「なら国際映画祭」は奈良の平城遷都1300年目となる2010年に、映画作家の河瀨直美をエグゼクティブディレクターに迎えて始まり、2年に1回開催される映画祭。インターナショナルコンペティションをはじめ、NARA-wave学生映画コンペティションを軸に、「ユース映画制作ワークショップ」作品、また、なら国際映画祭オフィシャル・パートナーであるベルリン国際映画祭ジェネレーション部門推薦作品、ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2024受賞作品セレクションなど、魅力的な映画が集結し、実施する。
第8回目の開催となる「なら国際映画祭2024」は、9月20日(金)から9月23日(月・祝)までの4日間開催する。
今回で第8回目となるインターナショナルコンペティションでは、世界各国から選ばれた珠玉の6作品が上映される。世界中の若手作家から募った数々の作品群の中から、厳正な審査をくぐり抜けた名作ばかり。上映後には、監督本人が登壇する舞台挨拶も実施予定。 優れた作品には、審査員が選出する最高賞「ゴールデンSHIKA賞」や、観客が選ぶ「観客賞」などの栄誉が贈られ、クロージングセレモニーで発表。さらに、受賞者は次回の「NARAtive」の企画案を出す権利が与えられる。
また、学生が手掛けた映画・映像作品を対象にしたコンペティション「NARA-wave(ナラウェイブ)」。今回は世界中の学生たちから数多くの応募があり、10作品が上映されることになった。参加作品が「カンヌ国際映画祭」の学生部門にも参加するなど、「NARA-wave」にノミネートされる作品は、海外の映画祭からも評価されている。最高賞は「ゴールデンKOJIKA賞」。インターナショナルコンペティション同様に、受賞者は「NARAtive」の企画案を出す権利が与えられ、採用されれば次回「NARAtive」の映画監督に選ばれることになる。
この度、インターナショナルコンペティション、及びNARA-wave、それぞれの審査員が決定した。
インターナショナルコンペティション部門の審査員長は、日本が世界に誇る現代美術家・奈良美智氏が務める。日本のみならず、世界中のファンから愛され続ける奈良氏は「審査という大役を引き受けることになり、ひとりの映画好きとしては光栄を通り越して不安のほうが多いというのが正直な気持ち」と審査員長として本映画祭に参加することへの思いを語った。奈良と同じくインターナショナルコンペティションの審査員に、日本を代表する俳優・寺島しのぶ氏が参加。初めて参加する映画祭に対し「奈良の空気を存分に楽しみながら世界から選りすぐりの作品を観させていただきます」と語り、映画祭開幕を楽しみにしている模様。同じくインターナショナルコンペティションの審査員として、イタリアで活躍する監督・エディターのマテオ・ファチェンダ氏が決定。「素晴らしい日本文化を知る機会でもあり、新鋭監督たちの映画を通した対話を心待ちにしています」と意気込みを語った。
NARA-wave学生映画コンペティションの審査員には、俳優、そしてタレントとしても幅広く活躍している三船美佳氏が決定。「日本が誇る奈良で、国内外から集まる作品を拝見し、私も審査員の一員として参加させていただけることになり、とても光栄です」と審査員として参加する映画祭への思いを語り、そして、撮影監督として数多くの映画作品に携わる山崎裕氏が参加。「21世紀の学生の作品に出合える機会を頂き楽しみにしています」と若き才能との出合いを心待ちにしている。
インターナショナルコンペティションは6作品、NARA-waveは10作品が上映され、各賞の発表は9月23日(月・祝)17時から、ならまちセンターメインホールにて発表される。
審査員コメント
奈良美智
奈良 in 奈良!
審査という大役を引き受けることになり、ひとりの映画好きとしては光栄を通り越して不安のほうが多いというのが正直な気持ちですが、映画の力を信じて、もちろん楽しみながら審査に参加します!
寺島しのぶ
今回審査員をさせていただくことになりました。
奈良の空気を存分に楽しみながら世界から選りすぐりの作品を観させていただきます。
映画祭は出会いの場、今からとても楽しみです。
マテオ・ファチェンダ
なら国際映画祭に審査員として参加できることは、私にとって大変光栄なことです。才能豊かな女優の寺島しのぶさんや世界的アーティストの奈良美智さんとこの経験を分かち合うことは、挑戦であると同時に、素晴らしい日本文化を間近に知る機会でもあります。
受賞歴のある川瀬直美監督がエグゼクティブ・ディレクターを務めるこの権威ある映画祭で、選ばれた新鋭監督たちの映画を通した対話を心待ちにしています。
三船美佳
私がまだ幼い頃に、両親が連れて行ってくれた海外の映画祭。そこに広がるのは、活気のある美しい空間でした。その特別な思い出は、私の宝物です。
そして今回、日本が誇る奈良で、国内外から集まる作品を拝見し、私も審査員の一員として参加させていただけることになり、とても光栄です。
またひとつ、心の宝物が増えそうです。
山﨑 裕
「座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル」のプログラムディレクターを10数年務めて、コンペティションのドキュメンタリー作品の予備審査もやってきました。日本映画撮影監督協会の三浦賞、JSC賞の両方の審査の経験もあります。
学生の作品は座・高円寺で多少拝見していますが、映像関係の学校で教えた経験もなく、あまり馴染みはありません。私が在学した1960年代の日本大学芸術学部映画学科では自主映画を盛んに作っていましたが、実験映画的な難解のものでした。
今回、21世紀の学生の作品に出合える機会を頂き楽しみにしています。
インターナショナルコンペティション
『サートゥ / うさぎ年』(英題: Satu – Year of the Rabbit)
【UK、ラオス】
監督:ジョシュア・トリッグ / Joshua J F Trigg
17歳のボーは、ラオスの⾸都で虐待する⽗親から逃れ、フォト・ジャーナリズムのキャリアを追い求める。無⼀⽂の彼⼥は、⽥舎の寺院に⾝を寄せ、そこで若い仏教徒の孤児サートゥと出会う。友達になった⼆⼈だが、サートゥは⺟親を探したいという願いを語る。ボーが物語を伝えたいという思いと、サートゥの好奇⼼に駆られ、⼆⼈はラオスの豊かな熱帯の⾵景を巡りながら、答えと⾃⼰発⾒を求めて旅を続ける。
『失った時間』(英題: Borrowed Time)
【中国】
監督:ツァイ・ジエ / Choy Ji
夏の終わりに台⾵が迫る中、ティンの結婚式が近づいてくる。⺟親に促されて、ティンは広州から ⾹港へ向かい、20年間⾏⽅不明の⽗親を探し始める。旅の途中で、ティンは過去の曖昧な記憶が蘇る。予期せぬ出会いがティンに家族の真実を明らかにさせる。ティンは昔の友⼈ユウセンと再会し、⼀緒にユウセンの家で夜を過ごす。⼆⼈はまるで夢の中にいるかのように感じながら、失われた時間を探し求める。
『⿃かごは⿃を探す』(英題: The Cage is Looking for a Bird)
【フランス、ロシア】
監督:マリカ・ムサエヴァ / Malika Musaeva
チェチェンの⼩さな村で、ヤハは親しい友⼈であるマディナと⽇々を過ごしている。⼆⼈の少⼥は卒業後、家を離れて現実の世界へと踏み出し、⾃分たちで選ぶ⼈⽣を送りたいと夢⾒ている。チェチェンの⼥性たちが⾃⾝の⾃由と⾃分の⼈⽣を⽣きる権利を守ろうとする物語を描く監督デビュー作。
『催眠』(英題: The Hypnosis)
【スウェーデン、ノルウェー、フランス】
監督:アーネスト・デ・ギア / Ernst De Geer
アンドレとヴェラは若い起業家カップル。彼らは、女性向けの健康アプリを権威あるコンペティションでピッチする機会を得る。その前に、ヴェラは禁煙のために催眠療法を試みる。そこから彼女の態度が変わり始め、アンドレも予想外の⾏動を取るようになる。
『パーマネント・ピクチャー』(英題: The Permanent Picture)
【スペイン、フランス】
監督:ラウラ・フェレス / Laura Ferrés
スペイン南部の⽥舎で、10代の⺟親であるアントニアが真夜中に姿を消す。50年後、遠く離れた北の地で、内向的なキャスティング・ディレクター、カルメンは新しい街に来た⼈々が持つ記憶を聞き出そうと出会いを求める。そんな彼⼥の探求の中で、カルメンはアントニアに出会 うが、アントニアの衝動的な⾏動がカルメンの孤独に割り込んでくる。時間がすべての傷を癒すと⾔ったのは誰なのか?
『ハートレス』(英題: Heartless)
【ブラジル】
監督:ナラ・ノルマンデ、ティアオ / Nara Normande, Tião
1996年夏、ブラジル北東部の海岸。タマラは、勉強のためにブラジリアへ出発する前に、住んでいる漁村で最後の数週間を楽しんでいる。ある⽇、彼⼥は胸に傷跡があることから「ハートレス」と呼ばれるティーン・エイジャーの話を⽿にする。夏が過ぎるにつれ、タマラはこの謎めいた少⼥にますます強く惹かれていく。
NARA-wave 学生映画コンペティション
『⽩内障』(英題:Cataract)
【ポーランド】
監督:ルーカス・イヴァニクツ / Łukasz Iwanicz(所属校:Warsaw Film School)
『よく⾒れば星』(英題: Signs)
【日本】
監督:森 美春 / Miharu Mori(所属校:東京藝術⼤学⼤学院)
『葉っぱのささやき』(英題: Whispering in the Leaves)
【カナダ】
監督:ラブリーン・フンジャン / Luvleen Hunjan(所属校:Toronto Metropolitan University)
『砂時計』(英題: KISS)
【日本】
監督:チン・ジョキン / CHEN SHUXIN(所属校:東放学園映画専⾨学校)
『奇祭』(英題: Kisai)
【日本】
監督:榊原 滉 / Kou Sakakibara(所属校:早稲⽥⼤学)
『ヘイルストームに咲く花』(英題: Flowers In A Hailstorm)
【インド】
監督:マハラシ・トゥヒン・カシップ / Maharshi Tuhin Kashyap(所属校:Satyajit Ray Film And Television Institute, Kolkata)
『忘れたものだけが新しい』(英題: Only the Forgotten is New)
【ドイツ】
監督:モナ・シーア / Mona Schier(所属校:Breda University of Applied Sciences)
『枯葉は川をくだる』(英題: Fallen Leaves Drifting Down)
【日本】
監督:ZEYU ZHAO / 趙澤宇(チョウ・タクウ)(所属校:ビジュアルアーツ専⾨学校)
『詩⼈』(英題: POET)
【UK/中国】
監督:クン・サン / Kun Sun(所属校:London Film School)
『分離の予感』(英題: Sense of Seperation)
【日本】
監督:カ・エイケツ / HE YINGJIE(所属校:武蔵野美術⼤学)
カンヌ国際映画祭招待作品
『バッド・フォー・ア・モーメント』(英題: BAD FOR A MOMENT)
(ポルトガル/ポルトガル語/2024年/15分/カラー)
チームビルディングイベントの失敗によって、建築スタジオのオーナーは、自社が高級化を進めている低所得者層の地域と対峙することになる。
監督:ダニエル・ソアレス / Daniel Soares
『向日葵が最初に知ること』(英題: SUNFLOWERS WERE THE FIRST ONES TO KNOW…)
(インド/カンナダ語/2023年/16分/カラー)
年老いた女性が村の雄鶏を盗んだ後、太陽は二度と昇らなくなり、村は混乱に陥る。雄鶏を取り戻すために予言が発せられ、その女性の家族は追放されることになる。
監督:シダナンダ・S・サイク / Chidananda S NAIK
『窓の外 壁の向こう』(英題: OUT THE WINDOW THROUGH THE WALL)
(ロシア、アメリカ/ロシア語/22分/カラー)
人々が現代のロシアの現実に適応しようとする中、地図製作者が、最近成人向けの精神神経施設から脱走した若者と出会う。
監督:アシャ・セガロビッチ / Asya SEGALOVICH
『バニーフッド』(英題: BUNNYHOOD)
(イギリス/英語/9分/カラー)
お母さんが僕に嘘をつくはずがないよね?純粋なボビーは、突然の病院行きに驚かされ、この問いの答えを知ることになる。
監督:マンシ・マエシュワリ / Mansi MAHESHWARI
NARAtive2024
『トランジット・イン・フラミンゴ』(英題: Transit in Flamingo)
(日本/日本語/98分/カラー)
一緒に移住してきた恋人に置いて行かれた小絵。親友のキョンちゃんが話していたフラミンゴを探す旅にやってきた明莉。地元から離れたことのない日々を平坦に過ごす隆太郎。そんな3人の若者が奈良県宇陀市の広い空の下で偶然に出会う。小絵と隆太郎は明莉の旅につきあうことに。そんな見ず知らずの3人の心が混じり合う1日。それは人生のささやかで暖かいトランジットな記憶となるのだろう。
監督:堀内友貴 / Yuki Horiuchi
監督プロフィール:1997年生まれ。茨城県出身。東放学園映画専門学校映画制作科在学中に、級友と自主映画の制作を始める。2022年、監督作『明ける夜に』で「なら国際映画祭 2022」NARA-wave部門にてグランプリとなる“ゴールデンKOJIKA賞”受賞。2022年演劇・映像を制作する劇団「セビロデクンフーズ」を俳優米良まさひろと共に立ち上げ活動している。
キャスト: 山下リオ、細川 岳、祷 キララ、三浦誠己、田中隆三、古川琴音(声の出演)
エグゼクティブプロデューサー:河瀨直美
プロデューサー:吉岡フローレス亜衣子
撮影:春木康輔
音楽:工藤祐次郎
企画・製作:なら国際映画祭
助成:奈良県、宇陀市
NARAtiveJr.2024
『Muffin’s Law』(英題: Muffin’s Law)
(日本/日本語・英語/22分/カラー)
高校生のももがマフィン作りを通じて、数学の苦手意識を手放し、自分自身の可能を掴む物語。
監督:ミラー怜 / Rei Miller
監督プロフィール:現在、アムステルダム大学在学中。なら国際映画祭で映画制作ワークショップ、映像プロジェクトの作品制作の経験者。
監督・脚本:ミラー怜
出演:松井遥南、松尾 翠、田邊和也、ネルソン・バビンコイ、山本あい
監修・撮影:河瀨直美
プロデューサー:北條美穂
音楽:ハシケン
企画・製作:なら国際映画祭 | 協力:天理市
ユース映画審査員プログラム 長編部門:ベルリナーレ・スポットライトジェネレーション / Berlinale Spotlight-Generation
『ディスコ アフリカ:マダガスカルの物語』(英題: Disco Afrika: A Malagasy Story)
(マダガスカル/マダガスカル語/81分/カラー)
マダガスカル南部のサファイア鉱山で働く青年クワメは、体を悪くし故郷の村に戻ることに。そこで、彼は故郷のコミュニティの過去と、汚職や抑圧に対する数十年にわたる闘いを振り返ることになる。
監督:ルック・ラザナジョアナ / Luck Razanajaona
『ラスト スイム』(英題: Last Swim)
(イギリス/英語、ペルシャ語/100分/カラー)
夏のロンドン。最後の自由を謳歌すると決める。知能あふれる将来有望なイギリス系イラン人の十代のジバは、人生を変える決断を密かに抱えながら、友人たちと破天荒にたわむれる。
監督:サーシャ・ナスワニ / Sasha Nathwani
『エルボー』(英題: Elbow)
(ドイツ、トルコ、フランス/ドイツ語、トルコ語/86分/カラー)
ハザルの最大の願いは、人生を自ら築くこと。就職の面接に応募を続けるが、ことごとく通らない。就労訓練プログラムにただ留まるだけで、新たな機会が舞い降りてこない不満な日々。しかし、 18歳の誕生日からハザルは、自分たちの力強さを感じはじめる。仲間と一緒であれば何でも達成できると信じていた昔のように。あるとき彼女の抑圧されたエネルギーが爆発する。見知らぬ国の見知らぬ街、イスタンブールに真っ向から向かう。 そこで彼女は、どんな犠牲を払ってでも、自分の力で生きていかなければならない。
監督:アスリ・オザルサン / Aslı Özarslan
ユース映画審査員プログラム 短編部門:ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2024受賞作品セレクション / Short Shorts Film Festival & Asia 2024
『ハーバードへの道』(英題: Road to Harvard)
(マレーシア/マレー語/2023年/14分/カラー)
ある理由から、10歳の息子をハーバード大学に入学させる長期的な計画が危うくなった。母親は計画を軌道修正するために、必要であればどんなことでもやろうとする。
監督:ダン・チョン / Dan Chong
監督プロフィール:ボルネオ島に生まれ、西マレーシアの大都市で育ち、アメリカで2年間を過ごしたダンは、マレーシアの文化的景観を理解し、自分の映画に取り入れることを目指している。 特に、マレーシア人の間で広まっている考え方を題材に選ぶことが多い。
『ナイジェリアのバレエダンサー』(英題: Then Comes The Body)
(ナイジェリア、アメリカ/英語/2023年/14分/カラー)
雨の中バレエを踊る子どもたちの映像がSNSを通じて拡散されると、ナイジェリアはラゴスの小さなバレエスクールに世界中の注目が集まった。YouTubeの動画でバレエを習得したダニエル・アジャラは今世界のステージに立つため稽古に励んでいる。
監督:ジェイコブ・クルプニク / Jacob Krupnick
監督プロフィール:ダンスや動きを通して映画的ストーリーを創り上げることを得意とする。世界を股にかけ、探究心と歓喜を振り撒きながら、彼の仲間たちも自由に混み合った空間を動き回り、アイデンティティや公共空間といったより深い問題を探索する。現在は2011年の長編デビュー作である「Girl Walk // All Day」の続編に取り掛かっている。
『せん』(英題: SEN)
(日本/日本語/2024年/24分/カラー)
田舎暮らしをするおばあさんのいつもの一日が始まる。ちゃぶ台で役場の若者と朝食をとり。縁側で配達員とお茶飲み話をする。そんないつもと変わらない日常に、微細な不協和音が聞こえてくる。
監督:森崎ウィン / Win Morisaki
監督プロフィール:1990年生まれ33歳。ミャンマー出身。2018年にはスティーヴン・スピルバーグ監督作『レディ・プレイヤー1』で主要キャストとしてハリウッドデビュー。『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞。数々のミュージカル作品で主演を務めるなど多方面で活躍。映画監督、初挑戦となる。
『プールのカニ』(英題: A Crab In The Pool)
(カナダ/フランス語/2023年/11分/カラー)
荒れ果てた住宅街で、ゾーイと弟のテオはたった2人きり。思春期のゾーイは、内なる恐怖に取り憑かれた怒りの塊。テオはまだ子供で、空想の世界に現実逃避している。
監督:アレクサンドラ・ミョッテ&ジャン=セバスチャン・アメル
Alexandra Myotte & Jean-Sébastien Hamel
監督プロフィール:モントリオールを拠点に活動する2人組の作家兼監督。受賞歴のある短編アニメーションやウェブシリーズは、世界中の数多くの映画祭で上映されている。最新作「No Title(2021年)」は複数の賞を受賞。
『ヤマアラシのジレンマ』(英題: Hedgehog’s dilemma)
(ポーランド/ノンダイアログ/2023年/16分/カラー)
この映画は全編手話で構成されている。作品の舞台は、依存症に悩むろう者の若者向けのリハビリ施設。新患の主人公は長期入院者に惹かれていることに気が付き、治療中に2人の絆を深めようと奮闘する。
監督:マテウス・リビンスキー / Mateusz Rybinski
監督プロフィール:1999年生まれ。ポーランドの映画学校に通う2年生で、映画演出を学んでいる。本作「ヤマアラシのジレンマ」で短編映画デビュー。現在は韓国を舞台にした短編ドキュメンタリーの制作に取り組んでいる。18歳の少女が母親から「愛している」という言葉を聞くために地球の裏側を目指すという物語だ。
ユース映画審査員プログラム ユース映画制作ワークショップ
『透明な箱の中』(英題: ClearBox)
(日本/日本語/2024年/13分/カラー)
小学校で出会ってから深い関係を繋いでいた りん、まい、しおん。
これからも変わらない3人でいると思っていた。
そんな中、新しい世界に羽ばたこうとする まい、それを知り戸惑う しおん、自分を出せずに板挟みになる りん。
徐々に3人のそれぞれの想いがすれ違い……。
監督:白田秀乃嘉 / honoka shirata
梅本侑伽 / yuka umemoto
末松ななみ / nanami suematsu
小森合歓 / nemu komori
井上楽斎 / rakusai inoue
光宗良城 / raki mitsumune
小松頼礼 / yorinari komatsu
講師:萩生田宏治 / Koji Hagiuda
講師プロフィール:映画監督・脚本家
1967年生まれ、埼玉県出身。自主制作「君が元気でやっていてくれると嬉しい」(93)で監督デビュー。映画として「帰郷」(04)、「神童」(06)、「コドモのコドモ」(08)、「月の海」(21)他、国内外の映画祭で高い評価を得る。ドラマとして「私立探偵濱マイク」(03)、中日合作「午夜計程車」(14~16)、「万灯」(18)など芸術祭優秀賞、ギャラクシー奨励賞他受賞。テレビ・ドキュメンタリーとして「情熱大陸」(MBS)、「ハートネットTV」(ETV)など多数。NHK道徳番組「さわやか三組」「時々迷々」「中学生日記」などに多数の脚本を提供。100本近くの映像作品の演出・脚本を務める。講師として日本映画大学、東北芸術工科大学、文化庁「芸術文化による子どもの育成事業」など。現在、次回作準備中。
「なら国際映画祭2024」 開催概要
◆開催日:9月20日(金)~9月23日(月)
9月20日(金) オープニングセレモニー/9月23日(月)クロージングセレモニー
◆場所:奈良市ならまちセンター市民ホール/多目的ホール
奈良公園バスターミナルレクチャーホール
◆内容:インターナショナル コンペティション/NARA-wave(学生部門短編コンペティション)
ユースシネマプロジェクト/NARAtive/NARAtiveJr/特別招待作品
(オフィシャル素材提供)