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“母”東 直子の小説「とりつくしま」を、“娘”の東かほり監督が映画『とりつくしま』絶賛コメント到着!公開直前記念イベントも開催

© ENBUゼミナール

もう⼀度、この世を⾒つめることができるとしたら

 死んでしまったあと、モノになって⼤切な⼈の近くにいられるとしたら……。あなたは何になりますか? 亡くなった⼈に、「とりつくしま係」が問いかける。この世に未練はありませんか。あるなら、なにかモノになって戻ることができますよ、と。

 映画『とりつくしま』は、東 直⼦の⼩説「とりつくしま」(筑摩書房)を原作に、娘である東かほり監督が脚本・監督した“特別な映画”だ。2007年に発⾏された⼩説「とりつくしま」は、すでに失われた⼈⽣のかけがえのない記憶がよみがえり、切なさと温かさと哀しみ、そして少しのおかしみが滲み出る11篇の短篇集。海外も含めファンも多く、シネマプロジェクト作品として映画化を発表した際にはさまざまなところから多くの反響があった。

 東かほり監督は、⻑編デビュー作『ほとぼりメルトサウンズ』(2021)が、第17回⼤阪アジアン映画祭、第22 回ニッポン・コネクション(ドイツ)などに選出、その後劇場公開もされ、今、⼤注⽬の監督。⺟が⽣み出した原作の11篇の中から、「トリケラトプス」「あおいの」「レンズ」「ロージン」の4篇を紡ぎ、オリジナル・ストーリーを加えて映画化した。

 また本作は、ENBUゼミナール「シネマプロジェクト」の第11弾作品でもある。本プロジェクトは、社会現象にもなった上⽥慎⼀郎監督『カメラを⽌めるな︕』をはじめ、今泉⼒哉監督作『退屈な⽇々にさようならを』や、昨年1館から公開し80館以上に拡がりスマッシュ・ヒットとなった外⼭⽂治監督作『茶飲友達』など、ワークショップからキャスティングされた魅⼒的な俳優たちと共に、商業映画とは⼀線を画す刺激的な映画を世に届けてきた。本作のワークショップには応募総数399名の中から選ばれた71名のキャストが参加し、橋本 紡、櫛島想史、⼩川未祐、磯⻄真喜、安宅陽⼦、志村 魁など23名が出演。そして、⼩説で重要な役割となる“とりつくしま係”として、⼩説のファンである⼩泉今⽇⼦が出演している。

 2024年3⽉、新宿Kʼs cinemaにて⾏われた全5回のイベント上映では、全回満席が続出。⼩泉、監督、東 直⼦のアフタートーク回は発売開始直後に即完するほどの話題となった。また5⽉には 『ほとぼりメルトサウンズ』に続き、本作『とりつくしま』がニッポン・コネクション(ドイツ)のNIPPON VISIONS部⾨に選出。9⽉6 ⽇(⾦)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開となる。

 この度、⼀⾜早く『とりつくしま』を鑑賞した各界著名⼈18名の絶賛コメントが到着した。⼭崎ナオコーラは「世界はこんなにも切なくて温かい。私たちが住んでいるのはこういう世界なのだから、明⽇も⽣きられる。死んでも⽣きられる、と思いました」、東かほり監督の前作『ほとぼりメルトサウンズ』に出演し、本作では声の出演をしている鈴⽊慶⼀は「⽬の前のモノを⾒つめればきっとそこに居ると思う、そんな気持ちになる素敵な映画です。昨⽇⽣きてしまったら今⽇が来て、今⽇を⽣きたら明⽇が来る。⼤事な、⼤切な、憧れたみんなと⼀緒に」、そして蓮舫は「舞台のような映画でした。モノになっても想いを残し続けたい、そんな声が聞こえる物語をありがとうございます」とそれぞれコメント。

 そして、9⽉2⽇(⽉)、渋⾕のLOFT9 Shibuyaにて『とりつくしま』公開直前記念イベントを開催︕ イベントは、映画『とりつくしま』の主題歌「陽だまりの夢」を作詞・作曲したカモシタサラによるアコースティックミニLIVE、東かほり監督短編2作品の上映、そして、最新作『とりつくしま』の魅⼒を紐解くトークイベントにて構成される。トークイベントには、東監督ほかキャストなどのトークゲストが登壇予定。
 そしてこの⽇、映画『とりつくしま』の主題歌「陽だまりの夢」のミュージックビデオを特別上映する。なんとこの8⽉お盆期間に東監督をはじめ『とりつくしま』と同じスタッフ・チームにて撮影を敢⾏し、2週間というスケジュールで仕上げるという痺れるスケジュールにて製作︕ トークイベントでは、『とりつくしま』撮影時や主題歌にまつわるエピソードやメイキングなどを交えながら映画についていろいろ語る予定だ。

コメント

市井昌秀(映画監督)
 こんなの切ないに決まってる︕
 喪失であり、余⽩を描くことこそが映画だと思ってます。
 「あおいの」と「ロージン」にやられました。

伊藤さとり(映画パーソナリティ・映画評論家)
 現世に未練があるから「とどまる」だろう、間違いなく「居残る」だろうと今なら思える。
 愛しい⼈を⾒守りたいからそばに居たい。
 そんな純愛を愛おしいくらい可愛らしく具現化して、モノへの愛着は⼈への愛情なんだと伝えてくれる。
 なんて、多幸感に満ちた死⽣観の映画なのだろう。
 ⼤好きだ。

⼤墻 敦(映画監督)
 ⼈間は死後の世界に関与できない、という当たり前のことを映画を観ながら感じて、すこし悲しくなり、すこしほっとした。
 それは、この映画が、こころの奥底で「私」という存在を⽀える「たましい」とも呼んでもいいなにか⼤切なものが、この世の中に静かに満ちていることを、映像と⾳声で⾒事に表現しきっているからだと思う。

⼩川あん(俳優)
 ⼩さいころに、よく星を⾒上げながらこう思ってた。
 「⾃分が消えてしまったら……お星様になって、⼤切なみんなを⾒守ってたい」って。
 でも『とりつくしま』だったら、もっともっと近くにいられる。
 ⼈を想う、この世で⼀番温和で尊いお話。

⾦⼦岳憲(俳優)
 親が⼦を⾒守るように優しい。その優しさに少し反抗したくなる。
 ふと、孤独に気づかされる。そのシーンの俳優がとても良い。
 気づいたら寄り添っていた。優しい気持ちのまま映画を観終えた。
 反抗しようとした⾃分が恥ずかしい。
 優しくて良いじゃないか。よかった今⽇もまだ優しいままだ。

⼩林エリカ(作家・アーティスト)
 死んでしまったものから、いま⽣きているものたちへ。
 親から、⼦へ。⼩説から、映画へ。
 失われてしまったものたちが形を変えながらとりついて、この映画ができているということ、俳優たちひとりひとりの存在が、眩しくて愛おしいものでした。

佐藤尚之(コミュニケーションディレクター)
 週末の⼣⽅にぼんやり⾒て、幸せを感じて、明⽇も⽣きていこうと思えます。

シブヤメグミ(”浮かぶ”⼆代⽬店主)
 ⾔葉をかけられなくても、返事を受けとれなくても、約束ができなくても、もう「またね」って⾔えなくても、誰かは誰かを思っている。
 どこかから聴こえてくるハナウタのような柔らかさで紡がれた物語。
 抱きしめて、抱きしめられてた。

鈴⽊慶⼀(ミュージシャン/moonriders)
 東かほり監督が脚本を送ってきてくれました。
 声の出演をとのことで。
 脚本を読んで悲しい涙ではない、暖かい涙を堪えてぜひ声を録⾳しようと思いました。
 ⼤事な家族、⼤切な友⼈、会ったことのない憧れの⽅々、いなくなってしまった⼈たちとはもう会えないんだなと思ってました。
 でも、その⼈たちのことを思い浮かべれば会えたんだ、
 ⽬の前のモノを⾒つめればきっとそこに居ると思う、そんな気持ちになる素敵な映画です。
 昨⽇⽣きてしまったら今⽇が来て、今⽇を⽣きたら明⽇が来る。
 ⼤事な、⼤切な、憧れたみんなと⼀緒に。
 そして、とりつくなら⾳に。

⽥川恵美⼦(俳優)
 ⼤切な誰かを失った時、どうしたって悲しみや寂しさや、悔いが、残る。
 そんな気持ちで俯いていた私の背中に、両⼿をそっとあててくれる映画でした。
 今、⽬の前にある奇跡を、噛みしめて、抱きしめて⽣きていくことを、肯定された気がしました。
 また誰かを失ったり、愛する誰かを置いて⾃分が消えてしまう未来があるとしても、どんなとりつくしまがあるのか、を思い描いて⽣きていきます。
 そしてそんな時は「いしやきいも」も思い出すと思います。

俵 万智(歌⼈)
 本歌取りだ、と思った。
 元の歌の⼀部を受け継ぎながら、さらに展開を加える和歌の技法である。
 『とりつくしま』という原作の卓抜なアイデアを活⽤しつつ、映像には新しいリアルと味わいが息づいていた。
 死を扱いながらも、温かくユーモアのある世界。
 とりつく側の視点をこんなふうに描くのかという驚きとともに、残された側にも踏みこんでいるところが魅⼒だった。
 ⾒送ったばかりの⽗を思うとき、笑顔になれたことにも感謝している。
 たぶん私ではなく、⺟の何かにとりついていることだろう。

辻 凪⼦(俳優
 いつもの⽣活の愛おしい瞬きを映し出す東さんの空気が好きです。
 俳優は肩の荷を下ろして、その⼈らしい姿で存在する。
 今作は永遠なんてない世界で、⼤切な⼈と⼀緒に居させてくれた。
 お守りのような映画だなあ。

中島京⼦(⼩説家)
 東 直⼦さんの傑作⼩説を、娘のかほりさんが映画化し、⼩泉今⽇⼦さんが「とりつくしま係」を演じるという奇跡のような作品。死を扱った物語なのに、湿っぽさがなくて、諦観の横に温かさがあって、あれっ︖と思うような展開もあって。孫にプレゼントしたカメラの「レンズ」にとりついたおばあさんの数奇な運命がとくに好き。ああ、いいなあ、もっと観ていたいなあ、と思った。

根⽮涼⾹(俳優)
 この⽬で⾒えなくてもそこに在る、⽣と死とやさしさの距離。
 東さんの映画は、わたしたちの⽇常の輪郭の層をひとつ広げてくれる。
 こんな眼差しに溢れた世界なら独りぼっちなんてこと、決してないかもしれない。

眞鍋卓嗣(劇団俳優座 演出家/舞台作品「とりつくしま」演出)
 その絶妙な距離感。まるで、私たちが私たちを眺めているようだ。
 ふわりとした空気感でありながら、⼈⽣の⾟辣さや⼈間のおかしみが混在していて、なんとも⾔えない気持ちになった。
 そして、観てから数週間たっても⼼に住み着いて、⽇常のふとした瞬間に思い出している。ああ、そうだった。これが「とりつくしま」の魅⼒であった。
 親⼦の親和性によるものだろうか。東かほり監督が撮られたことの意味を感じる。
 そっと⼤切にしたくなる映画。本当にうれしい。

⼭内ケンジ(劇作家・映画監督)
 なんとまあ、優しい映画であることよ。
 いくつもの感⼼してしまうディテイルがあるのだが、その中でも最も優れているのは⼩泉今⽇⼦の起⽤であります。
 この役は彼⼥以外にはあり得ない。
 東かほり監督の慧眼、周到さに感服しました。

⼭崎ナオコーラ(作家)
 世界はこんなにも切なくて温かい。
 私たちが住んでいるのはこういう世界なのだから、明⽇も⽣きられる。
 死んでも⽣きられる、と思いました。
 そして、親が原作、⼦が監督という、夢のような映画があるもんなんだなあ、と驚きました。この映画が⽣まれて良かった。
 ここは素敵な世界です。

蓮舫
 舞台のような映画でした。
 モノになっても想いを残し続けたい、そんな声が聞こえる物語をありがとうございます。
 ⼩泉今⽇⼦さん、素敵です。

映画『とりつくしま』公開直前記念イベント概要

カモシタサラ・アコースティックミニLIVE/短編・MV上映/トークイベント
 ⽇程︓2024年9⽉2⽇(⽉) 18:30開場/19:00開演
 会場︓LOFT9 Shibuya
  https://www.loft-prj.co.jp/loft9/(外部サイト)
 料⾦:2,500円(映画『とりつくしま』全国特別鑑賞券付き)

<アコースティックミニLIVE>
 カモシタサラ(インナージャーニー)

<トークゲスト>
 東かほり監督、カモシタサラ、橋本 紡、櫛島想史、安宅陽⼦、宇乃うめの、佐藤有⾥⼦、澁⽊ 稜、Leiya、有希九美ほか

<上映作品>
 「⼟曜⽇ランドリー」(5分)
 「ほろほろほかほかワシワシ⾷べる」(21分)
 『とりつくしま』主題歌「陽だまりの夢」MV※本邦初公開

「⼟曜⽇ランドリー」

© ENBUゼミナール


 ⼟曜⽇の朝、コインランドリーの待ち時間にそわそわした表情で座っている百合⼦。そこへ気になっている男の⼦が現れる。ぐるぐると回る乾燥機の前で、淡い恋が動き始める。

 監督・脚本︓東かほり
 出演︓宇乃うめの、塗塀⼀海、桜井ルカ、相澤亮太

「ほろほろほかほかワシワシ⾷べる」

© ENBUゼミナール

 夏、⾵太は年の離れた従弟のために、かまどで⽶を炊いている。そこにバックパッカーのサリアが現れる。突然冷蔵庫が壊れてしまい、⾷材救出ライスパーティーがはじまる。

 監督・脚本 : 東かほり
 出演︓澁⽊ 稜、LEIYA、嶋⽥鉄太、有希九美

公開表記

 配給:ENBUゼミナール
 2024年9月6日(土) 新宿武蔵野館ほか全国順次公開

(オフィシャル素材提供)

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