歴史に、「if」はないが、アドルフ・ヒトラーの「南米逃亡説」をモチーフに、実際に起こり得たかもしれない世界線を大胆なアプローチで描いた、ナチス映画の新たな系譜『お隣さんはヒトラー?』が、2024年7月26日(金)より、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国公開を迎える。
本作『お隣さんはヒトラー?』は、ヒトラーの遺体を西側諸国が確認していない点、ナチス高官のアドルフ・アイヒマンなどが中南米に逃亡した事実、2015年に、コロンビアのジャーナリストによってもたらされたCIAの極秘文書の中に、ヒトラーに関する資料を発見、SNSで公開したことなどから、まことしやかに囁かれる「ヒトラー生存説」「南米逃亡説」をモチーフに、もし、アドルフ・ヒトラーが生きていてホロコーストを生き延びた男の家の隣に引っ越して来たらどうなる?という、実際に起こり得たかもしれない世界線を大胆なアプローチで描いた作品。また、ユーモラスな前半と、これまでの勧善懲悪とは一線を画すラストのコントラストに、観る者の心を大きく揺さぶる作品に仕上がっている。
監督は、本作が長編2作目となるレオン・プルドフスキー。隣人をヒトラーと疑うポルスキー役に、英テレビドラマ「ロンドン警視庁犯罪ファイル」(97~09)のマイク・ウォーカー警視役で知られる、デヴィッド・ヘイマン。ヒトラーに疑われるヘルツォーク役に、『マイ・プライベート・アイダホ』(91)、『アルマゲドン』(98)の他、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(00)を始め、ラース・フォン・トリアー監督のほぼ全作に出演しているウド・キア。
この度、7月26日(金)の公開を前に、7月12日(金)AM9時より、公式YouTubeにて「ピーター・バラカン&吉川美代子 公開記念スペシャルトーク」が解禁された。
今回、解禁された公開記念スペシャルトークは、1988年10月から2010年3月までTBS系で放送されていた「CBSドキュメント」を彷彿とさせる雰囲気の中で、21年半に渡って解説役を務めたピーター・バラカン、2000年から4代目の案内役を務めた吉川美代子を迎えて、14年振りに再会した二人による、映画『お隣さんはヒトラー?』の内容、見どころを紹介。話題は『お隣さんはヒトラー?』のみならず、今年の上半期に公開された『関心領域』、『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』、『フィリップ』などのナチス映画や時代によるナチス映画のテーマの変化、現在の世界情勢など、多くが語られた。
また、副島 淳、ハリー杉山、春香クリスティーン、マライ・メントラインから『お隣さんはヒトラー?』鑑賞後のコメントが到着した。
オピニオン コメント
副島 淳(タレント)
数奇な運命で導かれた隣人同士。
この2人が織りなすさまざまな感情を動かす物語の数々に酔いしれました。
ユーモアからの後半のスリル満点な展開の振り幅の大きさに、エンターテインメントとしての要素が溢れんばかりに詰まっています。
2人の関係性がジリジリ、ヒリヒリゆっくりとしたペースで細かく変わっていく様子を、俳優陣が圧巻の演技力で表現し、没入感たっぷりになってからの怒涛のラストへ向かっていくさまに、一種の愛の物語のように観終わったあとに色鮮やかな気持ちになりました。
ハリー杉山(タレント)
これまでのヒトラー作品とは違う角度から描かれた、絶望的な悲しさと、怒りの奥に生まれる友情。
長い歴史と人間の恐ろしさを思い出しながら新たな感情に戸惑う一方、クスッとも笑える、心が温かくなるような唯一無二な作品です。
春香クリスティーン(タレント)
重い題材なだけにどのように描かれているのか気になっていましたが、思いもよらない角度からのアプローチでした。
物語のほとんどが隣り合う2軒で完結し、深く描かれている人物もたった2人だけ。
それにも関わらず、それぞれが抱える背景事情、歴史の重み、そしてリアルな表現により奥行きの深い作品に。
「隣人同士」という設定だからこそ、より身近に捉えることができ、もし自分だったらどんな心境になるだろう、どんな行動に出るだろうと考えさせられました。
マライ・メントライン(ドイツ公共放送プロデューサー)
「疑心暗鬼」と「執着」を極限まで極めると、その果てに存在するのは、自らが積み上げた見解の成就なのか崩壊なのか。
本作ではそのあたりの機微というものが実に良く描き出されている。
けっきょくのところ「真相」なるものは、常に個人の想像力あるいは妄想力の、微妙に一枚上のポジションに存在するのだ。
二人のオヤジが織りなす「深掘りしすぎな世界」のハーモニー、その大いなる皮肉に涙せよ。一応コメディだけど。
BS10 スターチャンネル】STAR CHANNEL MOVIES『お隣さんはヒトラー?』公開記念特集:戦後も残るナチスの影
放送日時 【字幕版】7/12(金)~7/14(日)よる3日連続放送 / 7/27(土)午後1:00~一挙放送(全3作品)
公開に合わせて「BS10 スターチャンネル」では、ナチスドイツが降伏した第二次世界大戦後もナチスの与えた影響を受け、人生の岐路に立たされる人々を描いた作品を特集放送。戦時下に計画されたナチスが絡んだ陰謀に現代で巻き込まれる女性の戦いを描いたサスペンス・アクション『オペレーション・ナポレオン ナチスの陰謀』を独占日本初公開。ナチスが大量に埋めた地雷を撤去するドイツの少年兵たちとそれを指揮するデンマーク人軍曹との心の交流と葛藤を描く実話ドラマ『ヒトラーの忘れもの』。終戦後のドイツを舞台に、ナチス幹部の子どもたちが直面する厳しく残酷な現実と、ユダヤ人青年との出会いを通じて揺れ動く子どもたちの心情を描いた『さよなら、アドルフ』の3作品をお届け!
特集ページURL:https://www.star-ch.jp/feature/detail/20240708 外部サイト)
ストーリー
1960年の南米・コロンビア。第二次世界大戦終結から15年が経過し、巷ではアルゼンチンで逃亡生活を続けていたアドルフ・アイヒマンが拘束された記事で賑わっていた。ホロコーストで家族を失い、ただ一人生き延びたポルスキーは、町外れの一軒家で日々を穏やかに過ごしていた。そんな老人の隣家に越してきたのは、ドイツ人のヘルツォーク。その青い瞳を見た瞬間、ポルスキーの生活は一変する。その隣人は56歳で死んだはずのアドルフ・ヒトラーに酷似していたのだ。ポルスキーは、大使館に出向いて隣人はヒトラーだと訴えるが信じてもらえない。ならばと、カメラを購入し、ヒトラーに関する本を買い込み、自らの手で証拠を掴もうと行動を開始する。正体を暴こうと意気込んでいたポルスキーだったが、やがて、互いの家を行き来するようになり、チェスを指したり、肖像画を描いてもらうまでの関係に。2人の距離が少し縮まった時、ヘルツォークが、ヒトラーだと確信する場面を目撃してしまう……。
(原題:My Neighbor Adolf、2022年、イスラエル・ポーランド合作、上映時間:96分)
キャスト&スタッフ
監督:レオン・プルドフスキー
脚本:レオン・プルドフスキー/ドミトリー・マリンスキー
撮影:ラデック・ラドチュック
編集:エルヴェ・シュネイ
音楽:ウカシュ・タルゴシュ
出演:デヴィッド・ヘイマン/ウド・キア/オリヴィア・シルハヴィ 他
予告編
オフィシャル・サイト(外部サイト)
公開表記
配給:STAR CHANNEL MOVIES
7月26日(金)より、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国公開!
(オフィシャル素材提供)