登壇者:spi、堤 幸彦監督、一ノ瀬京介(原案・脚本)、横澤大輔(プロデューサー)
近年Chat GPTの登場など急激にAIが注目される中、AI同士が討論したらどうなるのか? 奇才・堤 幸彦監督最新作でキャストたった1人で15役を全編英語で演じる『SINGULA』(シンギュラ)が絶賛公開中。
5/13(月)、世界に衝撃を放った本作を生み出した、主演のspi、堤 幸彦監督、原案・脚本の一ノ瀬京介、横澤大輔プロデューサーが一同に集まり公開記念舞台挨拶を実施した!
spiは「僕、舞台挨拶が初めてなんですよ。本日は駆けつけてくれてありがとうございます」と会場に集まった大勢の観客を前に、嬉しそうに挨拶。続けて、堤監督は「こんな光景滅多にないよ」、一ノ瀬は「この作品は僕が32歳の時に脚本を書いた舞台が元になっています。こんなに多くの方に観ていただけて嬉しいです」、横澤は「劇場公開が実現したことに感謝します」とそれぞれ挨拶。
そしてここからは、人に究極の癒しやリラックスを与えるビーズクッションYogiboソファと、人間の感情の「癒し」とは無縁のAIというまさに水と油のコラボレーションとなった、映画『SINGULA』とYogiboのコラボにより、壇上にはカラフルなYogiboソファが並べられ、世界初!?となるYogiboソファに座りながらの舞台挨拶がスタート。
堤監督がYogiboソファに腰掛けながら「これがYogiboですよね。ラクダをダメにするやつですよね(笑)。シュールな光景ですね」というと、場内からはその異様な光景に笑いが起こった。コラボ動画に出演したspiは「この前特別映像を撮っていて1日中 Yogiboと戯れていたんですよ」と振り返った。
映画をつくるきっかけを聞かれた堤監督は、映画の元となった舞台を観て「なんて不思議かつ刺激的な舞台なんだろうと思って、そこに浮かび上がってくるテーマに感動して、その場ですぐに映画化したほうがいいですよと言いました。そして、映画化が決まった後に、ふと15人の役を1人でいいんじゃないかというアイデアが降ってきて、そしてこんな映画になりました」と明かした。
キャスティングについては、一ノ瀬が「英語ができて、15役を演じ分けられる人がspiさんしか思い浮かばなくて。すぐ夜中に電話して、その2日後には会ってspiさんの出演が決まりました」と異例のスピードで決定したという。
しかし、実際に現場に入った際の感想を聞かれるとspiは「初めてお話を聞いた時、“たぎりますね”って答えたのですが、台本を読んで、絶対に自分には出来ないって思って泣きました。監督や一ノ瀬さんにも相談したら、二人は大丈夫!大丈夫!みたいな感じで。まじかよ!と思いました」と苦笑交じりに当時の心境を明かした。また、15役の演じ分けについてspiは「俳優論になってしまうんですが、役を外から作っていきました。まずは器を作って、その器の中でセリフを言えば、その役になるだろうと思って演じました」と答えた。
完成した映画を観て、一ノ瀬は「なんて気持ちの悪い映画なんだろうと思った(笑)。けれど、観終わったあとに、いいモノ観たなって気持ちになりました」、spiは「変な映画だと思いました(笑)。自分で演じたんだけど、合成で本当に15人いるみたい。そして、最初の始まり方が堤イズムで始まっていて、間や音が堤監督の作品だ!と感動しました」、横澤は「映画なのか、舞台なのか、洋画なのか、邦画なのかと。コロナ禍に作ったので映画館でかける前提で作られてない。当初メタバースでの上映とかの話もしていました。滅多にない作品になっているので、そこを楽しんで欲しい」、堤監督は「まだ編集したいくらいの気持。いろいろなトライアルができる作品なので。あと、ラストに流れる主題歌のr-906さんの『イフ』という曲が、ボーカロイドでデジタルな作りでありながら、とても人間的で。やっぱり人間が作り出した作品だなと着地ができて良かったです」とそれぞれ感想を言い合った。
最後に、これから映画を観る観客に向けて一人ずつメッセージが向けられ、横澤は「今まで見た観たことのない作品になっているので、ぜひ楽しんで観てほしいです」、一ノ瀬は「もともとこの脚本は、AIを通して、今一度人間の尊さを感じて欲しいと思って書いたので、ぜひ観終わった後に自分はこんなふうに思ったとSNS上などでディベートを繰り広げられたら嬉しいです」、堤監督は「一人なんだけど、不思議に違って見えてくる。けど語られているのは怒りや悲しみなどの記憶のサンプリングで、一人の話としても観てくれてもいいと思う」、spiは「こんな大きなスクリーンで観られるのかぁ。いいなぁ。メチャメチャ楽しんでいってください!」と締めくくり、大盛況のうちに舞台挨拶は幕を閉じた。
公開表記
配給:ティ・ジョイ
全国公開中
(オフィシャル素材提供)