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『サユリ』完成披露舞台挨拶

©2024「サユリ」製作委員会/押切蓮介/幻冬舎コミックス

 登壇者:南出凌嘉、根岸季衣、押切蓮介(原作)、白石晃士監督

 漫画家・押切蓮介によるオカルト・コミックを、『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズで知られる鬼才・白石晃士監督がハイブリッドに実写映画化した『サユリ』《8月23日(金)、全国公開》。その完成披露試写会が8月8日(ばあばの日)に都内映画館で実施され、主演の南出凌嘉、共演の根岸季衣、原作者の押切蓮介、そして白石晃士監督が参加した。

 満員御礼の会場を前に原作者の押切は「まさに理想通りの映画を観せてもらった。ずっとこのような人間逆転劇ホラーを見たかったので、それをやっと観ることが出来て嬉しい」と太鼓判を押し、「白石監督については『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!FILE-01 口裂け女捕獲作戦』での口裂け女をバットで追い回す感性が信頼できると思っていたので、クラスで狙っていた女の子と両想いになったくらい嬉しかった」と白石監督による映画化にしみじみしていた。

 ホラー映画初主演で主人公の則雄を演じた南出は「ホラー映画なのに面白くて切なくて、爽快感や満足感があった」と完成作に胸を張り、則雄の祖母・春枝を演じた根岸も「入れ込んで演じたので完成が待ち遠しかった。本編はまだ冷静に見られていないけれど、予告を観た時に『カッコいいじゃん!』といい気になっています」と満面の笑み。構想5年超をかけて完成させた白石監督は「原作漫画を読んだ時に『これは俺が映画にすべきだ』と思うくらい、押切先生とは価値観が同じだと思えた。今は完成した満足感と、これまでのJホラーにはなかった作品が出来て『ついにやったぞ!』と思っています」と手応えを得ていた。

 ホラー映画の撮影現場には不可解な現象がつきものだが、南出は“サユリ”ならぬ“コウジ”に心底怯えたという。「撮影ではトライ&エラーをさせてもらって、的確な指示もくれました」と白石監督に感謝するも「白石監督には足音がなくて、気づいたら後ろにいたりして怖かった。サユリよりもコウジのほうが怖くて不気味でした」と明かして笑いを取っていた。

 一方、女性ロック歌手ジャニス・ジョプリンの雰囲気をキャラクターに取り入れたという根岸は「脚本でラジカセから古いロックが流れてくる……というシーンを読んだ時に、若い頃にロックを浴びてきた団塊の世代が覚醒するのにロックの力はあり得ると思った。そこに飛びついて白石監督に『ジャニス・ジョプリンでやりませんか?』と提案しました」と回想。これに押切は「なぜ原作であれをやらなかったのかと思った」と悔しがり、根岸は「この作品には過激な表現もあると言われたけれど、撮影で返り血を浴びると『やったー!』と嬉しかった」と元気溌剌だった。

 南出は根岸との共演について「復讐だ!と気持ちを鼓舞されて感情が高ぶるシーンは、追い詰められて悲しいのか怒りなのかグチャグチャの表情になりました。その感情を維持したくて頑張った後に根岸さんが『良くやったね、よしよし』と頭をポンポンしてくれて……。一生付いて行こうと思いました」と最敬礼。根岸は好きな劇中セリフを聞かれると「“命を濃く”というセリフが私は好き。ホラーなのにポジティブ。まさに“ポジティブホラー”です」と命名し、南出も「“命を濃く”は私生活でも僕に影響を与えたセリフ。よく食べてよく寝てって大事なんだなと。僕も頑張ろうと思いました」とお気に入りだった。

 押切は根岸の勇姿について「やっとこの瞬間が来たのかと嬉しかった。これまでのJホラーではずっと抑えつけられて負け戦を見せられてきたので、やっとここで覆してくれたと思った。根岸さんのセリフでは『ポリ公』の言い方が良かったです」とニヤリ。白石監督も「根岸さんが霊媒師に『祓って済ませるつもりはねえ!』とペッと唾を吐くシーンは最高。ちなみに唾はCGで表現しました。唾VFXです(笑)」とこだわりを紹介した。

 最後に主演の南出は「この映画はホラーなのに元気が出て明日から頑張ろうと思える作品です。劇場で観ていただき、命を濃くしていただきたいです」とPRし、根岸も「今日観てくださった皆さんの反応に期待しております」と反響に期待。押切は「もっともっと面白い漫画を描かねばと気合が一層入りました。『サユリII』をやりましょうか!?」と予告し、白石監督は「生きる希望と元気を本作から感じ取っていただけたら嬉しいです」と呼び掛けていた。

公開表記

 配給:ショウゲート
 2024年8月23日(金)、全国公開

(オフィシャル素材提供)

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