記者会見演劇

佐藤二朗12年ぶりの書き下ろし『そのいのち』製作発表会見

 登壇者:宮沢りえ×佐藤二朗

 2024年11月9日(土)より世田谷パブリックシアターにて『そのいのち』が上演される。東京を皮切りに兵庫・宮城と巡演する。公演に先駆け、8月29日(木)ホテルニューオータニにて製作発表会見が実施された。

 佐藤二朗がミュージシャンの中村佳穂の楽曲「そのいのち」(2018)にインスパイアされ執筆した今作。介護ヘルパーとして働く山田里見と、彼女の雇い主で障がいを持った相馬 花とその夫・和清の穏やかな日々、そして、あることをきっかけにその穏やかな関係が徐々に狂い始めていく。「持つ者」と「持たざる者」の間にある埋めようのない「溝」を描く。

 相馬 花役(Wキャスト)には佳山 明と上甲にか。また、その他出演者に鈴木 福の弟で、ドラマやバラエティなど益々活躍の場を広げる鈴木 楽や今藤洋子、本間 剛と佐藤二朗が信頼を置く実力派が揃った。

 今回の製作発表会見では、佐藤二朗12年ぶりの書き下ろし新作戯曲となる本作の見どころや、舞台初共演となる宮沢りえと佐藤二朗の本作に懸ける意気込みを語った。

コメント

宮沢りえ
 脚本をいただいて、最初はわくわくして読み始めましたが、あるシーンで鳥肌が立つほど心を動かされました。その瞬間にこの作品に参加したいという気持ちが湧き上がりました。難しいテーマではありますが、二朗さんが書いたメッセージを伝えたいという情熱と信頼さえあれば問題ないと思っています。佐藤二朗さんは、人間としてのユーモアと情熱にあふれた人です。
 今回は身体の不自由なお二人が出演されますが、彼女たちが自由な気持ちで、肉体的にも負荷のないよう、一緒に良いお芝居を作っていけたらと思います。「健常者」と「障がい者」とはなんなのか、今疑問が湧いていて。健常者として、身体が自由でも心が不自由なこともあるかもしれない。お二人と作品をつくることで少しでもその疑問が明確になって、たくさんの気付きもあると思います。
 観に来ていただいた方には、私が衝撃を受けたシーンを劇場で味わっていただきたいです。自分にとって愛する人、愛した人のことを考えると、心に問いかけるテーマになっています。誠実に取り組んで、観に来てくださった方に忘れられない時間だと思っていただけるようがんばります!

佐藤二朗
 鍼がなぜ腰痛や肩凝りに効くかというと、あえて付けた傷を補おうとして血の流れが良くなるからなんです。それが「生きる」ことなんじゃないかと思います。負を力に変えることこそが、生きること。それを祈るように信じています。(脚本を書く時)パブリック・イメージと真逆のものを書くのはなぜ?とよく聞かれるけれど(笑)、僕にとっての生きることを、心血を注いで書きたいと思うんです。
 障がいがあるお二人にオファーしたのも、負が力に変わることをこの目で見たかったから。ハンディキャップを持つ方が舞台に立つハードルの高さは承知の上で、乗り超える価値のある山だと考えています。座組一丸となってこの山に立ち向かいたいです。
 りえちゃんに思い切って脚本を渡してみたら、「楽しみです」と言ってくれて、これはあるかもしれない!と思って。酔っ払って長文のメールも送りました(笑)。最後に「そそられます」と、同業者としてとても嬉しいことを言ってくれたので、この俳優は信用できるなと思いました。宮沢りえという大きな存在と一緒にやれるのが楽しみです。

「そのいのち」作品概要

イントロダクション

 本作の脚本を務めるのは、個性的な存在感でドラマ・映画・バラエティと大車輪の活躍をみせる佐藤二朗。
 ミュージシャンの中村佳穂さんの楽曲「そのいのち」(18年)にインスパイアされ執筆した作品だ。
 俳優としてもさることながら、演劇ユニット「ちからわざ」の主宰を務め、全公演で作・出演を担当。
 佐藤が原作・脚本・監督を務めた映画『はるヲうるひと』では第2回江陵国際映画祭 最優秀脚本賞を受賞しました。今作は2012年に上演された『ハラナイ荘の人々』以来、12年振りとなる書き下ろし新作戯曲。
 介護ヘルパーとして働く山田里見と、彼女の雇い主で障がいを持った相馬花とその夫・和清の穏やかな日々。
 そして、あることをきっかけにその穏やかな関係が徐々に狂い始めていく。「持つ者」と「持たざる者」の間にある埋めようのない「溝」を描く。
 介護ヘルパーとして働く山田里見役には、TVドラマ、CM、映画、舞台と多方面で活躍し、5度にわたる日本アカデミー賞主演女優賞や読売演劇大賞大賞・最優秀主演女優賞など、数多くの映画、演劇の受賞歴を持つ宮沢りえ。
 そして里見の雇い主である相馬 花の夫、和清役を脚本も務める佐藤二朗が演じる。相馬花役(Wキャスト)には第30回日本映画批評家大賞 新人女優賞、第75 毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞を授賞し、2020年公開の映画『37セカンズ』にて主演を務めた佳山 明とドラマ『真ん中のふたり』(NHK/24年)にて主演を務め、5月に放送された『%(パーセント)』(NHK)に出演し注目を集める上甲にか。
 また、その他出演者に鈴木 福の弟で、ドラマやバラエティなど益々活躍の場を広げる鈴木 楽や今藤洋子、本間 剛と、佐藤二朗が信頼を置く実力派が揃った。宮沢と佐藤は2018年公開の映画『ルイスと不思議の時計』で声優として共演して以来、今作で初めて本格的にタッグを組む。

あらすじ

 マンションのキッチンで煙草を吹かす至って平凡な女性、山田里見(56)。彼女は介護ヘルパーである。新たな雇い主である相馬 花(24)は障がいを持っている。花は動物ライターの夫・和清(45)とペットのウサギ「スケキヨ」と一緒に暮らしていた。
 要介助の妻と歳の差夫の関係はどこか奇妙ながらも幸せそうに見えた。
 ある日、花の母・瑠依(44)とその再婚相手の悟(42)、息子の圭祐(10)が訪ねてくる。上辺は取り繕っていても実の親からも、世間からも見放されている花にシンパシーを感じていく里見。優しい時間の中で、花も徐々に里見や和清に自分の気持ちを吐露していく。しかしある出来事をきっかけに、穏やかだった3人の関係が徐々に狂い始めていく。そしてその先にあった驚愕の秘密……。浮かび上がる「持つ者」と「持たざる者」の間にある埋めようのない「溝」。それを前にした時に、3人が選んだ衝撃の結末とは――。

公演情報

 出演:宮沢りえ、佳山 明/上甲にか(Wキャスト)、鈴木 楽/工藤凌士(Wキャスト)、福田学人/徐斌(Wキャスト)、今藤洋子、本間剛、佐藤二朗
 脚本:佐藤二朗
 演出:堤 泰之

 東京公演:2024年11月9日(土)~17日(日) 世田谷パブリックシアター
 一般発売日:2024年9月1日(日)

 [入場料金(全席指定・税込)] S席 12,000円 A席 9,900円(全席指定・税込)
  ※11月9日(土)のみ「プレビュー公演」として下記料金で販売いたします。
   S席 10,000円 A席 9,000円(全席指定・税込)

 兵庫公演:2024年11月22日(金)~24日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
 宮城公演:2024年11月28日(木) 東京エレクトロンホール宮城

 公式HP:https://www.ktv.jp/event/sonoinochi/(外部サイト)

(オフィシャル素材提供)

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