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第73回ベルリン国際映画祭 審査員特別賞『助産師たちの夜が明ける』予告編解禁

 映画『助産師たちの夜が明ける』《2024年8月16日(金)からヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開》の予告編が解禁された。
 この度、解禁される予告編は、新人の助産師ソフィアが産科病棟を訪れるところから始まる。その後、映し出される休む暇もない、戦場のような“過酷な現場”の現実。「命を救えないなら辞める」「問題は病院にある」「常に人手が足りない」という悲痛な叫びの中、生と死が隣り合わせの場所で懸命に働き続ける人々の姿が胸を打つ。まるでドキュメンタリーのようなヒリヒリするリアリズムで、若い助産師たちの苦悩と成長、新たな生命が生まれる場所で交錯するさまざまな人生を描く予告編だ。

助産師たちとの共同作業で創り上げた“過酷な現場”
ドキュメンタリーとフィクションを巧みに織り交ぜたその驚くべき手法

 5年間の研修を終えたルイーズとソフィアは、念願の助産師として働き始める。しかし、その期待に反するように緊張感が大きくのしかかる。貧困、移民、死産……さまざまな事情を抱えて産科病棟を訪れる人々。オーバー・ワークとストレスに押しつぶされそうになりながらも、新しい命に出会う日々の喜びが助産師たちの結束を強めていくのだった。
 本作は、若い助産師たちが出産に立ち合い、突きつけられる現実に驚きながらも成長してゆくさまを、ドキュメンタリーのようなリアルなタッチで描いた感動作だ。実際の出産シーンを織り交ぜながら、観客がその場に立ち会っているかのような臨場感で描き出す。 監督は『愛について、ある土曜日の面会室』(2009年)がヴェネチア国際映画祭正式出品を始め、ルイ・デリュック賞等受賞のレア・フェネール。自身の体験を基に、フランスのみならず、どこの国でも誰もが直面する普遍的なストーリーに、熱い共感の声が寄せられた。

 脚本執筆にあたっては俳優と助産師が共に参加するワークショップを行い、俳優たちが助産師の話を基に即興でシーンを作っていくという手法をとった。これを基に『みんなのヴァカンス』(ギヨーム・ブラック監督/2020年)、『よりよき人生』(セドリック・カーン監督/2011年)や初長編監督作『愛について、ある土曜日の面会室』(2009年)等でも脚本を手掛けたカトリーヌ・パイエとフェネール監督が脚本を共同執筆した。撮影には6つの病院が使われ、助産師たちが俳優に技術的指導や医療手順の説明、脇役まで務めるなど全面的な協力が得られた。出産シーンの映像は、実際にこれから出産する産婦と家族の許可を得て、「絶対に出産を妨げない」と助産師にも了解を得た上で撮影された。実際に俳優たちが出産や、赤ん坊の蘇生現場という難しい場面に立ち会うこともあったそうである。

若手実力派俳優たちの見事な演技によって描く、出産の現場の多様な物語

 物語にリアリティーを与えるべく、出演する多くの俳優たちは、映画への出演経験の少ないフランス国立演劇アカデミーの学生たちを抜擢したほか、『危険な関係』のNetflix版にも出演したエロイーズ・ジャンジョー(ルイーズ役)を筆頭に、ベテラン助産師役のベネを演じたミリアム・アケディウら、フランスの若手実力派たちが見事な演技で作品にリアリティを加える。ミリエム・アケディウは『その手に触れるまで』(ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督/2019年)でマルグリット賞助演女優賞受賞(ベルギー)、『TITANE/チタン』(ジュリア・デュクルノー監督/2021年)で助演を務める等の実力派である。

公開表記

 配給:パンドラ
 7月5日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

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