イベント・舞台挨拶

『大いなる不在』公開記念舞台挨拶

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 登壇者:藤 竜也、真木よう子、原日出子、近浦 啓監督

 各国の映画祭で絶賛の嵐となった映画『大いなる不在』がついに公開! 公開初日の翌日、7月13日(土)に都内映画館で公開記念舞台挨拶が実施され、藤 竜也、真木よう子、原日出子、そして近浦啓監督が登壇した。

 満員御礼の客席から拍手喝采で迎え入れられたキャスト&監督。卓(森山未來)の認知症の父・陽二を演じた藤は「私の人生の黄昏時にこのような素晴らしい仕事に関わらせていただき、感謝しております」と挨拶すると、再びの拍手喝采となった。登壇前の上映終了後に観客から起きた拍手に近浦監督は「楽屋の方まで場内の拍手が聞こえてきて……ジーンとしました」と感激していた。

 藤にとって近浦監督とのタッグはこれで3度目。藤が「3本もやると関係性も長くなるけれど、普段はプライベートの話をしたことすらなくて、良い作品を作る絆で繋がっているようで、この年まで仕事をもらって嬉しいです。できればまたもう一本くらい呼んでいただきたいです」とラブコールを送ると、近浦監督は「もちろんです! 本当に嬉しいです」と固い約束を結んでいた。

 卓の妻・夕希(ゆき)役の真木は「脚本を読んで絶対に参加したいと思いながらも、いい作品だからこそ私ではなくて違う人が演じる意味があるのであればと思っていたら、監督からお手紙を頂いて……。俄然やる気が出ました」と出演経緯を回想。近浦監督は施設からの帰り道の坂道でのシーンに触れて、「真木さんの背中を見たら風が吹きそうだと思った。あれはヘリコプターでも起こすのが難しい風。真木さんじゃなければ吹かなかったと思う」と真木のキャスティングの必然性と交え、奇跡的ショットが生まれた背景を紹介した。

 陽二の妻・直美役の原は「藤さんがご出演されると聞いた瞬間にやる!と言っていました。オファーを頂けたことが幸せで、よくぞここに私を見つけて置いてくれたなと。撮影中は何かを考えることなく、直美としてそこにいたという記憶しかありません。演技プランもなくて、そのままでいられた気がします」と心地よい撮影期間だったと回想していた。

 舞台挨拶中盤に、現在仕事の関係でヨーロッパに滞在中の主演・森山未來から「力強い映画に仕上がっているので楽しんで観てほしい」とのビデオメッセージが届いた。

 藤は森山との初共演に触れて「俳優同士言葉を交わさずともカチンコが鳴った瞬間、ものすごいインター・アクションを起こす。その中で森山未來さんは良い俳優さんだと思いました。親子関係を一緒にやっていて、これは上手くいくなと内心思っていました」とリスペクト。夫婦役となった真木も「芝居をしているというか、未來君の妻になったような感じになった。そのまんまでストレスなくできました」と手応えを口にした。
 近浦監督は森山のキャスティングの狙いについて「藤さんと森山さんを一緒にフレームに収めたいと思った。そうすれば日本の映画史に残るのではないかと思った。それが成功しているのではないか」と確信していた。

 昨年のトロント国際映画祭でのワールドプレミアを皮切りに、サン・セバスティアン国際映画祭では日本人初の最優秀俳優賞を藤が受賞。サンフランシスコ国際映画祭では最高賞受賞と世界の映画祭でも話題に。現在NYマンハッタンのジャパン・ソサエティで開催中の日本映画の映画祭「ジャパン・カッツ」に出品されており、現地時間18日に正式上映され、近浦監督と藤が登壇する。また、藤が特別生涯功労賞を授与されることも決まっている。また現地時間19日にはNYで、26日にはLAでの公開も決定しており、そのほか現時点で、台湾、韓国、インドネシア、スペインなど、世界各国での配給も決定している。
 これらの反響に近浦監督は「この作品は自主製作映画です。ほかのインディペンデント映画作家と同じように、僕も作品が日本だけではなく海を越えたらいいなと思いながら作っているので、それがこのような形で徐々に実現してきて本当に嬉しいです」と笑顔を見せた。

 最後に原は「素晴らしい作品が完成したと自負しています」、真木は「題材からしていろいろな国で受け入れられる映画だと思っているので大勢の方々に観ていただきたいです」、藤は「近浦監督は世界に自分の作品を広げて素晴らしいチャンスを掴んでいく。そんな素晴らしい時代に現役で仕事をさせていただくのは本当に素晴らしいことです。皆さん、この映画を広めてください」とアピール。近浦監督も「皆さんのチケットの一枚一枚が僕ら表現者の糧になります。この映画を観ていただいた皆さんに良い風が吹くよう祈っております」とさらなるヒットを祈願していた。

公開表記

 配給:ギャガ
 絶賛上映中!

(オフィシャル素材提供)

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