登壇者:松岡和子、柏木しょうこ
毎年、多くの劇団が上演する人気演目『ハムレット』。その中でも1964年に初演され、絶賛されて語り継がれてきたジョン・ギールグッド演出×リチャード・バートン主演版の『ハムレット』を題材にし、その創作過程を描いたサム・メンデスの演出最新作『ザ・モーティヴ&ザ・キュー』が日本で劇場公開中。公開ヒット記念として7/15(月・祝)にTOHOシネマズ 日本橋でトークイベント付き上映が開催された。
トークゲストには、シェイクスピアの翻訳でお馴染みの松岡和子さんと、多くのNTLive作品の字幕翻訳を手掛けてきている柏木しょうこさんが登壇、会場は満席となる大盛況となった。当日は、松岡和子さんも柏木しょうこさんも観客と一緒に本編を鑑賞し、興奮冷めやらぬ鑑賞直後の中で、トークイベントが実施された。
ジョン・ギールグッド演出版『ハムレット』の大ファンという松岡さんは、この『ハムレット』は数ある『ハムレット』の中でも120点満点! 完璧な作品で、その舞台裏をサム・メンデスが描くっていうだけで、もう観るのが楽しみで仕方ないような作品でした、と本作への期待値を表現していた。また、鑑賞中も鑑賞後も「泣ける」と絶賛。セリフに散りばまれたサム・メンデスの演劇への愛情を噛み締めながら、感動を伝えた。
柏木しょうこさんからは冒頭に本作『ザ・モーティヴ&ザ・キュー』のタイトルの由来について、この言葉が演技の根源を象徴するような言葉だと解説した。
そのほか、松岡さんからは、かつてサム・メンデスが演出した『リチャード三世』が来日公演した時に、サム・メンデスへインタビューした時のことなど、その際にサムから聞いた話がまさに今回の作品の創作方法にも重なっていることなど、貴重な話を聞かせてくれた。
そして、ジョン・ギールグッド役のマーク・ゲイティスは本年度ローレンス・オリヴィエ賞最優秀主演男優賞を受賞し、作品賞と演出賞(サム・メンデス)でも、ノミネートされた本作は、現在TOHOシネマズ 日本橋とシネ・シーブル池袋で絶賛続映中。シネ・リーブル池袋では来週の平日も上映が続映されることが決定した。
演劇に携わっている人はもちろん、演劇・映画が大好きな方々にはぜひご覧になっていただきたい作品だ。NTLiveは映画館のスクリーンでお楽しみいただける企画なので、ぜひ映画館でお見逃しなく!
今後の上映
TOHOシネマズ 日本橋
7/17(水)、7/18(木) 17:20開映
シネ・リーブル池袋
7/17(水)、7/18(木) 19:15開映
7/19(金)〜7/21(日) 休映
7/22(月)~7/25(木) 18:45 開映
ぜひ本編と合わせて、上映後に、本作で描かれていることについて、松岡和子さんと柏木しょうこさんの深掘りするお話をお楽しみいただきたい。
【/15イベント 登壇者プロフィール
松岡和子
翻訳家。小説や評論、英米の戯曲の翻訳を経て、全戯曲個人訳による『シェイクスピア全集』を2021年に完結させ、菊池寛賞や朝日賞などを受賞した。主な著書に『深読みシェイクスピア』他。
柏木しょうこ
映像・英米文学翻訳家。演劇界から映像翻訳家へ。主な翻訳作品にドラマ「ブレイキング・バッド」(字幕)、映画「マクベス」、映画「ライトハウス」(吹き替え)など。NTライブの字幕や書籍の翻訳も手掛ける。
公開表記
配給:カルチャヴィル
絶賛公開中
(オフィシャル素材提供)