作品紹介

『シンペイ〜歌こそすべて』

©「シンペイ」製作委員会2024

イントロダクション

 音楽を愛する全ての世代に贈る、新たな音楽映画が誕生した! 映画史に残る黒澤 明監督の傑作『生きる』(1952)で主演・志村喬が歌った『ゴンドラの唄』、「カチューシャかわいや わかれのつらさ」という歌詞が爆発的な流行語となった『カチューシャの唄』、日本映画初のタイアップ主題歌『東京行進曲』、盆踊りの定番曲で、東京ヤクルトスワローズやJ1・FC東京の応援ソングとしても知られる『東京音頭』、子どもからシニアまで口ずさみ、フランスの幼稚園でも歌われる『シャボン玉』や『てるてる坊主』……。明治に生まれ、大正・昭和を生き、今も歌い継がれ、童謡、歌謡曲、音頭、民謡まで幅広いジャンルの約2000曲を残した作曲家・中山晋平(1887~1952)。その生涯を、彼の音楽ととともに綴っていく。
 晋平役は映画初出演にして初主演となる歌舞伎俳優・中村橋之助。28歳の橋之助が、新たなジャンルに挑戦し、18歳から亡くなる65歳までを見事に演じきった。
 子どもは産めないが、晋平が自分の音楽の理解者と知り結婚を決める敏子役で志田未来、『東京行進曲』や『東京音頭』の作詞家・西條八十役で渡辺 大、劇団芸術座の俳優・沢田正二郎役で染谷俊之、『シャボン玉』などの作詞者で童謡界の三大詩人と言われた野口雨情役で三浦貴大が出演。
 鹿児島随一の売れっ子芸者歌手でありながら、晋平との結婚を機に芸の世界から足を洗い、晋平に尽くす喜代治役で中越典子、西洋の役と聞き美容整形までする、島村抱月の愛人でもある“情熱の歌う女優”松井須磨子役で吉本実憂、夫の抱月と須磨子の関係を疑う抱月の妻・島村市子役で高橋由美子、ピアノの習得が卒業レベルではない晋平の才能を見出す幸田先生役で酒井美紀、『東京行進曲』の歌い手で、晋平、雨情と“全国 歌の旅”に出る歌手の佐藤千代子役で歌手としても活躍する真由子、夫が亡くなり、4人の子を手放すよう言われるも、身を粉にして女で一つで育て上げた晋平の母・ぞう役で土屋貴子が出演し、多様な女性の生き様を体現する。
 ほかにも、晋平に音楽の基礎を教える音楽の権威・東儀鉄笛役で辰巳琢郎、晋平と八十に日本の映画主題歌第1号となる『東京行進曲』を発注するビクター宣伝部長・岡庄五役で尾美としのり、早稲田大学に辞表を提出する抱月を引き止めようとする坪内逍遥役で川﨑麻世、晋平の母・ぞうに中山から出戻るよう言う山田本家当主役で林 与一、そして青年期の晋平の芸術の師である劇作家・島村抱月役でベテラン、緒形直人が脇を固めた。
 ナレーションは、岸本加世子が担当する。
 音楽を担当したのは、北野 武監督の『その男、凶暴につき』(89)などの映像作品を始め、幅広いジャンルで活躍する久米大作。晋平の気持ちに寄り添い、ドラマチックに盛り上げる。心躍るオープニング『東京音頭』、『ゴンドラの唄』誕生の瞬間を表現したピアノと笛による楽曲は聴きどころの一つだ。中山の全12曲はすべて新録音。真由子、吉本が自ら歌っていることも注目だ。エンディング・テーマ『ゴンドラの唄』は、NHK紅白歌合戦の出場経験のある歌手で82歳の俳優の上條恒彦が11年ぶりにレコーディングを行った。
 企画・プロデュースの新田博邦は音楽、映画作品を数多く手掛け、近年では鈴木紗理奈主演の『キセキの葉書』(17)、ベストセラー絵本を映画化した『ばあばは、だいじょうぶ』(19)、高橋長英、柳澤愼一主演の『兄消える』(18)を送り出している。「『ボヘミアン・ラプソディ』『グリーンブック』など音楽伝記映画は世界的なブームになっているが、独自の音楽を残した中山晋平の人生を世界に通じる音楽映画にしたかった」と語る。
 メガホンを取ったのは、年間邦画配給収入1位を記録した『ハチ公物語』(87)、『遠き落日』(92)、『ひめゆりの塔』(95)などで知られる巨匠・神山征二郎。監督人生50年を超える名匠は晋平の出身地、長野で暮らしており、晋平の楽曲と人生に魅せられ、「この映画を集大成にしたい」との覚悟で臨んだ。脚本は『クライマーズ・ハイ』『孤高のメス』『凪待ち』『碁盤斬り』の加藤正人が手掛けた。
 2023年9月から2024年4月まで、中山晋平ゆかりの長野県内(上田市、長野市、須坂市、松本市、中野市、佐久市など)を中心に、岐阜、静岡、東京でロケをし、明治、大正、昭和の東京、長野を再現。四季折々の自然、雄大な山々も切り取っている。

ストーリー

 信州から上京した中山晋平(中村橋之助)は、無事、東京音楽学校(現:東京藝術大学音楽学部)に入学するが、ピアノの習得が卒業レベルではないため、落第・留年の危機に陥る。しかし、幸田先生(酒井美紀)に演奏以外の才能を見出され、1912年(明治45年)、どうにか卒業する。
 演出家・島村抱月(緒形直人)の「芸術は大衆の支持を離れてはならない」という教えの元、1914年(大正3年)、抱月の「日本の新しい歌を」、そして西洋の役と聞き美容整形までした歌う女優・松井須磨子(吉本実憂)からの「難しい歌はダメ」というリクエストに応え、『カチューシャの歌』を作曲。西洋の音律「ララ」を足すことを提案し、大ヒットする。その後も、「母ちゃんが歌える歌をいっぱい作って」という母・ぞう(土屋貴子)との約束を守り、母の死の直後にも悲しみの中、『ゴンドラの唄』を作曲。1921年(大正10年)には、作詞家・野口雨情(三浦貴大)の『枯れ芒』を改題して世に出した『船頭小唄』が大流行。翌1922年(大正11年)、児童文芸雑誌「赤い鳥」の童謡運動に賛同した雨情が『シャボン玉』を作詞。雨情の最初の子供は7日で亡くなったという裏話を知った晋平は、雨情の想いを汲んで作曲する。子どもたちが歌うのを聴き、涙する雨情。晋平自身は、子供は産めないが、自分の音楽の理解者である敏子(志田未来)と結婚し、二人の養子を迎え、幸せに暮らしていた。
 1929年(昭和4年)、作詞家・西條八十(渡辺 大)と組み、映画の主題歌『東京行進曲』を制作。大ヒットしたが、新聞に「日本の新民謡はイタリアのそれと比べてあまりに下劣」と評が載り、また、長年組んできた歌手・佐藤千夜子(真由子)は、「本場のオペラを学びたい」と晋平の元を去る。新進気鋭の作曲家・古賀政男が新しい風を吹かし、自信を失くした晋平だったが、そんな折、信州出張時に16歳の時に代用教員をした小学校に寄ると、子どもたちが自分の作曲した「てるてる坊主」を歌ってくれる。また、鹿児島出張では、鹿児島随一の売れっ子芸者歌手の喜代治(中越典子)と出会い……。

 (2024年、日本、上映時間:127分)

キャスト&スタッフ

 出演:中村橋之助
    志田未来/渡辺 大、染谷俊之、三浦貴大
    中越典子、吉本実憂、高橋由美子/酒井美紀、真由子、土屋貴子
    辰巳琢郎、尾美としのり、川﨑麻世/林 与一/緒形直人
 ナレーション:岸本加世子
 監督:神山征二郎
 企画・プロデュース:新田博邦
 脚本:加藤正人、神山征二郎
 音楽:久米大作
 撮影・編集:小美野昌史
 エンディングテーマ:『ゴンドラの唄』上條恒彦

 後援:長野県 特別後援:公益社団法人 日本作曲家協会
 協力:中野市、上田市、須坂市、松本市、長野市
 製作:「シンペイ」製作委員会

オフィシャル・サイト(外部サイト)

映画『シンペイ 歌こそすべて』公式サイト
誰もが知っているメロディを作った中山晋平の知られざる生涯を描く音楽映画。日本の歌謡曲は彼から始まった。映画『シンペイ 歌こそすべて』公式サイト

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公開表記

 配給:シネメディア
 2024年11月22日(金)より長野県先行ロードショー
 2025年1月10日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて公開

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