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映画「GEMNIBUS vol.1」『フレイル』舞台挨拶

Ⓒ2024 TOHO CO., LTD.

 登壇者:奥平大兼、莉子、本木真武太(監督)

 ついに6月28日(金)に待望の劇場公開を迎えた「GEMNIBUS vol.1」は、若き才能たちの熱量あふれる作品に期待を膨らませた観客たちが続々と足を運び、満員御礼の回も続出! 公開期中・驚異の14日間連続舞台挨拶も幕をあけたばかりの2日目、6月29日(土)には、少子高齢化問題を背景とした、SF学園ゾンビ映画『フレイル』より、主演・奥平大兼、莉子、本木真武太監督の3名が登場。ぎっしりと埋まった客席から大きな拍手で迎えられた。緊張した面持ちかと思いきや、本木監督が「観てくださって、舞台挨拶にも残ってくださってありがとうございます! 今日は客席にもちらほらと映画に出てくれたキャストが集まっていて同窓会みたいで嬉しい。あの辺に!」と客席を見渡すと、奥平と莉子も「どこ? えー! うそ! うわー!」と駆け付けていたキャストとの再会を喜んで手を振りあい、会場が一気に和やかな雰囲気に。
 見た目は高校生、中身は老人というSF設定に、役作りの難しさを問われた奥平が「最初の顔合わせ以来、おじいちゃん、おばあちゃん役の方々とはお会いしていなかった。名残をのこしたほうがいいのか、若々しくいたほうがいいのか手探りだったところもありましたが、撮影後半は自然にお芝居できたと思います。出来上がった作品を観て、こうなっているんだ、(自分が演じた)明というキャラクターはこうなんだ、と改めて感じられました」と振り返ると、莉子も「小道具におせんべいがあったり、セリフの言い回しにおじいちゃん感を出そうか、など工夫をしてくださって割と自然体で演じさせていただきました」と続ける。この設定に至った経緯について本木監督は、「まず、東宝のプロデューサーさんに“ゾンビ映画をやらないか?”と言ってもらった。ゾンビ映画大好きなので『やったー!』と思いながら、ゾンビ映画は歴史が長くさまざまなスタイルがあるので、似たようなものは作りたくなかった。アメリカのゾンビ映画も、時代背景や社会問題を採り入れたものが多くて、この作品では“少子高齢化問題”を採り入れて若いキャストに演じてもらうことで、必ず将来この問題にぶち当たる若者にも少しでも考えてもらえるように、と思っていました。そこに加えて、おじいちゃんが流行りのVRゴーグルを付けていたら面白そう、を掛け合わせて、今までにない新しいゾンビ映画を目指しました」と力を込めた。
 ゾンビ映画の目玉の一つとも言えるアクション・シーンについては、奥平が「カメラ・ワークもずっと手持ちでワン・カット。躍動感のあるカットで、誰かがミスったら台無しになってしまうなかで頑張ってました」と苦労を思い返し、本木監督も続けて「撮影がすごく暑い日でしたが、撮影がスムーズにいったのは奥平さんのアクションの安定感のおかげ。2人とも体幹が強くて、自分だったら転んじゃうところを、体重で小指で支えるぐらいの安定感でさすがでした!」とコメントすると、奥平は「そんなふうに見えてたんですか(笑)!?」と喜びつつも鋭いツッコミで会場を沸かせていた。さらに、奥平、莉子とも本作でギター演奏に初挑戦したそうで、莉子が「(奥平さんの)めっちゃ上達が早くて! ビックリしたんですよ! 私がやっと少しだけ覚えたくらいで、彼はもう全部弾き終わっていたのでスタッフさん皆ビビってました」と奥平のセンスに脱帽の様子。一方、奥平も「莉子ちゃんはギターに加えて歌うシーンもあってボイトレ行ってたんでしょ?」と振ると、莉子が「正直NG出したいくらい本当に苦手で……(苦笑) それもあってボイトレにも通わせていただいたんです」と恥ずかしそうに話すと本木監督が「すみませんでした(笑)」とテンポよく切り込むなど、息ピッタリのトークが続く。
 この作品が初の劇場映画作品となる本木監督は、「本当に最初からドキドキで。(奥平)大兼くんや莉子ちゃんのほうから話しかけてきてくれて、お二人の作品を見ていたイメージと今回のキャラクターとのマッチも感じられたし、良い作品が出来るだろうなと感じてました。2人のおかげでドキドキがほぐれて、このまま突っ走っていっていいなと思えました」と感謝も交えてコメント。さらに、カナダで映画制作を学んだ本木監督のキャリアを活かし、今回の撮影が海外チームとの共同制作というこの才能支援企画らしい斬新な体制がとられた現場について話が及ぶと、“プロット”と呼ばれるサンプル映像のような事前準備も予め丁寧に作り込まれていたりと初体験ばかりだったという奥平が「現場がすべて英語なのも初めて。「テスト! よーい、ハイ!」が、「スタンバーイ! レディ、アクション!」なんてかかる現場に行ったことがなく衝撃的でした。新鮮な現場に来たなかで、どうにか英語を聞き取ってやろうと思いながら、分かる範囲で自分もこうするよ、とちょっとカッコつけてやってみたりしました(笑)」と貴重な現場ならではのエピソードを明かす。莉子も「まず台本が横書きで、読むだけでも全然印象が違う。そして現場に行ってみたら、監督がしれっと英語がペラペラで!」と驚いたようで、奥平も「ちょっとキュンとしたよね(笑)」と共感。本木監督も「言葉の壁、文化の壁もあるので事前準備に力を入れました。『ゾンビが馬乗りになる』をむこうのスタッフが直訳してしまい、『何を考えてんだあの監督は! どこに馬を使う予算があるんだ!』となってしまったり(笑)。ちょっとしたことから文化の違いもありながら、海外スタッフの皆さんがとてもリラックスして皆で楽しくやる雰囲気を持っていたので、日本に採り入れるチャレンジをしてみました」と振り返っていた。
 話が弾みながら時間が迫る中、改めて本木監督が「こんなに良い役者と出会えたことは僕の財産。僕は縦型映画でカンヌでグランプリを取ってレッドカーペットを歩いたこともありますがその時は心細くて、いつか将来このお2人と堂々とレッドカーペットを歩けるように、海外に通用する作品を撮りたいです。それを夢に頑張ります。念願の劇場デビューが出来て、劇場にお客さんが来てくれてやっとゴールであり、貴重な時間を割いて観に来てくださった皆様のおかげで成長できることを実感しています。今後もよろしくお願いします」と大きな夢を明かすと会場もあたたかな空気に包まれ、奥平が「僕らはチーム『フレイル』ですが、この「GEMNIBUS」は本当に新しい企画で、また新しいこれまでと違った映画の形が今後見えていくのかなと感じ、いち役者として、そういう未来があることを楽しみに思います」と目を輝かせ、莉子も「私もこの作品で、表現の幅や、映像の中で新しい世界に参加させていただくことができて感謝しています。毎日続く「GEMNIBUS」の舞台挨拶も、さまざまな作品を作り上げている皆さまの貴重なお話も聞けると思うのでぜひよろしくお願いします!」とアピールを忘れず。最後には、満員の客席を背に、観客として駆け付けていた本作のキャストである今井柊斗が客席から飛び入り参加して記念撮影を行うなど、チーム『フレイル』の絆を感じさせる一幕も。
 幸先よくスタートした「GEMNIBUS」が、この先ますます盛り上がっていくことを確信させる舞台挨拶となった。

「GEMNIBUS」企画概要

 “東宝”が新たに手掛ける才能支援プロジェクト!
 新進気鋭クリエイター4名による新時代の映画、限定公開を見逃すな!
 GEMSTONE Creative Labelは、東宝株式会社の若手社員たちが立ち上げた挑戦的なコンテンツ制作レーベル。フォーマット、メディア、そして実績の有無を問わず、クリエイターの皆様が自由に才能を発揮できる場を提供する才能支援プロジェクトです。そして、その第一弾劇場公開作品となるのが、『GEMNIBUS vol.1』。4人の新進気鋭な監督たちによって創り出された短編オムニバス映画です。

作品情報

タイトル「GEMNIBUS vol.1」

 監督:上西琢也/平瀬遼太郎/ちな/本木真武太
 テーマソング:Vaundy「常熱」(SDR)
 製作:GEMSTONE Creative Label
 配給:TOHO NEXT

各作品情報

1.『ゴジラVSメガロ』

 脚本・監督・VFX:上西琢也
 撮影監督:柴田晃宏
 編曲:半田 翼
 出演:岡本弥歩/阿座上洋平
 制作プロダクション:白組、東海制作

作品概要
 全世界1,070万回再生を超える『ゴジラVSガイガンレクス』待望の続編として昨年YouTubeで公開され、早くも470万回再生となるショートフィルム『ゴジラVSメガロ』。日本のトップCGクリエイター・上西琢也の手により現代に蘇った守護神メガロが、<シネマティック・バージョン>としてより精緻かつ迫真の映像となってスクリーンに登場! 映像だけでなく、5.1ch音響によってさらにパワーアップしたメガロとゴジラの闘いが、日本にふたたび厄災をもたらす……!

2.『knot』

 脚本・監督:平瀬遼太郎 
 音楽:森いづみ
 出演:三浦貴大、SUMIRE、柊木陽太、川原瑛都、杢代和人、田村健太郎、徳橋みのり、野波麻帆、金子ノブアキ、滝藤賢一
 制作プロダクション:AOI Pro.

作品概要
 ほぼ全編スマホ内で完結する縦型ホラー映画「娯楽」でTikTok TOHO Film Festival 2022にてサードアイ賞を受賞した平瀬遼太郎が、親と子の血縁の結び(knot)をスタイリッシュな映像で描くサイコ・スリラー。絵本作家である永倉和弥の息子がある日失踪する。和弥はアシスタントの奏美と一緒に息子の行方を追うが、その過程で自らを呪縛する父との過去に向き合うことになる。血縁がもたらすのは、呪いか、救済か――。

3.『ファーストライン』

 脚本・監督:ちな
 音楽:角野隼斗
 出演:田村睦心/斎藤志郎
 制作プロダクション:TOHO animation STUDIO

作品概要
 「平家物語」「薬屋のひとりごと」などで絵コンテ・演出を務め「TOHO animation ミュージックフィルムズ」監督にも最年少で選出された、新鋭ちな監督が紡ぐ青春アニメーター物語。「アニメーション=生命を吹き込む事」の面白さと残酷さを、劇中劇として大胆に描いていく。音楽は活躍目覚ましい唯一無二のピアニスト・角野隼斗と奇跡のタッグが実現し、フィルムスコアリングで作品の隅々まで音を彩った。28歳の若き天才2人が贈る、“音も楽しむ”新感覚アニメーション。

4.『フレイル』

 脚本・監督:本木真武太
 音楽:斎木達彦
 出演:奥平大兼/莉子、今井柊斗/大石吾朗
 制作プロダクション:Virgin Earth

作品概要
 第75回カンヌ国際映画祭#TikTokShortFilm コンペティションでグランプリを受賞し、TikTok TOHO Film Festival 2022ではテクニカル賞を受賞した、縦型映画のパイオニアともいえる本木真武太が、今回は少子高齢化問題を背景とした、SF学園ゾンビ映画に挑む。VR空間で青春を追体験する老人・明。しかし、何者かによってゾンビウイルスがVR空間に放出され、死の淵に追いやられることに。生きる意味を失っていた明が、生死を彷徨った末に、見出した生きることの本質とは――。

公開表記

 配給:TOHO NEXT
 2024年6月28日(金)より TOHOシネマズ 日比谷、TOHOシネマズ 梅田にて2週間限定公開

(オフィシャル素材提供)

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