『きみの色』ジャパンプレミア

　登壇者：鈴川紗由、髙石あかり、木戸大聖、やす子、寿美菜子、山田尚子監督

　アニメーション映画『きみの色』のジャパンプレミアが都内で行なわれ、舞台挨拶に声優を務めた、鈴川紗由（日暮トツ子役）、高石あかり（作永きみ役）、木戸大聖（影平ルイ役）、寿美菜子（八鹿スミカ役）、お笑い芸人のやす子（百道さく役）、メガホンを取った山田尚子監督が出席。全員が涼しげな浴衣姿で登壇してクロストークを繰り広げた。

　本作は、『映画けいおん!』や『映画聲の形』などを手掛けた山田尚子監督待望の最新作。山田監督と脚本家・吉田玲子がタッグを組んだ作品。高校生３人がバンドを組み、仲間との間で交錯する友情と恋心が描かれており、思春期の少女たちが向き合う自立と葛藤、恋模様が、美しい映像でつづられる。主題歌はMr．Childrenが同作に書き下ろした「in the pocket」。
アヌシー国際アニメーション映画祭2024でプレミア上映が行われ、上海国際映画祭2024で「金爵賞アニメーション最優秀作品賞」を受賞した。

主人公で子どもの頃から人が「色」で見える高校生の日暮トツ子の声を担当した鈴川は、「トツ子はいつも明るくて周りを巻き込んでいくキャラクター。すごくポップでかわいらしい」と笑顔で紹介。「終盤のライブ・シーンは音楽と山田監督の美しい色がぐっと詰まった、見るだけで感情があふれ出してしまう魅力があります」と説明した。

トツ子と同じ学校に通っていた美しい色を放つ作永きみ役を演じた高石は、作品について「山田監督の描く絵の表現がすごくキラキラしていて美しいんです。キャラクターの感情が高ぶったり、溢れたシーンに特に注目してほしいです｣と作品をアピールした。

音楽好きの影平ルイ役を演じた木戸は、自身で｢本日、男性はひとりで“黒一点”です」と話し、「音楽と色によってできあがる世界を楽しんでいただけたら嬉しいです」と熱い思いを伝えた。

　百道さく役を演じたやす子は｢作品にかかわれて嬉しい｣と喜びをかみ締める。「わたしは『けいおん!』がきっかけでギターをはじめました。キャラクターピックとかも集めていたので、（参加できて）すごく嬉しかった。監督はアフレコの時もやさしくて、『自由にやっていいですよ』と言ってくださったので感謝でいっぱいです」」と笑顔でコメント。

　日本初お披露目ということで、この日は終始緊張気味の山田監督。上海国際映画祭2024での「金爵賞アニメーション最優秀作品賞」の受賞を受け、「受賞を聞いて、動揺しました」と興奮しながら、「映画祭では世界中のお客さんに観ていただいて、たくさん笑っていただいたり、手拍子していただいたり、楽しんで観ていただけたみたいで嬉しかった。私も一緒に上映を観ていたのですが、皆さんが楽しんでいただけたのが分かる、すてきな時間でした」と受賞時を振り返った。トロフィーを手にした感想を「トロフィー、すごく重たかったです。みんなで取った賞なので、その気持ちが重みになってすごく嬉しかった」と満面の笑み。会場からは称賛の大きな拍手が起きた。ヌアシーでは、サイン会が行われ、300人超えの多くのファンが参加して作品についての感想を熱をこめて話してくれたそう。

　日本公開を前に海外で評価されたことに、鈴川は「驚きました。率直にすごいです。さすが山田監督だなと思いました、そんな作品にかかわらせていただけて本当に幸せです」と大感激の様子。

髙石も「あらためてこんなすごい作品の一部になれたことが嬉しかったです。日本の皆さんにも早く観てほしいという気持ちも高まりました」と大喜び。

木戸は「監督は（受賞を）本当にビックリされていました。本当におめでとうござます」と心からの賛辞を送る。

　鈴川、高石、木戸、やす子は、今作が声優デビューで、それぞれが参加を大喜び。先輩声優で『けいおん!』の琴吹紬役で知られる寿が４人に向けて「皆さんのナチュラルさ、キャラクターが生きてました。すごく素敵です。（客席に向かって）皆さん楽しみにしていてください」と伝えると、会場からは大きな声援が起こった。

　七夕が近いことから、それぞれが短冊に願いを書き込み披露する場面があり、鈴川は「バンドを組みたい」、高石は「芝居で自分の色を見付けたい」、木戸は「大きな花火を打ち上げたい（プライベートでも仕事でも大きなことができるように)」、やす子は「世の中からドッキリの仕事がなくなるように」、寿は「監督と食事に行きたい」、山田監督は「ひとやまあてたい」と、それぞれが願いを披露した。山田監督は「私は皆さんよりも年を重ねてしまったので、こういうことを考えるようになってしまった……」と苦笑い。食事には「すぐにでもみんなで行きましょう！」と盛り上がった。