イベント・舞台挨拶

『シサㇺ』公開初日舞台挨拶

©映画「シサム」製作委員会

 登壇者:寛一郎、和田正人、平野貴大、サヘル・ローズ、緒形直人、中尾浩之監督

 今の時代に観るべき、壮大な歴史スペクタクル映画『シサㇺ』がついに公開! 9月13日には都内映画館で公開初日舞台挨拶が実施され、主演の寛一郎、共演の和田正人、平野貴大、サヘル・ローズ、緒形直人、そして中尾浩之監督が参加した。

 満員御礼の客席を前に、主人公の孝二郎を演じた寛一郎は「ちょうど1年前の夏に北海道の白糠町(しらぬかちょう)でまるまる1ヵ月間撮影をしました。撮影以外にも今日まですごくたくさんの方々が携わり協力をしていただき、今日を迎えることができました。初日を迎えられて本当に嬉しく思います」と感慨無量。

 緒形はそんな寛一郎について「彼は芝居に真摯に向き合っていて、目線は良いし、持っている華がある。特別なものを持っていると感じる」と太鼓判を押していた。
 北海道の白糠町での壮大なロケーションで2023年に撮影。北海道とは縁の深い緒形だが「僕は撮影日が短かったので『もう少しいたい』と言ったら『ダメ』と……」と残念がりながらも「でも撮影現場は緊張感と勢いがあって最高でした」と笑顔だった。

 一方、役柄上眼帯をして撮影中は片目状態だったという和田は「ロケ地が山なので、片目が塞がっている状態で道なき道をかきわけての撮影で、遠近感も取れないし、皆さんが移動するスピードにもついていけない。精神的にも肉体的にも追い込まれた状態。過酷な大自然でのロケはハードでした」と回想。しかもヒグマ出没の危険性もあったそうで「ここで出てきたら真っ先にやられるのは僕! ヒグマってウサイン・ボルトくらいの速さがあるそうなので」と恐怖を振り返っていた。

 アイヌの村のリーダー・アㇰノ役を務めた平野は「白糠町のアイヌ協会の方々にもご協力をいただき、アイヌ伝統の療法や所作を教わったり、お酒を一緒に飲んだり、すごく仲良くさせていただきました」と現地の協力に感謝。

 一方、サヘルは本作が公開される意義について「ここで描かれるアイヌと和人の物語は、歴史上の物語ではなく、世界で今起きている出来事と重なる。これは壮大な歴史の物語ではなく現在進行形の意味深い作品。今の時代だからこそ観るべき、問われるべき作品です。それが日本映画として生まれたことを誇りに思います」と語っていた。

 中尾監督は「この映画を作る上で大切にしたのは謙虚さ。観客に答えを提示するのではなく、観終わった皆さんに感じていただき、自分なりの答えを見つけてもらえたら嬉しい。映画館でエモーショナルな映画体験を感じて欲しいです」とアピールした。

 終盤には、ロケ地の北海道・白糠町より棚野孝夫町長が来場。主演の寛一郎に花束を贈呈して「我々にとって待ちに待った今日の良き日。お祝いを申し上げたい」と念願の全国公開を祝福した。

 花束を受け取った寛一郎は最後に「白糠町の皆さんの協力なくして、この映画は完成できなかったと思います。アイヌの物語ではありますが、これは過去の問題を描いているのではなく、今に通ずる物語を描いていると思います。その問題を僕らは考え、模索し、未来に提示する義務があると思います。この映画が今日からたくさんの方々に観てもらえるよう、広がって行けば嬉しいです」と大ヒットを祈願し、公開初日を祝う温かい観客からの拍手に包まれ舞台挨拶は終了した。

公開表記

 配給:NAKACHIKA PICTURES
 9/13(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

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