イベント・舞台挨拶

『ぼくのお日さま』ジャパンプレミア

© 2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINÉMAS

 登壇者:越山敬達、中西希亜良、池松壮亮、若葉竜也、奥山大史監督

 第77回カンヌ国際映画祭で日本から唯一オフィシャルセレクションに選出され、8分間にもわたるスタンディングオベーションを受けた映画『ぼくのお日さま』」のジャパンプレミアが都内で開催され、舞台挨拶に、キャストの越山敬達、中西希亜良、池松壮亮、若葉竜也とメガホンを取った奥山大史監督が出席してクロストークを繰り広げた。越山と中西は初の舞台挨拶に緊張しまくりの初々しい姿を見せた。

 本作はスケート・リンクを舞台に吃音を持つホッケー少年のタクヤ(越山)とフィギュア・スケートを学ぶ少女サクラ(中西)、そしてさくらのコーチで元フィギュア・スケート選手・荒川(池松)、3人の視点で描かれるヒューマン・ドラマ。北海道と岩手で撮影された。劇中歌ハンバート ハンバートの楽曲『ぼくのお日さま』がそのままタイトルになった。

 オーディションで出演が決まった越山と中西は、初めての舞台挨拶で緊張しまくり。
 主演のタクヤ役を演じた越山は初の舞台挨拶に緊張しすぎて言葉が出てこない。「よろしくお願いします」と深~い深いお辞儀をして気持ちを伝えた。

 さくら役を演じた中西も今作で演技に初挑戦。「いま緊張しすぎて、ちゃんと話すことに集中しています。みんなで作った素敵な映画です」と作品を一生懸命にアピールした。

 さくらはフィギュア・スケートが出来るという設定なので、なかなか適役が見つからず、奥山監督はスケート・リンクに“スケートが出来るヒロイン募集”の張り紙をしたことを報告。

 どうにか舞台挨拶を終えた2人に向かって、池松は「120点です」と優しいエールを送り、“よく頑張ったね”とねぎらいのまなざしをむける。

 撮影当時、越山は13歳、中西は11歳。「撮影時より10㎝以上背丈が延びました」と報告する越山。中西は「私は5㎝です。越山くんは撮影しているときは私より背が低かったのに、今は抜かれてしまいました」と報告。

 そんな子役2人の成長ぶりに驚きながら池松は、「オーディションに来て勝ち抜く子はガツガツして我が強い子が多いのに、2人は撮影当時からからあまり変わっていなくて、ホッとしました。のんびりしていて……好きですね」と目を細める。

 池松は2人の印象について「この映画に宝石のような輝きを残してくれました。控えめで、このまままっすぐな大人になって僕のような俳優にはならないでほしい」と自虐を込めたコメントで会場に笑いを提供した。さらに、池松は2人について「自分の子役時代とは違って、すごい才能を持っているなって思いました」と自分の子役時代を重ねながら話した。

 今作でスケートのコーチという役柄を演じた池松は、スケートはまったくの初心者で、「(俳優として)いろんなことに挑戦してきましたが、今まで挑戦したものの中で一番難しかったです。3秒に一回は転んでた……」と半年間にわたる猛練習を明かした。

 荒川の恋人・五十嵐役を演じた若葉は、自分の子役時代を振り返り、「大衆演劇の世界で育って、サボルことと、俳優の道に進むことは考えてはいなかった」と振り返る。若い2人については「才能を感じました。特に中西さんの初演技に出会うことができて光栄に思っています」とエールを送った。

 子どもの頃にフィギュア・スケートを7年ほど経験していて、今作では自身で氷上を滑りながらカメラを回した奥山監督。「フィギュア・スケートを題材にした作品をいつか撮りたいとは思っていました」と話す。越山と中西の変化については「最初の印象から変わっていないところが素敵だなって思います。独特の感じが……」と2人の今後の成長に期待を寄せた。

 撮影中のエビソードを聞かれた池松は、「(越山は)マイペースで、(撮影場所の)岩手では靴を忘れて裸足で雪の上を歩いてきたりしたんですよ。カンヌでも同じようなことをしていました(苦笑)」打ち明ける。

 越山は寝坊したことを明かし、照れながら反省し、池松に「今回の映画で池松さんから楽しんで仕事をすることを学ばせていただきました」と感謝の気持ちを伝えた。

 後半には「あなたにとってのお日さまはなんですか?」というお題に答えるコーナーが設けられており、越山は「仲間です」と答え、中西は「友達です」。池松と若葉は「お客様」と回答がかぶった。奥山監督は「撮影した日々」と答えていた。

 最後に越山は「この映画が、皆さんの心にいつまでも温かく残り続けてくれたらいいなと思います」。奥山監督は、観客に向かって「個人的には冬に観てもらえるといい映画だなと思っているので、冬までこの映画が劇場で上映されれば、僕たちにとってすごく幸せなことです。3人と一緒に滑っているような気持ちで観てください」と長期の上映を願いつつメッセージを送った。

 (取材・文・写真:福住佐知子)

公開表記

 配給:東京テアトル
 9⽉、テアトル新宿、TOHO シネマズシャンテ ほか全国公開

(オフィシャル素材提供)

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