イントロダクション
長編アニメ映画『めくらやなぎと眠る女』は、音楽家でアニメーション作家のピエール・フォルデスが村上春樹の6つの短編(「かえるくん、東京を救う」、「バースデイ・ガール」、「かいつぶり」、「ねじまき鳥と火曜日の女たち」、「UFOが釧路に降りる」、「めくらやなぎと、眠る女」)を翻案した作品。
ピエール・フォルデス監督にとって初の長編アニメーションで、村上春樹作品も初のアニメ化となる。
フォルデス監督が“ミステリアスなものが絶え間なく問いを生み出すような雰囲気を目指した”と語る<イメージ>のなかに、実際の俳優の動きを撮影してアニメーションの動きに取り込む“ライブ・アニメーション”とよぶオリジナルの手法でリアリティを植え付けることにより、唯一無二の世界観が生みだされた。
日本語版では原作の世界観にふさわしいリアルな演技を重視し、キャスティングが行われた。
ストーリーを牽引する小村に磯村勇斗、突然失踪してしまう小村の妻を玄理、小村の同僚で東京を救うべく“かえるくん”とタッグを組む片桐に塚本晋也、村上春樹ファンからの人気も高いキャラクター“かえるくん”に古舘寛治ら実力派の俳優を起用。さらに木竜麻生、川島鈴遥、梅谷祐成、岩瀬 亮、内田 慈、戸井勝海、平田 満、柄本 明と錚々たる面々が集結し、映画監督の深田晃司が演出を担当するという夢のコラボレーションとなった。
当初から日本語での制作を夢見ていたフォルデス監督。東京を舞台であったオリジナル(英語)版に、日本キャストたちが新しいリアリティを吹き込んだことで、オリジナルとも異なる感触を持った“日本語版”が生まれた。
ストーリー
2011年の東京。東日本大震災から5日後、刻々と被害を伝えるテレビのニュースを見続けたキョウコは、置き手紙をのこして小村の元から姿を消した。妻の突然の失踪に呆然とする小村は、図らずも中身の知れない小箱を女性に届けるために北海道へと向かうことになる。
同じ頃のある晩、小村の同僚の片桐が家に帰ると、そこには2メートルもの巨大な「かえるくん」が彼を待ち受けていた。かえるくんは迫りくる次の地震から東京を救うため、こともあろうに控えめで臆病な片桐に助けを求めるのだった――。
めくらやなぎ、巨大なミミズ、謎の小箱、どこまでも続く暗い廊下――大地震の余波は遠い記憶や夢へと姿を変えて、小村とキョウコ、そして片桐の心に忍び込む。人生に行き詰まった彼らは本当の自分を取り戻すことができるのだろうか……。
(原題:Saules Aveugles, Femme Endormie、2022年、フランス=ルクセンブルク=カナダ=オランダ合作、上映時間:109分)
キャスト&スタッフ
監督・脚本:ピエール・フォルデス
原作:村上春樹(「かえるくん、東京を救う」、「バースデイ・ガール」、「かいつぶり」、「ねじまき鳥と火曜日の女たち」、「UFOが釧路に降りる」、「めくらやなぎと、眠る女」)
【オリジナル版】
声の出演:ライアン・ボンマリート、ショシャーナ・ビルダー、マルセロ・アロヨ、スコット・ハンフリー、アーサー・ホールデン、ピエール・フォルデス
【日本語版】
声の出演:磯村勇斗、玄理、塚本晋也、古舘寛治
木竜麻生、川島鈴遥、梅谷祐成、岩瀬亮、内田慈、戸井勝海、平田満、柄本明
演出:深田晃司
翻訳協力:柴田元幸
音響監督:臼井 勝
監修:ピエール・フォルデス
ギャラリー
予告編
オフィシャル・サイト(外部サイト)
公式SNS:
X:@eurospace_d
Instagram:@eurospace_distribution
公開表記
配給:ユーロスペース、インターフィルム、ニューディアー、レプロエンタテインメント
7月26日(金) ユーロスペースほか全国ロードショー