伝説のセッション・ピアニスト、ニッキー・ホプキンズの軌跡を、時代とともに振り返る音楽ドキュメンタリー。1960年初頭、16歳のときにロンドンの名門・王立音楽アカデミーを自主退学し、サヴェージズのピアニストとしてキャリアをスタート。以降、30年にわたりロックンロール黄金期のミュージック・シーンに欠かせない存在に。50歳の若さで逝去するまで携わったアルバムは250以上、しかも今日に至るまで演奏される名曲の数々に圧倒される。
キース・リチャーズ、ミック・ジャガーをはじめ、多くのミュージシャンがニッキーの天才的な演奏、才能溢れる音楽センスを絶賛。ロックンロール、ブギウギ、ブルースとさまざまなスタイルを弾け、彼が手を加えると曲の幅が広がり、平凡な楽曲が特別なものになると証言する。本作では、ザ・ローリング・ストーンズ、ザ・ビートルズ、ザ・フーなど60~70年代のロック・シーンを牽引した伝説のバンドや、ジョン・レノン、エリック・クラプトン、ジェフ・ベックらがこぞってニッキーを指名してきた理由を改めて検証。ニッキーの才能を高く評価する音楽プロデューサー、ともに活動してきたミュージシャン仲間らが彼の才能豊かな音楽性を語るほか、1963年にクーロン病と診断され、生涯にわたる闘病生活を強いられた実態にも迫る。
ニッキー自身のインタビュー、コンサートや録音スタジオでの演奏風景、参加したバンドやミュージシャンとの写真やアーカイブ映像など、ロック史を辿る貴重な資料も多数収録。まさに、ロック史上においてニッキーは極めて重要なセッションマンの一人であり、彼が名曲に与えてきた影響の大きさを知ることになるだろう。
この度、ニッキー・ホプキンズの命日である9月6日(金)より池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開されるのを前に、予告編&場面写真20枚が到着。
予告編は、ローリング・ストーンズのミック・ジャガー、キース・リチャーズに加え、多数のレジェントのインタビューの中から、モーガン・フィッシャー(モット・ザ・フープル)、ピーター・フランプトン(歌手)、デイヴ・デイヴィス(キンクス)、ニルス・ロフグレン(Eストリート・バンド)のインタビュー風景も垣間見れるものとなっている。
また、マーティ・フリードマン(ギタリスト)、本作に出演もしていて、上映後トークイベントに登壇予定のモーガン・フィッシャー(キーボード奏者)によるコメントが届いた。
コメント
マーティ・フリードマン(ギタリスト)
『セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男』を観ると、音楽業界の伝説的アーティストの演奏場面をたっぷり覗けます。
トップ・アーティストやバンドの魔法は固定メンバーだけから生まれるものじゃない事実がよく分かる映画です。
セッション・プレイヤー、ニッキー・ホプキンズの名前は一般的に知られてないですが、皆さんが彼の演奏を聴いたことがあるのは間違いないです。
モーガン・フィッシャー(キーボード奏者)
今、ジョン・レノンの『イマジン』のオリジナルLPジャケットに、「ジェラス・ガイ(Jealous Guy)」で素晴らしいピアノを演奏したニッキー・ホプキンスがクレジットされていないことに気づきショックを受けています。彼のピアノこそ、この曲で最も大事な楽器なのに!!
でもインターネットが普及するずっと前、レコードについての詳細を調べるのが困難だった、60年代・70年代のセッションマンたちを取り巻く状況としてはこれが一般的だったのです。
そのため、多くの音楽ファン同様私も、多くの名曲レコードから聞こえる素晴らしいピアノの演奏が、ニッキー・ホプキンスによるものとは知らないまま楽しんでいることも多かったのです。
私自身が駆け出しのピアニストであったこともあり、ザ・フー、ローリング・ストーンズをはじめ多くのトップ・ロック・バンドのピアノ・パートに熱狂しました。
当時、ロックのスコアが入手できることは非常に稀で、ロックの音楽スクールもありませんでした。若いミュージシャンたちは、どのように演奏されているのか理解できるまで、レコードを何度も聞いて耳で学ぶしかありませんでした。この「耳コピ」はおそらく音楽を学ぶ最良の方法です。
当時、ワイルドで力強いものであれ、優しく心温まるものであれ、ニッキーの素晴らしいピアノは、偉大なる無名の師であったのです。彼のギャランティーはその才能に見合うものではありませんでした(70年代はじめ、演奏のギャランティーは7ポンドでした)。セッション・マンたちは、平凡な曲をメジャー・ヒットへと変貌させ、アーティストたちは裕福になった一方、この少ない報酬を受け入れていました。
ようやくニッキーがその貢献にふさわしい栄光と称賛を受け取る時が来ました。微力ながらこの良い映画に尽力できたことがとても嬉しいです。どうもありがとう。
現在までに決まっている上映館
青森県:青森松竹アムゼ(近日公開)
栃木県:小山シネマロブレ(9月6日〜)
栃木県:宇都宮ヒカリ座(9月20日〜)
東京都:池袋シネマ・ロサ(9月6日〜)
東京都:アップリンク吉祥寺(9月6日〜)
神奈川県:シネマジャック&ベティ(近日公開)
群馬県:シネマテークたかさき(近日公開)
富山県:ほとり座(近日公開)
静岡県:シネマイーラ(10月25日〜)
愛知県:ナゴヤキネマ・ノイ(近日公開)
大阪府:テアトル梅田(9月6日〜)
京都府:アップリンク京都(9月6日〜)
兵庫県:シネ・リーブル神戸(9月6日〜)
兵庫県:洲本オリオン(10月4日〜)
岡山県:シネマ・クレール(近日公開)
広島県:横川シネマ(近日公開)
沖縄県:桜坂劇場(近日公開)
沖縄県:ミュージックタウン音市場(近日公開)
公開表記
配給:NEGA
9月6日(金)より池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開