第74回ベルリン国際映画祭公式招待作品黒沢清監督最新作『Chime』狂気を纏った第２弾予告映像を発表！

　メディア配信プラットフォーム・Roadstead オリジナル作品第一弾として「自由に作品を制作してほしい」というオーダーから作られた黒沢清監督中編作品『Chime』が劇場での上映開始となる。（８月２日Stranger他順次劇場上映）

　今年の第74回ベルリン国際映画祭ベルリナーレ・スペシャル部門に出品された本作は、熱狂的に迎えられた満席の場内で上映され、その後の全上映回が完売するほどの注目を浴びた。

　現代の“いびつ”が全編を貫く、極めて純度の高い“黒沢清監督が描く恐怖”が詰まった本作『Chime』は、東京東エリアにある唯一のミニシアター「Stranger」が初の配給作品として手掛ける。

第２弾予告発表！

　一瞬たりとも目が離せない恐怖と緊張感が漂う新たな予告映像が登場！
　ぜひ、この機会に、不気味さと狂気を纏った主人公・松岡（吉岡睦雄）の表情が印象的な第２弾予告編映像と共に、黒沢清監督によるステートメントも合わせて、『Chime』をご期待いただきたい。

劇場上映開始日にはプレミアトーク付き上映も決定！

　８月２日(金)には本作の全国劇場上映開始を記念し、東京：菊川 Strangerにて吉岡睦雄、黒沢清監督登壇による特別上映を実施する。

■８月２日(金) Strangerにて
　① プレミアトーク付き上映 18:10の回上映後登壇 ※料金：一律2,000円
　② 上映前舞台挨拶付き上映 20:15の回上映前登壇 ※料金：一律1,500円

【チケット販売】7/31(水) 劇場HP（https://stranger.jp/、外部サイト） 0:00～/劇場窓口 8:30～

黒沢清監督ステートメント全文

　チャイムが鳴り、あなたはこれまでずっと続いていた何かが終わって次の何かが始まるその時が来たことを知る。心の中に不安と期待が同時に押し寄せるが、もう引き返すことはできない。あなたはそれを受け入れるしかないのだ。またチャイムが鳴り、あなたは戸口の外に誰かが立ったことを知る。その誰かがもたらすものが恐怖なのか祝福なのかは、ドアを開けてみるまで分からない。あなたはどうするか？　何もしないでいると絶え間なくチャイムは鳴り続けるだろう。この映画は以上のような私の妄想から生まれた。とりたてたジャンル性も娯楽性も作家性も持たない、たった45分のむき出しの映画だ。
　私は、どこにでもいる平凡な中年男である主人公がチャイムによって突き動かされ常識と非常識のあいだを行き来する様を描いてみた。彼は終始不安だ。しかし確信もしている。この非常識こそが、彼をがんじがらめに縛り付けている現代社会のモラルや正義や良心の隙間からするりと抜け出すことのできる、一種の自由でもあるのだと。

DVTプラットフォーム・Roadsteadとは

　「DVT」(Digital Video Trading / デジタル・ビデオ・トレーディング)とは、映像作品を「消費する一過性のコンテンツ」ではなく、「コレクションする価値ある資産」として扱う、Roadstead が提唱する映像流通の新しい枠組み。映像を数量制限なく配信するプラットフォームと違い、オンライン上に存在する映像作品をDVDと同じように一意で固有のアイテムとして扱う。ユーザーは作品を視聴して楽しむだけでなく、出品者（ライツホルダー）がユーザーに許可したコンテンツのさまざまな利用（第三者へのリセール、レンタル、交換、プレゼント、上映、展示等）が可能。出品される映像全てにシリアルナンバーが付与されており、購入者だけが観られるようセキュリティ（暗号化）が施された状態でトレードすることができる。出品者には、ユーザー同士の取引収益からも権利料が還元される仕組みになっており、ユーザーは単なる消費者ではなく、出品者の活動を経済面で直接的にサポートできる。
　Roadstead はこのWeb３的な概念を、世界初の映像流通の枠組み「DVT」として広めることで、違法コピーや海賊版を排除するとともに、クリエイターに正当な対価と持続的な創作活動の場を提供していく。
　このポリシーを表すサインとして「Legit（レジット＝正当な、合法的な）」というワードを、Roadstead は掲げている。Roadstead は海賊が立ち入ることのできない安全な停泊地を意味し、クリエイターとフォロワーが同じ想いで投錨し、心をゆさぶる体験を共創できる場を目指している。

Strangerとは

　2022年アートアンドサイエンス株式会社の岡村忠征氏がクラウドファンディングを中心に資金を募りStrangerを設立。ジャン=リュック・ゴダール監督作品をはじめ、作家性、個性豊かな特集上映を主として運営を続けてきたが2023年に事業譲渡を模索、2024年２月ナカチカ株式会社に経営移管。ナカチカの子会社としてストレンジャー株式会社を設立し（小金澤剛康／更谷伽奈子）、劇場運営の知見と映画事業の専門性をもって、「Stranger」の温故知新の精神を持ち続け、新たな事業構築を図る。