イベント・舞台挨拶

『#スージー・サーチ』特別試写会 Supported by Spotify

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 登壇者:奥浜レイラ[映画・音楽パーソナリティ]、SHIBU[ポッドキャスター、株式会社雑談 代表]

 第47回トロント国際映画祭のワールドプレミアで話題となった新鋭ソフィー・カーグマン監督の最新作『#スージー・サーチ』《8月9日(金)新宿シネマカリテほか全国順次公開》の公開に先立ち、7月10日(水)に映画・音楽パーソナリティの奥浜レイラ氏とポッドキャスターのSHIBU氏登壇のトークイベント付き特別試写会Supported by Spotifyが開催された。当日は、ポットキャストを配信する主人公のスージーにちなみ、50名を超える現役ポッドキャスターを招待。試写会後にはSpotify主催による懇親会も行い、熱気溢れるイベントとなった。

 「いいね!」やフォロワー獲得に魅入られていくインフルエンサーと、それを欲する現代社会をブラックかつコミカルに描いた映画『#スージー・サーチ』。予想を裏切り続けるツイストの効いた展開に、「SNS文化を鋭く風刺している」、「独創的でサスペンスフル!」「衝撃のラスト」と海外メディアからも大きな注目を集めた。メガホンをとったのは、本作が初の⻑編作品となる新鋭ソフィー・カーグマン監督。主人公スージーに『ザ・フラッシュ』、『アンテベラム』のカーシー・クレモンズ、事件に巻き込まれるインフルエンサーのジェシーに『ヘレディタリー/継承』、『オールド』、『オッペンハイマー』のアレックス・ウルフを迎え、現代的なテーマをポップな色彩で映し出す。

 そんな予測不能な衝撃作の映画『#スージー・サーチ』公開に先立ち、50名を超える現役ポッドキャスターのみを招いた特別試写会Supported by Spotifyを7月10日(水)に開催。上映後には、映画・音楽パーソナリティの奥浜レイラ氏と、ポッドキャスト黎明期となる2006年に音声コンテンツ制作を開始、複数の番組制作を続けるポッドキャスターにして株式会社雑談代表のSHIBU氏を迎えたトークイベントを実施。映画『#スージー・サーチ』の魅力を語り尽くした!

「現代のヒッチコックが現れた」 「新しい才能と出会えて幸せ」 奥浜

 招待客は50名を超えるポッドキャスターのみという、他に類を見ない試写会。上映直後の熱気あふれる客席から温かい拍手で迎えられ、奥浜レイラ(以下、奥浜)とSHIBUが登壇。ポッドキャストのヘビー・リスナーでもあるという奥浜は、「今日、客席にいらっしゃるのが普段よく聴いている番組を配信している方たちばかりで恐縮です」と来場者の錚々たる顔ぶれに驚きつつ、笑顔を見せた。自身もポッドキャスターのSHIBUは、客席に顔見知りも多いとのことで、冗談混じりに「今日登壇するお話をもらって「いいですよ」と返事をしたものの、ポッドキャスターの皆さんの前で話すの、嫌だなってなりました(笑)」と笑いを誘った。

 ひと足先に映画『#スージー・サーチ』を鑑賞した奥浜は、「ネタの明かし方やスリラーとしての展開の持っていき方など、現代のヒッチコック現れた!と感じました」と、本作が長編デビュー作となる新鋭ソフィー・カーグマン監督の手腕を絶賛。さらに「主人公がポッドキャスターという設定や、彼女がしている歯列矯正の意味、承認欲求を得るためにしてしまうこと……など、同時代性を持たせつつもディティールがものすごくしっかり描かれていると感じました。映画ファンとして新しい才能と出会えて幸せだなと思いました」と、映画ツウの奥浜も、新たな才能に惚れ込んだことを明かした。

「ポッドキャスターが近い未来、当たり前に受け入れられるかもと希望を感じた」SHIBU

 本作を観て、希望を感じたというSHIBU。その理由として「もし本作が、日本が舞台で、日本の監督で撮影された作品だったら間違いなくポッドキャスターではなくYoutuberになっていたなと。しかし、ビジュアルで勝負せずに声だけで勝負できるのが、ポッドキャスト。そこにも監督の意図が入っていると感じた」と、主人公の設定について推察。
 それを受け奥浜は、インフルエンサーがいいね!やフォロワーの獲得に狂気的に魅入られていく類似作として、吉田恵輔監督の『神は見返りを求める』、アンドリュー・ガーフィールド主演の『メインストリーム』、ジョー・キーリー主演『スプリー』を挙げつつ、全て主人公がYouTuberだったことに言及。
 SHIBUは、「いま、アメリカや海外のポッドキャスターの中には、何十億円プレイヤーが出てきているんですよね。だから、人気になりたい、稼ぎたいと思っているインフルエンサーたちがポッドキャストを選ぶというのは不思議ではない」と、海外と日本とでは異なる収益化の背景もあり、主人公スージーのキャラクター設定になったのではと解説。続けて「本作が日本公開されるタイミングでは、ポッドキャスターというものに馴染みがある人の方が少ないのが現状だと思う。でも、近い未来で当たり前に受け入れられるのかなと、希望を感じました」と、日本における今後のポッドキャスト界の一層の盛り上がりへ期待を込めた。また、アメリカでは、トゥルー・クライム系ポッドキャスターが、独自調査の末にある殺人事件を再審まで持ち込むほど影響を与えて社会現象となり、爆発的な人気に繋がったというエピソードも紹介。トゥルー・クライム系のポッドキャストが人気なアメリカでは、ポッドキャスターが未解決事件を解決するというスージーのキャラクターは、馴染みのある設定だと解説した。

「もう一回観よう!と。すごく楽しみました」 SHIBU
予測不能な展開と演出。話題作にも出演する、若手実力派俳優に注目!

 話題がソフィー・カーグマン監督の手腕について及ぶと、SHIBUは「最初から素直に驚くところがたくさんありすぎて、え! あの人が!? 最後もそうだったの!? もう一回観よう!と。すごく楽しみました! ネタバレを考えると、桃太郎で言うと桃から生まれたところくらいまでしか話せない(笑)」と、ネタバレ厳禁な予測不能な展開に衝撃を受けたと明かす。
 また、事前に監督のインタビューも読んだという奥浜は、「監督はストーリーやムード・ボード、カラー・パレットを作って、緻密に計算しているんですよね」と個性的な演出は全て徹底した準備によって構成されていると説明。さらに、撮影前には週末に映画鑑賞会を開き、スタッフとイメージの共有を図っていたという。奥浜は「配色やカメラ・ワークについては『アメリ』を参考にしていたとのこと。劇中でも色彩が統一されていて哲学を感じました。意外だったのがウォン・カーウァイの『花様年華』からもフレーミングなどの影響を受けたとか。主人公スージーの不穏さ、暗い部分を映すときに、彼女のアップや車のルームミラーに映る彼女の目だけを映すショットを散りばめていたのも印象的でした」と、細部までこだわり抜かれた映画表現に感心した様子をみせた。
 さらに、キャストへと話題が変わると奥浜は、「主演のカーシー・クレモンズは、DCコミック原作の『ザ・フラッシュ』の出演で人気が出たのですが、彼女を認識したのはちょっとオタク寄りのイメージの役だった『DOPE/ドープ』。あと音楽映画『ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた』での優等生的なキャラクターも本作で活きているように思えました」と、これまでの出演作が本作へと繋がっていると解説。
 続けて、「ジェシー役のアレックス・ウルフについて、有名な作品といえば『ヘレディタリー/継承』という恐ろしい映画で、コミカルなイメージがあまり想像できなかったのですが、ブラック・コメディの本作で良い一面を魅せてくれたという印象でした」と、話題作に出演する若手実力派俳優の演技も見どころだと語る。

「鏡で自分を見せられているような瞬間もあったりする」―奥浜
「“バズり”や“承認欲求”に少しでも翻弄されたことがある人は絶対に観てほしい」-SHIBU

 最後にSHIBUは「展開は複雑なことが起こっているが、明快にシーンが進んでいくので、観やすい作品。きっと誰もがインフルエンサーになったら感じる希望や恐怖だったり、ポッドキャストはもちろん、他のSNSのアカウントを持っている人で“バズり”や“承認欲求”に少しでも翻弄されたことがある人は絶対に観てほしい」と、SNSとは切っても切れない現代社会に生きる人たちにぜひ観てほしい映画だと力説。

 奥浜は、「私たちはボタンひとつで“バズり”を起こすことができるツールを持ってしまっている。本作では、主人公スージーを複雑な人間として多面的に描いている。こんなことしちゃだめだよと思いつつ、スージーの中にあるものは自分も持っている、という怖い感覚もある。濃淡は人それぞれありますが、それは年齢問わず皆さんが持っている感覚だと思っていて。共感とは違うかもしれませんが、鏡で自分を見せられているような瞬間もあったりするので、映画館という人がいるところで観て、共感性羞恥的な感覚で観て欲しいなと思います」と連れ立って劇場へ足を運んでほしい作品だと言葉を結んだ。

Spotify主催の懇親会で50名を超える人気ポッドキャスターが交流!
大盛況のイベントに!

 試写会の終了後には、Spotify主催の懇親会を開催。50名を超える現役ポッドキャスターが集った会場は、前例のないイベントに話題が尽きず、大盛況。普段交流する機会の少ないポッドキャスターたちは、お互いの番組についての感想を語るなど、今後の化学反応にも期待できそうな盛り上がりに。さらに、株式会社ズーム(ZOOM)によるポッドキャスト用の機材を紹介するブースや、同社提供による機材をプレゼントする抽選会も開催。また、映画『#スージー・サーチ』を配給する映画レーベルSUNDAE担当者へのインタビューを収録できるブースも設け、普段聞くことができない映画の裏側について深掘りするポッドキャスターたちの姿も垣間見えた。主催であるSpotifyのスタッフたちにも積極的に話を聞きに行くポッドキャスターの姿も多く、貴重な機会を堪能している様子だった。また、映画『#スージー・サーチ』公式SNSでは、懇親会時にポッドキャスターたちの生の声を収録!試写会後の熱気冷めやらぬ、ポッドキャスターたちからの感想コメントと番組の紹介も後日UP予定!映画とあわせて、ぜひポッドキャストの魅力にも触れてみてはいかがだろうか。

公開表記

 配給:SUNDAE
 8月9日(金) 新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋HUMAXシネマズほか全国順次公開

(オフィシャル素材提供)

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