ハリウッド製作ドラマ「SHOGUN 将軍」でエミー賞助演男優賞にノミネートされ、いま全世界が注目する国際派俳優・浅野忠信最新主演作、仏日西白合作映画『レイブンズ』(2025年3月よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館、ユーロスペースほか全国公開)の特写が解禁された。本作は、伝説の写真家深瀬昌久と妻洋子の波乱万丈の50年愛を、実話とフィクションを織り交ぜて大胆に描いたダークでシュールなラブ・ストーリー。
イギリス人のマーク・ギル監督は元フォトグラファー、深瀬昌久の名作「屠」シリーズ(*)にインスパイアされ、浅野忠信、瀧内公美を特写した。あわせて本編の屠殺場撮影シーンのスチール、そして、深瀬昌久作品の中でも幻のシリーズ「屠」、コメント(監督、浅野忠信、瀧内公美)が解禁された。
*「屠」シリーズとは?
日曜日の屠殺場で、唇を白く塗り、黒いマントを着せられた洋子を被写体にして撮ったモノクロームの写真群。
今でこそ、「豚を殺せ」が深瀬にとって実質的なデビュー作であったと同時に、その後の彼の写真表現を貫く視座が確かめられる重要な作品であったと評価できるが、屠畜という題材を正面から扱ったことで長らくタブー視され、深瀬自身も多くを語らないまま、1961年の個展発表を除いて大半の写真群が公開される機会に恵まれなかったことから、幻の作品とも言えるだろう。―― トモ コスガ(深瀬昌久アーカイブス 共同創設者兼ディレクター)
浅野が演じたのは、伝説の天才写真家深瀬昌久。カラスを執拗に撮り続けた代表作《鴉》(英:《Ravens》)は世界の写真史にその名を刻み、世界的にも高い評価を受け続けている。
深瀬は、天賦の才の一方で、心を閉ざし、闇を抱えていた。それは異形の<鴉の化身>として現れ、芸術家への道を容赦なく説く。深瀬の最愛の妻であり最強の被写体であった洋子の存在を犠牲にしても。それぞれの芸術と愛を追い求める深瀬と洋子の50年にわたる複雑かつ普遍的なダーク・ファンタジー・ラブ・ストーリー。
洋子役は、本作で海外合作映画初挑戦の瀧内公美。『由宇子の天秤』、大河ドラマ「光る君へ」などの最旬実力派俳優。写真家である深瀬の被写体にとどまらず、夫を闇落ちから守る、パワフルな存在感。
監督、脚本は『イングランド・イズ・マイン モリッシー、はじまりの物語』のマーク・ギル。1950年代の北海道、70年代のNY、2010年代東京まで、稀代のアーティスト、深瀬昌久の78年にわたる波乱万丈の人生を、実話とフィクションを織り交ぜて大胆に描いた。同時に、深瀬の暗部はダークでシュールな愛の迷宮へと姿を変え、独特なギル監督美学が炸裂する。
また深瀬昌久の希少な写真作品も多数映し出され、2023年の東京にて開催された回顧展で若者を魅了した衝撃的な破壊力を見せつける。 『レイブンズ』は、Vestapol、Ark Entertainment、Minded Factory、The Y House FilmsがTownhouse Media Filmworksと共同で製作した。
【浅野忠信が演じた伝説的写真家の光と闇】
浅野忠信が演じたのは写真家深瀬昌久。国際派俳優であり、画家、DJでもある多彩なアーティスト浅野忠信が、深瀬のミステリアスな実像に迫る。深瀬は、1974年に森山大道らとニューヨークMoMA“New Japanese Photography”展で作品を発表し絶賛を浴び、妻洋子やカラスを被写体にした作品で一躍時代の寵児となるも、たびたび酒に溺れ、1992年転落事故で脳障害を負い20年の闘病の末、2012年亡くなった伝説の鬼才。近年、欧米を中心に再評価が進み、2023年東京都写真美術館で大回顧展が開催され、“セルフィーの先駆者”でもあるその世界観は若い世代の熱狂も生んだ。本編では35㎜フィルム作品が多数、アルバムをめくるよう綴られる、その説得力は凄まじく見るものの心を鷲掴みにする。
【“被写体”以上の存在感 瀧内公美、イギリス監督作品初挑戦】
洋子役は、本作で海外合作映画初挑戦の瀧内公美。『由宇子の天秤』、大河ドラマ「光る君へ」などの最旬実力派俳優。被写体にとどまらず、時代の先端をいく女性として独自の道を切り開く姿は痛快。
無口な深瀬と負けず嫌いな洋子。ひりひりするような生活、狂気とユーモアに彩られた50年にわたる波瀾万丈のラブ・ストーリーがドライなタッチで描かれる
【日本の漫画&アニメ 大好きギル監督】
監督・脚本は写真家、ミュージシャン、グラフィック・デザイナーとしてのキャリアを持つイギリス人監督マーク・ギル。2015年深瀬昌久の作品に衝撃を受け、9年かけて映画化にこぎつけた。
『デスノート』をはじめ、映画、漫画、小説など日本のカルチャーをこよなく愛するギル監督。そのビビッドな世界感が作り出した本作は、時空を超えた新たなミックスカルチャームービーの誕生といえるかもしれない。
コメント
マーク・ギル(監督、脚本、プロデューサー)
浅野は深瀬を完璧に作り上げています。役に対するコミットメントや彼の知性と誠実さは恐るべきものですし彼は最高の相棒です。彼は私の脚本を想像もしていなかった高みに引き上げてくれたし深瀬に繊細さをもたらしてくれました。本当に深みのある深瀬になりました。彼の仕事ぶりを愛しています。浅野は人間としても素晴らしい人です。
2022年のロケハン時に公美と会って彼女のひととなりが分かりました。それはとても有意義でした。彼女は女優の仕事にひたむきであり、とても頭のよい女性です。公美の演技が大好きです。彼女はスクリーンに光を与えてくれます。
まず日本の観客のことを思ってこの映画を作ったつもりです。そして、それが世界中の観客にもアピールできるものであれば幸せだと。
浅野忠信(深瀬昌久役)
素直に深瀬昌久さんを演じようと思いました。台本に描かれていることがとても魅力的だったので、それを感じたままに演じることを心がけました。恵比寿でちょうど深瀬さんの写真展がやっていたので見に行きました。どうして日本ではあまり有名じゃないのかが不思議なくらい素晴らしい写真ばかりでしたし、探究心なのか?直感でそこにあるものの魅力を見つけるのが上手いのか?なぜなのか分からないですが、そこにある圧倒的な魅力を写真に収められるのが凄いなと思いました。1人の時間を過ごすのが上手そうな方だなと思いました。
瀧内公美(深瀬洋子役)
洋子さんはクレイジーな面があると聞いていましたが、私は脚本を読む限りそういうふうには思いませんでした。ハイ・テンションな部分があったとしても奇抜なことをしない、そういうことを最初は大事にしていました。
浅野さんとお芝居している時に、脚本に監督の狙いが書いてあったとしても、浅野さんはそれを敢えて外し、アプローチを変えていると感じたことがあり、ああ、私はそれに生々しく反応していけばいいんだと思いました。自分で洋子像を作っていましたが、それを削ぎ落としていく作業に変わっていき、目の前で生きる深瀬とどう対峙するのかを常に大事にしました。今日はどんな深瀬さんと出会えるのか、わたしの毎日の楽しみでした。
深瀬昌久とは?
1934年、北海道中川郡美深町生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。日本デザインセンターや河出書房新社などの勤務を経て、1968年に写真家として独立。1974年、アメリカ・MoMAで開催された歴史的な日本写真の展覧会「New Japanese Photography」への出展を皮切りに、これまで世界各国の展覧会に出展多数。1992年、転落事故で脳障害を負い、20年間の闘病の末、2012年没。享年78。
代表作『鴉』は日本写真の金字塔として世界的に高い評価を得ている。2014年に創設された深瀬昌久アーカイブスの働きにより、2024年現在までに世界6都市で8度の回顧展が開催され、11冊の写真集が世に送り出された。2018年、蘭・Foamにて美術館初となる回顧展「Private Scenes」を開催。その開催に合わせて、深瀬が40年間にわたって制作した作品群を編纂した作品集『Masahisa Fukase』(赤々舎より日本語版、Editions Xavier Barralより英語版及び仏語版)が刊行された。
https://masahisafukase.com/(外部サイト)
深瀬昌久 傑作写真作品「鴉」(英:「Ravens」)
キャスト&スタッフ
監督/脚本:マーク・ギル
製作:VESTAPOL/ARK ENTERTAINMENT/ MINDED FACTORY/THE Y HOUSE FIILMS
製作協力:TOWNHOUSE MEDIA FILMWORKS
撮影:フェルナンド・ルイス
音楽:テオフィル・ムッソーニ
出演:浅野忠信、瀧内久美
(原題:RAVENS、2024年、フランス・日本・ベルギー・スペイン、上映時間:116分)
オフィシャル・サイト(外部サイト)
Instagram:ravens__movie_jp
X:@RAVENS_movie_JP
公開表記
配給:アークエンタテインメント
2025年3月よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館、ユーロスペースほか全国ロードショー
(オフィシャル素材提供)