登壇者:草彅 剛、ひこにゃん、立川談慶、藤沢里菜
『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した草彅 剛を主演に、第42回日本アカデミー賞優秀監督賞受賞の『孤狼の血』など映画界で高い評価を受け、本作が自身初の時代劇となる白石和彌監督が奇跡のタッグを組んだ映画『碁盤斬り』(ごばんぎり)が、全国にて絶賛公開中。
5月29日(水)、本作の大ヒットを記念して、草彅 剛による大ヒット御礼舞台挨拶が実施された。当日は、草彅演じる格之進の故郷であり映画の重要なキーとなる彦根藩からスペシャルゲストとして<ひこにゃん>がさらなる大ヒットに向けて応援に駆け付け、さらに本作にも出演している落語家の立川談慶はミニ落語を披露。棋士の藤沢里菜も花束をもってサプライズゲストとして登壇し、賑やかな舞台挨拶となった。
熱気たっぷりのスタンディングオベーションで迎えられた草彅が「こうやって迎えられるのってうれしいです!」と満面の笑みで感謝し、「皆さんお座りになってください」と観客に優しく呼びかけ、場内はさらに大きな拍手に包まれる。「大ヒット御礼ということで、本当に皆さんがたくさん“おいごばん”をしていただいたということ。とても良い映画になっているので本当に僕も満足、一本満足なんですよね(笑)」と冒頭からご機嫌で草彅節を炸裂し、会場を笑いの渦に。「聞くところによると、(映画を観ているのは)つよぽんのファンよりもおじさんのほうがすごい多いらしくて。つよぽんのファンは出遅れているのかなと思っていましたが、今日はつよぽんファンの方がたくさんいらっしゃってますね」と客席を見渡しニッコリの草彅は、上映後の舞台挨拶のため「ネタバレOKということで、今日は楽しい話を出し惜しみなく(笑)、いろいろとお話していきたいと思います」と気合を入れた。
本作が泣ける映画で映像も美しいというMCの言葉に「白石(和彌)監督はバイオレンスのイメージがあって、血みどろの世界という感じ。(斎藤)工くんと斬り合うシーンはあるけれど、ちょっといつもの白石監督のテイストとは違っていて。監督も(時代劇)初挑戦で、新しい挑戦をしている感じがあるので、監督のファンの方もいい意味で驚かれる作品。そのあたりをチェックして欲しいですね」と本作の見どころ、白石監督の新しい色にも触れながらおすすめしていた。
本作のイベントでは、映画の中とのギャップが指摘されがちな草彅。この日もMCの質問に「はい!」と元気よくハキハキと答え、寡黙な柳田格之進とは大違い。「僕、声大きいかな? マイクいらないんじゃないの? マイクなんていらないよ」とマイクなしでトークを開始するなど、自由でありながらも観客を置いてけぼりにすることなく、みんなで楽しい舞台挨拶を作り上げていく草彅。「今日の僕、元気だな」とニヤリとしながら、生声でトークを続けた草彅は「TOHOシネマズ日比谷なのに、生の声がこんなに通る!」とウキウキ。「大きいけれど満員御礼ですからね、ありがとうございます!」と感謝の言葉も忘れずに何度も伝え、大きな拍手を浴びていた。
「滋賀県彦根市からあるゲストが来てくださっています」とのMCの言葉に「なんとーーーー!」と驚いた様子で雄叫びを上げた草彅。ゲストのひこにゃんが姿を見せると「かわいい!」「カモンカモン」「ようこそ、ひこにゃん」と大喜び。ひこにゃんがステージへの階段を使う際には、手を差し出してエスコート。無事にひこにゃんがステージに上がると「ひこにゃーん、会いたかったよ!」とガッチリと握手。
ひこにゃんの兜(かぶと)を触りながら、「ヘルメットなの? どうやってツノが出てるの?」などと質問攻めの草彅だが「あ! 甲冑ってことか。彦根城から来ているんだもんね」と納得した様子。「彦根城を使わせてもらってありがとうございます」と撮影許可のお礼を伝えた草彅は、格之進が濡れ衣を着せられる前の回想シーンを彦根城で撮影したと明かし、「でも、ひこにゃんいなかったよね?」と再びひこにゃんに問いかけを開始。次々と飛んでくる質問にちょっとびっくりのひこにゃんの姿に「ひこにゃんってシャイなの?」とツッコミを入れるなど、この日のトークも絶好調の草彅。するとひこにゃんの顔をまじまじと見つめ、「ちょっとフレンチ・ブルドッグみたいな感じ」とひこにゃんの顔を触り始め「この辺のフォルムがクルミちゃんに似てるかも!」と愛犬との共通点を指摘し、さらに目尻を下げていた。
ひこにゃんに映画の感想を訊ねる場面ではひこにゃんの声も担当した草彅。なぜかふなっしーのモノマネでひこにゃんの言葉を代弁し、一人芝居を繰り広げる草彅にひこにゃんは後ずさりし始めると会場は大爆笑。ひこにゃんが泣いている仕草で感動したことを伝える流れで、草彅は「ここでハンカチで(涙を)拭くくだりだった!」と流れを思い出したことを口にし、さらなる笑いを誘う。慌ててハンカチを取り出し、その後もふなっしーの声でひこにゃんを演じる草彅にMCから「猫なので。猫バージョンもお願いします」とリクエストされると、即座に猫っぽいバージョンのひこにゃんの声に切り替えるなどの草彅のサービスに会場は笑い声でいっぱいになった。ひこにゃんとの2ショット撮影タイムでも、立ち位置やカメラ目線などを優しく誘導した草彅が「ひこにゃんの手がめっちゃ熱い! それだけ感動してくれたんだね」とお礼を伝える場面も。フォトセッション中には、カメラに手を振りながら、自身の言葉でも観客に感謝を伝え、さらにひこにゃんのコメントも代弁した草彅は「ひこにゃんのキャラが定まった!」と大発見といった様子で「ひこにゃん、強いにゃーん」というキャッチフレーズをつけるなど、終始ご機嫌だった。
イベントにはさらに長屋の大家・八兵衛を演じた落語家の立川談慶も登場。映画初出演の談慶は「リハなしでいきなり本番。でも、目の前に“やさしいマン”がいたから、緊張しないでできました」と、草彅がCMで演じたキャラクターを思い出したことを明かし感謝。撮影を振り返り、草彅からのお弁当の差し入れにお礼を伝えたところ「談慶さんは2000円でいいですよ、って言われました」と笑顔で告白。すると草彅は「2000円まだもらってない!」とニヤリ。草彅は談慶がスタッフ向けに披露した高座の動画を撮影前に観るよう監督から言われていたそうで「談慶さんがいたから、格之進の役作りができました。談慶さんのおかげで格之進が出来上がったと思います」と深々とお辞儀。談慶は恐縮しながらも「想像以上の格之進でした」と大絶賛。さらに映画のあらすじを3分にまとめた「ミニ落語」を披露し会場を大いに沸かせた。「ミニ落語」披露のための準備の時間には、マスコミ席から「談慶さーん」の声が。声の主は芸能コラムニスト・コメンテーターの山田美保子。草彅は「僕の名前は呼んでくれないの?」と優しくツッコミを入れると山田から「つよぽーん」との声が飛び「はーい!」と笑顔で返事をするなど、ちょっとした待ち時間でも、会場を和ませていた。
イベントには花束ゲストとして本作にエキストラ出演した囲碁棋士の藤沢里菜も登場。「綺麗な花束」と笑顔の草彅。藤沢は「ものすごく強い棋士のオーラが出ていたし、手つきも綺麗。長年囲碁が趣味なんじゃないかという感じがしていました」と囲碁の達人、格之進を演じた草彅の演技に太鼓判。「ルールは知らないとのことでしたが、その後、ルールは覚えましたか?」との藤沢の問いに「覚えてないです」と苦笑いした草彅は「でも、(囲碁の達人って)藤沢さんを勘違いさせるほど、藤沢さんの目から見て大丈夫だという太鼓判を押していただきました!」と胸を張り、「囲碁のルールを知らなくても楽しめるということです」と、映画をアピール。そして、ひこにゃんに再び質問が飛ぶ場面では、草彅は「目と鼻が碁石っぽい! 碁石つけてるの?」とひこにゃんの鼻を触りながらいじり倒して笑わせた。
最後の挨拶で「今日は本当にありがとうございました」と挨拶すると、この日一番の大きな拍手を贈られた草彅。「楽しい時間であっという間だったけれど、まだまだ『碁盤斬り』を通して皆さんと深く関わり合っていきたいと思います」と話し、映画を観た感想を周りに伝えて欲しいと呼びかける。何かが伝わる映画だとし、「これをステップにみんなが次に向かえればいいなと。そういう作品だと思うので、末長くこの作品をお願いしたいと思いますし、一人でも多くの方が観て、何か感じていただけると幸せな世の中になると思いますので、ぜひ『碁盤斬り』を通じて、これから一緒に人生を歩いていきましょう! 本日はありがとうございました」と呼びかけ、深々とお辞儀。時代劇に対して、足が遠のいている傾向もある中で、「今観る作品だと思うし、初めて(時代劇を)観る方にもおすすめしたい。世代を超えて、若い方から年配の方まで、世代問わず、たくさんの方にご覧になっていただきたいです」と呼びかけ、しっかりとイベントを締めくくった後には、再びひこにゃんの鼻を触りながら「碁石じゃないよ」「触らないで!」などと一人二役の一人芝居を続け、退場口のドアが閉まるギリギリまで観客を楽しませていた。
公開表記
配給:キノフィルムズ
5月17日(金) TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー
(オフィシャル素材提供)