イベント・舞台挨拶

『ナミビアの砂漠』公開記念舞台挨拶

Ⓒ2024『ナミビアの砂漠』製作委員会

 登壇者:河合優実、金子大地、寛一郎、山中瑶子監督

 第77回カンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞した映画『ナミビアの砂漠』がついに公開! 初日翌日となる9月7日(土)には都内映画館で公開記念舞台挨拶が実施され、主演の河合優実、共演の金子大地、寛一郎、そして山中瑶子監督が登壇した。

 東京で生きる21歳のカナを演じた河合は「山中監督の元、自由に作った映画が時間を掛けていろいろな人の手に渡っていくことを実感していくような期間でした」と公開までの道のりを振り返り「公開初日を迎えてこれから皆さんの感想を受け取るのが楽しみです。映画はここから旅立つので、祈りながら見守っていきたいです」と大ヒットを祈願した。

 一方、山中監督は「カナという限定された個人を通して、今の日本で生きる空気感や普遍的なことを描くことも考えていたけれど、自由に撮らせていただきました。皆さんと共闘して、いい映画になったと思います」と胸を張った。

 カナを演じる上で河合は「カナはエキセントリックだしその面白さを楽しむ映画ではあるけれど、同時に自分の話だと思ってもらいたかった。東京ですれ違っているし、見たこともあるしという女の子像と映画で見て面白い生き物という点を意識。カナは暴れるし、ウソをつくし、気分屋でキャラクターとしての魅力を両方入れ込みたかった。カナは自分と同年代だし、その気分やエネルギーは学校や街中でこれまで私が感じてきたものを集めていきました」とこだわりを明かした。

 自信家で刺激的なクリエイターでカナの恋人・ハヤシを演じた金子は「演じる中で自分の本質が見えると思ったので、純粋に演じました。カナとの芝居の中で自分がどんな気持ちになるのか。そして皆さんがハヤシをどう思ったのか気になります」と反応に興味津々。

 優しいけど退屈なカナの同棲相手・ホンダを演じた寛一郎は「ホンダはスタッフさんの実際の体験談を元に作りました。カナの前でどんなふうに崩れ落ちるのか、具体的に教えてくれました。僕としては“そんな崩れ落ち方する!?”と思いましたが」と苦笑い。

 お気に入りシーンに触れて山中監督は「冒頭のカフェでの縮毛矯正の手のジェスチャーは演出ではなくて、河合さんが自然にやってくれた。すごいなと思った」と絶妙なアドリブに感激。また金子演じるハヤシが、カナとの口喧嘩中にカップラーメンを移動させる仕草が話題に上がると、金子は「河合さんの目が怖くて……。僕としてはカップラーメンにしか意識がいっていなかった」と振り返り、河合は「もちろんカップラーメンをハヤシにかけようとは思っていなかったけれど、かけてしまった日もあっただろうと。喧嘩の歴史が想像できるハヤシの仕草が好きです」と気に入っていた。

 劇中には、カナがスマホでナミビアの砂漠の動画をボーッと見るシーンがある。それにちなんで「一人の時間を潰す方法」をそれぞれ発表。金子はTikTokと言い、「永遠に見る。あれは滅茶苦茶面白い。シベリアン・ハスキーの子犬の動画で、大きい犬と赤ちゃんの組み合わせの動画を真顔で見ています」と癒されている様子。寛一郎はシャワーと言い、「30分くらい浴びちゃいます。温いお湯がちょうどいい」とニヤリ。山中監督は「ボーッとするのが苦手で、ボーッとするためにスマホ・ゲームをやります。スマホ・ゲームをやらないとボーッとできないってヤバいかも」と苦笑い。河合は美容師の動画だと言い、「私と同い年くらいの若い方がカナダで美容師をやっている。その方のブラック・カルチャーのヘアー・スタイルを作る技術がすごすぎて見ていて気持ちが良い」と明かすと、金子からは「だいぶマニアックな動画だね」とツッコまれ、河合は「どんなアルゴリズムで私におススメ動画として流れてきたのか……」と不思議がっていた。

 アメリカ、カナダ、フランス、台湾、韓国での公開も決定。山中監督は「カンヌや上海のお客さんの感想を見ると、国によって注目ポイントが違う。違うけれど国によってまとまりはあるので、脱毛サロンのSF感に興味を持ってもらえたら嬉しい」とジョーク交じりに期待。河合も「日本公開と共にたくさんの国への公開が決まる経験はこれまでないので嬉しい。山中さんの映画を世界の人に知ってもらいたい気持ちがあるので、どんなふうに見てもらえるのかワクワクしています」と世界への広がりに胸を高鳴らせていた。

 最後に主演の河合は「カナのことを自分事として見てもらってもいいし、他人事として見てもらってもいいし、カナの個人的な物語として楽しんでもらってもいい。皆さんが作品から受け取ったエネルギーが反射して『ナミビアの砂漠』が吸収して映画自体が素敵なモンスターになっていったら嬉しいです」と呼び掛けた。

 東京というカオスな街で暮らす自身の実感を物語に反映したという山中監督も「私が生まれてからずっと日本は不景気だと思うし、最近は不穏さが顕著になっていると思います。そんな中で大変な人はいっぱいいると思うけれど、この映画を観てちょっとでも爽やかな気持ちになってもらえたらという思いで作りました。気に入っていただけたら周りの人に勧めてください」と語り掛けていた。

公開表記

 製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
 2024年9月6日(金) TOHOシネマズ 日比谷 全国ロードショー

(オフィシャル素材提供)

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