イベント・舞台挨拶

『ブルーピリオド』ティーチイン付き最速試写会イベント

©山口つばさ/講談社 ©2024映画「ブルーピリオド」製作委員会

 登壇者:萩原健太郎監督

 「マンガ大賞」2020を受賞するなど国内外で絶賛、累計発行部数は700万部を超える大人気傑作漫画「ブルーピリオド」(作:山口つばさ)を実写化した映画『ブルーピリオド』(8月9日公開)。6月18日(火)には公式サイトで一般募集された本作の宣伝部員限定の最速試写会が実施され、上映後には本作のメガホンをとった萩原健太郎監督が登壇し、宣伝部員に向けてティーチインイベントを行った。

 はじめに、実写映画化の監督としてオファーを受けたときの感想を聞かれると監督は、「原作を読んでみてすごく面白かったんです。ただ、“絵を描く”ということをどう映画にすればいいのか悩みました」と話を聞いた時は悩んだというが、「この原作を映画に昇華できたら、すごく新しいものになるだろうなと思ったんです」。さらに、原作者の山口つばさ先生の「芸術という一見わかりづらいものをある種のスポ根としてその過程も含めて分かりやすく描きたかった」という言葉に監督自身も共感した部分があったとオファーを受けた決め手を語った。

 各キャストとの話題に移り、現場で鳥肌が立ったシーンなどはあったかと聞かれると、監督は「眞栄田さんとは二次試験の最後のシーンで、それまで培ってきた技術を1カットで撮ろうという話になったんです。1カットで撮ったんですが、描き切った後の八虎の顔は鳥肌ものだった」と、眞栄田の演技を絶賛。その後の重要なシーンでも、八虎の顔の寄りを撮影するか悩んだそうだが、それを眞栄田にも相談したところ、「二次試験の顔以上のものにはならない」とそのシーンの撮影をやめたエピソードも明かし、監督は「そういうキャストとの議論がこの作品の映画の良さに繋がった」と密にコミュニケーションをとったことを振り返った。

 また、本作の特徴として絵画が多く登場するが、絵のシーンを演出する上でこだわった点として、監督は、「手元の吹替えを一切使わずにやりたかった」と明かし、その上で実際に絵画レッスンを重ねて、「微妙な視線とか、描き方にリアリティがでた」と語った。また、美術部員や、美術予備校の生徒、試験に出てくる他の生徒も美大生か美術予備校生だったそうで、「全員絵が描ける人というリアリティを持たせたことで、目に見えない熱みたいなものが見えてきたんじゃないかな」と細かいところまでこだわったエピソードも語った。

 途中、宣伝部員からのQ&Aの時間も設けられ、「私には何かにずば抜けた才能があるわけではないが、才能がなくてもプロを目指す『ブルーピリオド』の物語にだからこそ心が惹かれました。監督は何がきっかけで映画監督になろうかと思ったのか、監督にとっての”青い渋谷“は?」という質問が飛ぶと、「『映画が好きだから』ということでしかないですが、学生時代に映画作りの楽しさを知って、才能がある人に自分のやりたいことを伝える、それがみんなの力によって一つの形になっていくということが好きだからこの仕事に繋がっていった」と監督になるまでのエピソードを語った。また、渋谷のシーンを撮影するにあたっての苦労や裏話を問われると、「本当に渋谷で撮影するのは大変」と最初に前置きした上で、「渋谷のスクランブル交差点を再現したセットでの撮影をするという選択肢もあったんですが、絵というアナログなものを題材にしているからこそ、あまりCGを使いたくなかったんです」という想いをうけスタッフが一年前から使用許可を取るべく熱意をみせ、結果渋谷を使っての撮影が叶った。

 最後に、これから『ブルーピリオド』を観る方に向けて監督より、「この作品を最初にやり始めた時に、自分が情熱を持ったり好きになったものを、胸を張って好きだと言いにくい世の中だなと思ったんです。でもそれを好きと言えただけで、自分だけの未来が開けるような、そんなメッセージを込めました」。さらに、「映画のコンセプトを考える時に、映画館を出た後にお客様がどういう気持ちになって欲しいのかを考えるんですけど、今回は『いつもと同じ映画館なのに、外に出た時に何か景色が変わって、自分が好きだったことに情熱を燃やしたい』そういう熱い気持ちになるような映画にしたかった」とアピールし、本日試写会に参加した宣伝部員へも「そういう熱い気持ちを持ってこの映画をぜひ盛り上げて欲しいです」と熱いメッセージを送りイベントは幕を閉じた。

公開表記

 配給:ワーナー・ブラザース映画
 8月9日(金) 全国ロードショー

(オフィシャル素材提供)

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