格闘家の彼が、理不尽に家族を殺され、抑えていた凄まじいまでの闘争本能を開放し、殺戮モンスターとして敵を粉砕していく! 怒りの炎に燃えたぎるサムが圧巻の格闘術で次々と人体を破壊していくアクション描写に観客は血沸き肉躍ること間違いなし!
この度、監督のザヴィエ・ジャンのオフィシャル・インタビューが解禁された。
コンセプトを教えてください。
リアルで、素晴らしく、人々に愛されるフランスのアクション映画で、海外の作品に負けないほどに悪趣味で不気味な映画。そしてアルジェリア出身のキャラクターを描きつつも彼の文化的背景を映画のテーマとはせずに美しい贖罪の物語を描く映画です。家族を救うためなら何でもする真のヒーローを描きたかったのです。
テレビシリーズ「ギャング・オブ・ロンドン」に携わる前に『FARANG/ファラン』を作ることが出来たと思いますか? もしくは想像することさえ出来たと思いますか?
出来なかったと断言できます。「ギャング・オブ・ロンドン」で培ったノウハウがあったからこそ、今作を作ることが出来ました。「ギャング・オブ・ロンドン」とほぼ同時期に、妻のムーニア・メドゥールが監督を務めた映画『パピチャ 未来へのランウェイ』にプロデューサーとして携わりましたが、『パピチャ 未来へのランウェイ』では非常に芸術的な映画作家の作品に、「ギャング・オブ・ロンドン」ではギャレス・エヴァンスの特別なタッチを描いたアクション映画に携わる経験をそれぞれ積みました。こうして私の映画作りのスタイルがリブートされたのです。『FARANG/ファラン』はセカンド・チャンスを描いた物語であると同時に、私自身の物語でもあります。私は29歳という若さで映画製作を始めましたが、45歳になった今が新たな境地を開拓する時だと思いました。もう子どももいて、前の自分とは同じ人間ではないのです。
本作はフランス映画としてはとても珍しい作品です。どのようにして製作にこぎつけたのですか?
この映画は、この手の映画としては初めての挑戦であったにも関わらず、早い段階で資金を集めることができました。何度か断られた後に、プロデューサーのディミトリ・ステファニデスとヴィンセント・ロジェがスタジオカナルに売り込み、すぐに受け入れてくれました。カナル・プラスもそれに続き、『フロンティア』でサポートしてくれたマヌエル・アルデュイのおかげでフランス・テレビジョンも資金を提供してくれました。その条件として、R16は避けなければなりませんでしたが。さらに、アメリカの会社にも買ってもらい全世界で公開されることが決まりました。
主演俳優について教えてください。
ニコラ・ブークリエフ監督の『メイド・イン・フランス -パリ爆破テロ計画-』とオリヴィエ・マルシャルの『オーバードーズ 破滅の入り口』でナシム・リエスを見ました。彼がインスタグラムを通して私に連絡をくれて、彼と会った1週間後に出演のオファーをしました。彼はキック・ボクシングの元チャンピオンでとても強いんです。映画の内容とは関係なく、アルジェリア出身の強烈な俳優を探していました。デンゼル・ワシントンが黒人であることはストーリーの中心になることはなく、彼の肌の色について深く考えることはありません。それがまさに私が『FARANG/ファラン』で求めていたことです。世界は進化する必要があるのです。フランスの多様性を代表する俳優が必要でした。ナシムは映画のために肉体を鍛え上げ、撮影中は捻挫をしたり、体を切るなど軽い怪我をしたりしましたが、撮影を遅らせることは一度もありませんでした。スタントマンを使ったのも一度だけです。アメリカのスタジオも彼を素晴らしいアクション・スターであると評価して、すでに彼を追いかけています。
オリヴィエ・グルメはどうでしょうか?
流行中のラッパーではなく、一流の映画俳優に悪役を演じて欲しかったです。彼の素朴さや曖昧さ、堂々としている姿がとても気に入りました。典型的なフランスのチンピラに見えますよね。
ギャレス・エヴァンスの方法論について触れていましたが、詳しく教えてくれますか?
プリビジュアライゼーションが全てです。普通のスマートフォンを使用してシークエンスがどのように見えるかを撮影し、それを正確に再現するように編集する方法です。本格的に撮影をする前にスタントマンや俳優と実物大のセットで撮影してシーンを事前に作ります。あらゆることを想定してアングルやフォーカスを決めてシーン全体をデザインするのです。スタントマンの精度や効率、安全性にとっても有効的です。その結果、実際に撮影をした時に、私たちが思い描いて計画したものを100%どころか1000%得られることになります。『FARANG/ファラン』では撮影の3ヵ月前からプリビジュアライゼーションを行ないました。
本作ではアクション監督がいましたか?
アクション・コレオグラファーのジュード・ポイヤーがいました。フランスにはない役職ですが。『キングスマン』の教会でのアクションの振付を担当した経験があり、ギャレスと定期的に仕事をしています。監督と一緒にシーンを作るアクション・デザイナーとしての役職です。これこそが本当の共同作業で、組織化されたカオスを一緒に作り上げていきます。彼が私に提案し、アクションのドラマ性や何が問題なのか、どのようにアクションが進むのか、どのような感情を伝えたいのかを考えます。観る人を感心させるだけでなく、感情を刺激することも重要だからです。
ナシムの対戦相手は本物の格闘家ですか?
ムエタイの試合では対戦相手が本物のボクサーでした。お互いに遠慮することなく本当に激しく殴り合っていて、シークエンスを見るだけでそれを感じることができます。ドニー・イェンやジャッキー・チェンと仕事をしたこともあるタイのスタントマンも起用しました。皆さん本当に素晴らしいフィルモグラフィーを持っています。プリビジュアライゼーションのおかげもあって、彼らとは非常に仕事しやすかったです。
撮影はどこで行ないましたか?
撮影は2022年2月から4月にかけて行ないました。そのうちの1週間をパリのフレンヌ刑務所で、そしてタイで撮影した35日間の半分はアクション・シーンに費やしました。タイはバンコクとバンチャンにある村で行ないました。
『FARANG/ファラン』の公開はどうなると思いますか?
この映画が観客にどのように受け止められるか様子を見ているところですが、すでにいくつかの国で上映し、熱狂的な観客を迎えています。観客にはこの映画に熱中して、席から立ち上がってしまうほど没頭してもらいたいです。その間、私はセーヌ川を舞台にしたベレニス・ベジョと他の誰でもない、ナシム・リエス主演のサメ映画を撮る予定です。
公開表記
配給:クロックワークス
5月31日(金)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー