登壇者:川越 淳監督、米村正二(脚本)
映画『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』が、6月28日(金)より全国の映画館にて大ヒット上映中! 今年の映画は、ばいきんまんが愛と勇気の戦士に!? 森の妖精・ルルンがアンパンマン、ばいきんまんと力を合わせて〈絵本の世界〉を守る大冒険に! 6月28日(金)より全国319館で公開され、週末3日間(6/28~6/30)で興行収入1.7億円、動員13.7万人を記録し、週末3日間(6/28~6/30)の興行成績(興行通信社調べ)では、動員第1位となる超特大ヒットスタートを切った。さらに、この成績は、シリーズ最高の初動成績となっている。
アンパンマンとばいきんまんが力を合わせるという展開に、子どものみならず大人も思わず胸が熱くなったという声が多く寄せられている今作。SNS上では「ばいきんまんが冗談抜きに天井知らずのかっこよさだった」、「善悪を超えた所にある『ばいきんまんのかっこよさ』を描いているのが本当に良いバランス」、「不屈のばいきんまん、かっこよすぎる。」、「大人こそ観るべき!」といった投稿も多く見受けられており、絶賛の声が鳴り止まない! これまで以上に多くの人々に愛される劇場版アンパンマンになること間違いなしだ。
ファミリーのみならず、大人のアニメファン、映画ファンの来館が見られるのが今作の特徴でもあるが、「大人もアンパンマンの映画を観たい!」という声に応えた、【大人も楽しめる夜の時間帯】【通常音量】【場内暗転】での上映“アンパンマンナイト”をシネ・リーブル池袋で毎週金曜日に実施! 初回となる7月19日(金)、監督の川越 淳と脚本の米村正二が登壇する上映後スペシャルトークイベントを開催! 公開後の今だからこそ話せる裏話も飛び出し、制作者の二人から直接話を聞ける貴重なトークイベントとなった。
初回はチケット即完売。満員の【大人のファン】の盛大な拍手に迎えられ、川越 淳監督と脚本を担当した米村正二がにこやかな笑顔で登場。和やかな雰囲気の中、“アンパンマンナイト・スペシャルトークイベント”がスタートした。MCから、本作を2回目・3回目とリピート鑑賞した方はどれくらいいるかとの問いかけに、多くのお客さんから手があがり、川越も米村も驚きの表情を見せていた。集まった大人のファンと一緒に上映を楽しんだ二人。通常は小さなお子様も見やすいよう、音量は小さめ&場内も明るめに設定されているが、大人も楽しめる夜の時間帯、通常音量、場内暗転での上映環境で鑑賞されたお客さんを目の前に川越監督は「映画『アンパンマン』シリーズは、大人が観に来るということがやはり難しい状況。このような上映があるのはとても良いことですね。何と言っても、5.1chという、本来の音響で今回観ていただけたのでそれが嬉しいです」とニッコリ。米村さんも「自分の子どもが今3歳で、一緒に映画を観に行くと、音の大きさやバトル・シーンなどで泣き出しちゃったらどうしようと、どうしてもハラハラしながら一緒に観てしまうのですが、こういう機会があると自分も盛り上がって観られて楽しめますね!」と、笑顔を見せていた。制作時にも“バトル・シーンなどの迫力”はこだわって作っており、川越監督は「やりすぎて怒られることもありますが(笑)、今回は明るい画面にして、なるべく楽しい感じでバトルをすることを心がけました」と明かした。
アンパンマンとばいきんまんが力を合わせるという展開に、子どものみならず大人も思わず胸が熱くなったという声がSNS上などでも多く寄せられており、公開後の反響について聞かれると川越監督は「僕は気が小さいので(笑)、Xなどを見るのはドキドキしてしまうのですが、今回は意外と評判がよくて良かったです」と、会場の笑いを誘い、米村も「昔は妻とアンパンマンの映画を観に行き、“どうだった?”と聞いていたのですが、妻から“もうそれ聞かないで”と言われてしまい(笑)、それから聞かないようにしていたので、一番身近な声は聞いていないのですが、周りからは“すごく良かったよ”と言ってもらえましたね」と、こちらもユーモアたっぷりに語った。また、米村さんは自分が携わった作品のチケットを母親に送っていると明かし、「母は80代なのですが、その友達のおばあちゃん4人で毎回観に行ってくれていて、今年はそのうちの一人から“アンパンマンとばいきんまんが一緒に頑張ってる姿に感動しました”と、お手紙をもらい嬉しかったですね」と、エピソードを披露し、会場はさらに和やかなムードに包まれた。
これまでの映画ではなかなか見られなかったような、ばいきんまんの姿も描かれている本作。話を作る上で意識したことを聞かれると、米村は、「アンパンマンという作品は、ゲストが出てきてアンパンマンが励ますというのが毎回の大きな流れ。その役目を一度ばいきんまんにさせてみてはどうだろう、というのが本作の発想の原点です。いざそれで考えてみると、劇中のセリフにもあったように、ばいきんまんというのは毎回アンパンマンにやられて、だいたい作戦も失敗して……それでもめげずに頑張っているということに、改めて気づくことができましたね」と、ばいきんまんを改めて見つめることになったと語り、「ばいきんまんは落ち込んだ人が目の前にいると、自分の状況を差し置いて励ましてしまう。セリフを考えた時に、そういったことが自然に出てきましたね」と振り返った。
川越監督は映像を作るうえで、「ばいきんまんは私利私欲で動いていて、そこはぶれずに考えていました。物語の冒頭に出てくる、“すいとるゾウがいなくなれば、この世界は俺様のものだ”というセリフがその後の展開に活きてきますよね」と裏話を明かした。
今作は、「俺様は何度やられても立ち上がるんだ!」「俺様は世界で一番強い! アンパンマンには何度も負けたが、それでも一番強い! それが俺様だ!」というセリフや「お前とおんなじだ、俺様もちょっぴり怖かった」「俺様なんか何回も失敗してんだ」など、ばいきんまんのセリフでグッとくる印象的なセリフがたくさんあり、さらにそこにばいきんまんのキャラクター性も凝縮されている。ばいきんまんの描き方ついて米村は「ばいきんまんは元々、自分が一番強いという考えを持っています。アンパンマンに何度やられても、それでも自分が一番強いというプライドがある。本作ですいとるゾウに負けて、侮辱的なことも言われてしまうけど、言われれば言われるほど、負けずに自分を貫き通すという、ばいきんまんの的にぶれていないところがセリフに現れたんだと思います」と述べ、また、そのセリフを響かせるために行った演出として「とにかく感情を流れに合わせてコンテを作りました」と、川越監督も明かした。
また、今作のあらすじが発表された時点からばいきんまんがルルンに「アンパンマンを呼んでこい!」というセリフに驚きと期待を寄せる声が多く上がっており、このセリフについて米村は「アンパンマンを倒せるのは、自分しかいないというところがあり、劣勢になった時に“この俺様を救えるのはアンパンマンしかいない”と、葛藤があったんでしょうね」と、教えてくれた。ウッドだだんだんがすいとるゾウと対峙する大迫力のシーンについても、川越監督は「今回はとにかく暗くせず、明るい画面の中でクリアに戦いを見せることを心がけました。相手が“ゾウ”なので、どしんどしんと歩く、その重さを出せたらと思いました。そして、ウッドだだんだんなので、科学的ではなく物理的な攻撃にすることで重さを出せましたね」と、そのこだわりを明かした。
ばいきんまん役の中尾隆聖は「アンパンマンなくしてばいきんまんは成り立たない」、またアンパンマン役の戸田恵子も「不思議な関係」と話していた、【アンパンマンとばいきんまんの関係性】について聞かれると、川越監督は「光と影。どちらがいなくても存在できない」と語り、米村も「まさにそうですね。二つがそろわないと、一つの画にならないというイメージ」と明かした。
また、二人で最初に映画を作られたのは、映画『それいけ!アンパンマン りんごぼうやとみんなの願い』(14)だったそう。当時まだご存命だった原作者のやなせ先生との思い出を語る場面も。川越監督は映画『それいけ!アンパンマン りんごぼうやとみんなの願い」(14)のプロットを書き終えた際に「プロットを早く上げてくれてありがとう」という手紙をもらったそうで、「先生も亡くなることが分かっていたのか、映画の完成が見られないと分かっていて、そういうお手紙をくださったと後で知って、涙が出ました」と振り返る。米村も30年以上前、病を患った際にやなせ先生から手紙をもらったエピソードを明かし、「先生はとても褒め上手。『米村くんが帰ってこないとアンパンマンのTVシリーズがもっとよくならないから、早く帰ってくるように』というようなことを書いてくださって。手紙にすごく勇気づけられました」と明かした。そして「毎回映画では必ずやっているんですが、やっぱりアンパンマンがおなかがすいた人に顔をあげるシーンは、絶対に覆らない正義というのが先生の根底にあったと思うので、そこはすごく大事にしていきたい」と、今でも大事にしているやなせ先生の思いを改めて語った。
最後に“大人も楽しめる”作品であることを存分にアピールし、大盛り上がりの内にトークイベントは幕を閉じた。
公開表記
配給:東京テアトル
大ヒット上映中!
(オフィシャル素材提供)