イベント・舞台挨拶

丸の内ピカデリー開業100周年企画「浪漫活弁シネマ ~映画『青春の夢いまいづこ』篇~」初日活弁披露&アフタートークショー

© 松竹イノベーション推進部

 登壇者:福山 潤、遊佐浩二

 7/13(土)に、丸の内ピカデリー開業100周年を記念したイベント「浪漫活弁シネマ~映画『青春の 夢いまいづこ』篇~」が、丸の内ピカデリー2にて開幕となった。当日は初日出演の福山 潤、遊佐浩二 圧巻の活弁披露の他 、アフタートークショーも行われ、満員の会場は大いに盛り上がり、熱気に包まれた。

 この日登壇の福山 潤、遊佐浩二がスクリーン上手から登壇。上手と下手の両方に設置してある司会代にスタンバイし、小津安二郎監督の無声映画の名作『青春の夢いまいづこ』の前説が始まった。前説ラストの「浪漫活弁シネマ『青春の夢いまいづこ』!!!」というタイトルコールに合わせて、映画本編がスタート。活弁披露開始した。

■一人13~17役を演じる分ける圧巻の活弁披露!

 1932年(昭和7年)に公開された、小津安二郎第25作目・29歳の監督作品である映画『青春の夢いまいづこ』。会社を経営する父を持ち裕福な学生であったが、突然の父親の死により学生時代を奪われ若社長となる堀野哲夫。学生時代からの友人であるが、華やかな性質の堀野と対照的に寡黙で不器用に生きる苦学生の斎木太一郎。この物語は二人の男をめぐる人間模様をコメディカルに描いた作品。
 福山潤は斎木太一郎、語り部、お繁役など全13役、遊佐浩二は堀野哲夫をはじめ悪友・熊田、島崎 ほか花嫁候補のユリ子役など全17役と、ナレーションを含めた老若男女の数多の役を2人だけで演じ切った。声で演じるプロフェッショナルの二人が、さすがの力量で演じ分けるさまはまさに圧巻。会場の観客が思わず息を飲むような緊迫感あふれる掛け合いが、情緒溢れるモノクロの無声映画に合わせて披露され、約90分間の本編終了後には熱気に包まれた会場で拍手喝采が鳴り響いた。

■活弁は声優の仕事と似ているようで全然違う!?稽古中・本番の裏側を知れたアフタートーク

 本編終了後、一礼と共に降壇した福山 潤と遊佐浩二が再び登壇。映像に合わせたりせず、自身の言葉で語れるということもあり、小津安二郎監督ワールドに没入した活弁中とは一変、ご本人のままに解き放たれた雰囲気でアフタートークがスタートした。

―初めてこの企画のオファーを受けた時や共演者が福山さんだと知った時の感想はいかがでしょうか。

遊佐:オファーいただいた際に自分ができるのかという不安があったが、福山さんが既に決まられていること、台本が用意されることを聞き、それが安心材料になり、受けさせていただくことにしました。
福山:活弁という未知のものに触れられるのならチャレンジしてみたいとオファーに飛びつかせていただきました。また、のちに相手が遊佐さんになったと聞き、やった!と思いました。

―実際お稽古をしてみていかがでしたか。

遊佐:通常、活動弁士さんは全編をお1人で演じられるので、今回のように2人で役を分けて演じる時にはどういう表現になるだろうと興味を持ちました。また独特な弁士さんの語り口調をどこまで採用するのかは稽古で福山さんの冒頭の語りの表現の方向性を見て合わせようと稽古に挑みました。
福山:洋画の吹き替えやアニメのアテレコでは指定されたタイムに合わせて映像にしっかり声をあてます。しかし本作では映像にばっちり合わせるのではなく情感を見て演じるというのを教えてもらいましたよね。声優の仕事とすごく違うなと思って。
遊佐:(映像に)顔が出ていると口に合わせて演じたくなるのが僕たち声優の職業病ですよね。でも活弁においては厳密に合わせないほうが良いという発見をしました。
福山:フィルムに合わせすぎない、秒数に捕らわれない演技、そして「映像を見た自分がどう感じるのか」を表現するというところで初心に戻れたような感じがします。

―活動弁士のセリフ回しに挑戦してみて、日ごろお仕事との発声の違いや苦労したところ、おもしろかった点などはありますか。

福山:演芸をやられている方の独特な語り口は、見様見真似で出来るものではないと以前より考えていたのですが、今回現役の活動弁士さんに直接ご指導いただく機会を得て自分なりの表現ができたように思っています。今までとは別の新しい達成感がありました。
遊佐:活弁って台詞一つひとつを掘り下げていくと(映像に合わせるのが)間に合わなくなるんですよね。流れも悪くなるので、重要なところを絞って、そこを力点としつつ複数の役をテンポよく演じ分けられるように演じていく ことを心掛けました。

―3日間という稽古の中で興味深かったことはありますか。

遊佐:活弁中にお客様を意識する、ということが興味深かったです。台本をきっちり見ていないとタイミングが合わなくなってしまうのですが、そんな中でもお客様を意識して演じる、という指導が新鮮でした。
福山:僕が演じた役の中で一番のメインは語り部になりますが、お客様をメインに、引き込むように演じるという指導がとても興味深かったです。

―締めの挨拶をお願いします。

遊佐:今回は初めての経験をさせていただきました。僕自身非常に緊張しましたが、お客様からも緊張感を感じました。このような機会があれば、ぜひまた参加させていただきたいですし、お客様には ぜひ、活動弁士さんの公演も楽しんでいただいて、活弁という伝統芸能をより盛り上げていけたらと思っております。
福山:本番を終えて、お客様皆さんと一緒に作り上げたような感覚を味わっております。普段アニメーションや洋画の吹き替えで声をあてていますが、同じようなことをやっているはずなのに全く違っていて、新しい刺激をもらえました。まだまだ素晴らしい無声映画作品がたくさんありますので、その素敵な映画を演じる側、観る側で一緒にまた楽しめたら嬉しいです。

 2日目の7月14日は森久保祥太郎と吉野裕行、3日目の7月15日は上村祐翔と北川尚弥が登壇する。また全く違う『青春の夢いまいづこ』になることを期待させ、初日の公演は幕を下ろした 。

無声映画とは

 19世紀の終わり、撮影技術の発明により人の動きを記録できる音のない映画、サイレント映画(無声映画)が誕生した。海外ではピアノやオーケストラの伴奏で上映され、日本ではストーリー・テラーである活動弁士(活弁)が誕生し、和楽器や管楽器とともに上映された。無声映画は日本映画業界の礎を作った伝統文化であり、音のない絵の世界は、どんな映像表現よりも観客の想像力を かきたてる上映形態 だった。 しかし現在は、音のある映画であるトーキー映画が主流となり、無声映画の上映は貴重な機会と言える。

イベント概要

開催場所:丸の内ピカデリー2
(東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン 9F)

公演日時 ※ 開場時間は開演時間のいずれも30分前を予定
 7月13日(土 ① 13:00 ② 16:30
 7月14日(日 ① 13:00 ② 16:30
 7月15日(月祝)① 13:00 ② 16:30

出演(五十音順)
 7月13日(土) :福山 潤、遊佐浩二
 7月14日(日) :森久保祥太郎、吉野裕行
 7月15日(月祝) :上村祐翔、北川尚弥

主催:松竹イノベーション 推進部
脚色・監修:片岡一郎、坂本頼光

公式HP:https://roman-katsuben.com(外部サイト)

 公式X:roman_katsuben

 (オフィシャル素材提供)

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