世界最大級のオンライン・エンターテインメント・サービスを提供するNetflixは、企画・製作をするNetflixシリーズ「地面師たち」が配信中。
この度、地面師グループの交渉役、辻本拓海を演じた綾野 剛のオフィシャル・インタビューが到着した。
綾野 剛 プロフィール
1982年生まれ、岐阜県出身。2003年、俳優デビュー。主な出演作に、連続テレビ小説『カーネーション』(12)、大河ドラマ『八重の桜』(13)、『最高の離婚』(13)、『空飛ぶ広報室』(13)、『コウノドリ』(15、17)、『MIU404』(20)、『恋はDeepに』(21)、『アバランチ』(21)、『オールドルーキー』(22)などのドラマ作品、『クローズZEROⅡ』(09)、『GANTZ』(11)、『横道世之介』(13)、『そこのみにて光輝く』(14)、『新宿スワン』(15)、『日本で一番悪い奴ら』(16)、『怒り』(16)、『パンク侍、斬られて候』(18)、『ヤクザと家族 The Family』(21)、『ホムンクルス』(21)、『最後まで行く』(23)、『花腐し』(23)、『カラオケ行こ!』(24)などの映画作品がある。『新聞記者』(22)、『幽☆遊☆白書』(23)などNetflix作品にも出演している。
今回のオファーがあったとき、まずはどんなことを感じましたか?
地面師(ジメンシ)という耳馴染みのないフレーズに、不気味さと特殊な気怠さを感じました。脚本を紐解いていくと、さまざまな“師”たちが存在し、巨悪の総合商社のようでありながら、巻き込む側と、それらに関わり巻き込まれる側との人間の業がとても色濃くヒリヒリと描かれている。映画やシリーズの撮影現場に各部署、各配役が存在するように、彼たちにも部署があり配役がある。なにより最終的には“芝居”を選択するのです。そのあたり、役者として琴線に触れるものがあり、身を投じたいと物語の門を開いた感覚がありました。地面師という題材と大根 仁監督の親和性、登場人物それぞれの業を繊細かつ大胆に描き切られた脚本を受け、ぜひ参加したいと確信しました。辻本拓海という人物に対しても共に歩む日々は一筋縄ではいかない。どう生き、どう滅ぼすか。そんな彼を、彼らを愛せるか。そんな想いからこの作品との向き合いが始まりました。
「地面師」という題材については、どんな感想を持ちましたか?
原作者である新庄 耕さんが向き合われた時間を溢すことなく、全部署が一丸となって真摯に向き合わなければいけない。この作品は実在の事件をモチーフに描いたクライム・ノベルであり、フィクションとノン・フィクションが織り混ざった現代社会と地続きの話ですので、丹精を尽くし向き合っていく作業が求められると、撮影前から準備を進めました。
意外にも今回が初という大根監督の現場はいかがでしたか?
とてもフレキシブルな監督です。それは、こだわりがないということではなく、すべてがこだわりの中で起こっていることなのだと思います。黒を白にするという話ではなく、多種多様な黒がある中で、各部署が「この黒は、どうですか?」と提案すると、監督は直ぐに「ああ、いいね。やってみよう」と挑ませてくれます。それでいて画角や、絵と芝居の機微に対してはとても繊細でいて直感的。あらゆる事が大根監督の中で共存していました。それを毎カット集中して研ぎ澄ましているお姿に、しっかり応え続けたいという思いでした。
今回の「拓海」というキャラクターについては、いかがでしたか?
「役者脳」で考えないように心掛けました。というのも、拓海は「役者」ではありませんが「詐欺師」ですので、最終的交渉では表現として、暴力や脅しではなく「芝居」を選択しなければいけません。その中で、役者ではない人の芝居とは?という概念が生まれました。端的に言うと、役を演じるという向き合い方と、相手を騙すという向き合い方。同じ芝居でも、演じると騙すとでは属性がまるで違います。私たちには脚本や物語があり虚構ですが、彼たちは即興であり現実であり事実なのです。ですので自分が今まで培ってきた「役者脳」で役を捉え過ぎるのではなく、本作の世界観を生きるというチャレンジングな日々でした。
拓海が「交渉役」を務める地面師チームは、かなり個性的な役者さんがそろっていますが、現場の雰囲気はいかがでしたか?
最高です。とにかく毎カット最新を更新されていく。皆さん魅力的であり、なにより作品作りや現場が大好きな方々です。地面師たちは“企画制作プロダクション”なんです。プロデューサーがいて、ライターがいて、ディレクターがいて、キャスティングやリーガル、デザインやロケーション担当、そして俳優部もいる。まさに映画やシリーズの「組」です。それぞれの技量を認め合い、理解し合えている。そういう意味で、作品現場に関わる全部署が知っているムードに近いので、とても豊かな日々でした。
そんなチームの中でも、拓海と豊川悦司さん演じる「ハリソン」の関係は、やはり特別なものがあって……。
師弟関係とも言えますが、共依存関係とも言えます。ハリソンは、拓海を必要としている。拓海もそれに応える。過去に感情を失った拓海は、相手に必要とされることで無意識のうちに自分の存在意義を感じる。さらに秘密を保持し合うことで、生きるか死ぬか二つに一つという極論が生み出してしまう生存本能がお互いを残酷な程に高め合ってしまう。しかしそこには必ず綻びがあって。
そんなハリソンの本性に、やがて拓海も気づいていくわけですが……。
気づいていること、気づいていないこと、そして気づかないふりと、気づきたくないという業の狭間で、揺らぎ続けることが大切だと考えました。その揺らぎこそが辻本拓海という存在証明を取り戻すための贖罪なのだと。ですから欲求に従った表現は控えました。
この『地面師たち』は、改めてどんな作品になったと思いましたか?
Netflixと親和性の高い作品になったと思います。クリエイションとして、光の中にある埋没しそうな闇たちを愛でる誠実さや、その中でも埋もれそうな原石を掘り起こし磨き抜く真摯さ。作品ファーストであり、それぞれの個性や魅力を尊重し、なによりクリエイターに対するリスペクトがあります。そういう意味でも、本作「地面師たち」はNetflixの王道というべき作品になったのではないかと思います。
“地面師”とは
地面師とは、他人の土地の所有者になりすまして売却を持ちかけ、偽造書類を使って多額の代金を騙し取る、不動産詐欺を行う集団のことである。地面師詐欺は、戦後間もない混沌とした社会情勢や、役所内の混乱期に全国で発生した。1980年代後半から1990年代初期にかけてのバブル時代には、土地の価格が高騰し、都市部を中心に多発。だがその後、不動産取引に必要な書類の電子化が進んだことによって、他人のなりすましが困難になり、鎮静化したように見えた。しかし2010年代半ば、東京オリンピック招致決定を機に、土地の価格が上昇し、管理の行き届かない土地や、所有者の不在など、表面化しにくい土地を中心に、再び地面師事件が発生するようになった。地面師詐欺は、リーダー、交渉役、情報屋(図面師)、法律担当、偽造書類作成者(ニンベン師)、なりすましのキャスティング(手配師)など、複数人で行われ、緻密かつ高度な犯罪テクニックが必要とされる。
Netflixシリーズ『地面師たち』
配信情報:Netflixにて世界独占配信中
ストーリー:
再び土地価格が高騰し始めた東京。辻本拓海(綾野 剛)はハリソン山中(豊川悦司)と名乗る大物不動産詐欺師グループのリーダーと出会い、「情報屋」の竹下(北村一輝)、なりすまし犯をキャスティングする「手配師」の麗子(小池栄子)、「法律屋」の後藤(ピエール瀧)らとともに、拓海は「交渉役」として不動産詐欺を働いていた。
次のターゲットは過去最大の100億円不動産。地主、土地開発に焦りを見せる大手デベロッパーとの狡猾な駆け引きが繰り広げられる中、警察が地面師たちの背後に迫る。
次々と明らかになる拓海の過去とハリソンの非道な手口。前代未聞の綱渡りの不正取引、迫りくる捜査……果たして100億円詐欺は成功するのか?
監督・脚本:大根 仁
出演:綾野 剛、豊川悦司
北村一輝、小池栄子、ピエール瀧、染谷将太
松岡依都美、吉村界人、アントニー、松尾 諭、駿河太郎、マキタスポーツ
池田エライザ、リリー・フランキー、山本耕史
原作:新庄 耕「地面師たち」(集英社文庫刊)
エグゼクティブ・プロデューサー:高橋信一
プロデューサー:吉田憲一、三宅はるえ
製作:Netflix
制作プロダクション:日活 ブースタープロジェクト
話数:全7話(一挙配信)
Netflix作品ページ:https://www.netflix.com/地面師たち(外部サイト)
#地面師たち #100億円不動産詐欺
Netflix(ネットフリックス)について
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(オフィシャル素材提供)