登壇者:眞栄田郷敦、高橋文哉、板垣李光人、桜田ひより
映画『ブルーピリオド』の公開直前イベントが東京・女子美術大学 杉並キャンパスで行われ、眞栄田郷敦、高橋文哉、板垣李光人、桜田ひよりがイベントに出席して学生たちから熱烈歓迎を受けた。
本作は、「マンガ大賞2020」を受賞し、アニメ化やYOASOBIの「群青」とのコラボレーションでも話題を集め、累計発行部数700万部超を記録した、山口つばさの漫画の実写映画化(萩原健太郎監督)。
空虚な毎日を送っていた男子高校生・矢口八虎(眞栄田)が、1枚の絵をきっかけに美術の世界に本気で挑み、国内最難関の美術大学を目指し、情熱を武器に圧倒的な努力で困難を乗り越えていく姿が描かれる。好きなことに出合えた高揚感、その先に訪れる葛藤をもリアルに描かれている。
イベントが開始され、キャスト陣が後ろから登場すると、集まった同大学附属高校の女子生徒約130人からは大きな歓声と拍手が起こった。
舞台には、映画のプロモーションのために描かれた巨大絵画(女子美術大学短期大学部の学生・教員とキャストが共同で制作した)が置かれており、眞栄田らは布を外して、「明け方の青い渋谷」のお披露目を行なった。
高校生・矢口八虎役を演じた眞栄田は絵画を見ながら、「久々にすごく集中して描いたので、楽しかった」と話す。生徒たちからのアドバイスも受けながら制作したことも明かした。
八虎の同級生・ユカちゃんこと鮎川龍二役を演じた高橋も「本当に集中して、言葉を忘れるぐらいでした。楽しかった」と同調した。
八虎のライバルである高橋世田介役を演じた板垣は「僕はパステルを初めて使って描いたんですが、すごく面白い画材だなと思いました」。そして、突然「文哉、パステル使ってたじゃん? おいしそうじゃなかった? 琥珀糖みたいで」と高橋に問いかける。高橋が「食用チョークみたいなこと?」とピンと来ていない様子。板垣は「違う違う!」と苦笑。その通じないやりとりに会場に笑いが起こった。
美術部の先輩・森まる役を演じた桜田は「楽しかった記憶がよみがえりました。皆さんと一緒に1つの作品を作ることができたのがとても貴重な経験になりました」と話す。この日は、桜田に会場の人気が集中。桜田の一挙手一投足に会場からは「かわいい~!」の声援が引きも切らず、桜田はテレまくりだった。
今作は、女子美術大学でも撮影が行われた。印象に残った場面に眞栄田が、らせん階段で(板垣演じる)世田介が去ろうとするところを呼び止めるシーンを挙げ、「しっかり面と向かってやる芝居だったので、(板垣と)監督を含めて3人で話し合う時間を多く取りました。それでぐっと、距離が縮まったような気がします」と話す。板垣も「1年ほど前になりますが、暑い日に撮影していたなと思い出しました」としみじみ。
会場に集まった女子美術大学付属高校の生徒からの質問に答えるコーナーが用意されており、「これだけはゆずれないもの」を聞かれた眞栄田は「自分を磨くこと。なんでもできる人になりたい」と話し、「スーパーマンになれればいいと思ってる」と話した。
「何かに苦戦したときはどうする?」という質問に、眞栄田は「弱点を分析して、克服できるよう努力をします」。板垣は「悩みに押し潰されないよう、あくまで自分が悩みの上に立っているように意識します。あとはあきらめも大事だなと思っています」と説得力のある答えで会場は感心しきり。
「俳優業に目覚めたきっかけは?」との質問に、高橋は「僕はこの世界に入ってから俳優に魅力を感じました。この仕事でもっと階段を登りたいんだなと思いました」。
桜田は「5歳で芸能界に入ったのですが、ドラマを見ていて『これをやりたい』と言ったことがきっかけです。この先、何年後か分からないけれど、満足がいく自分と向き合える日が来ることを心待ちにしながら吸収できるもの、皆さんに与えられるものを一個一個丁寧に作っていけたら良いなと思います」と真摯に語った。
最後に高橋は「どんな人がどのタイミングで見ても何か自分の中のヒントになる、余白を埋めてくれる映画です」、眞栄田は「皆さんそれぞれの視点や感覚での感想を直接聞けたので良かった。僕らもパワーをもらえました。公開まであと1週間なんですが、自信を持って8月9日の公開を迎えたいなと思いました。皆さんも楽しみにいただければ嬉しいです」とメッセージを送った。
(取材・文・写真:福住佐知子)
公開表記
配給:ワーナー・ブラザース映画
8月9日(金) 全国ロードショー
(オフィシャル素材提供)