イベント・舞台挨拶

『満月、世界』初日舞台挨拶トーク

 登壇者:塚田万理奈監督、玉井夕海、上里 尭(アコースティック・ギター)、世持 桜 ( 三線)、柴崎 仁志 (カホン)

 初⻑編映画『空(カラ)の味』で第10回⽥辺・弁慶映画祭で弁慶グランプリ・⼥優賞・市⺠賞・映検審査員賞と史上初の4冠に輝いた塚田万理奈監督の最新作『満月、世界』(みつき、せかい)が9月21日(土)、渋谷ユーロスペースにて公開、初日舞台挨拶として、塚田万理奈監督と出演・音楽の玉井夕海によるトーク、そして劇中のバンド・メンバーを演じ、実際にミュージシャンでもある上里 尭、世持 桜、島崎仁志による、劇伴の楽曲演奏が行われた。玉井は映画『千と千尋の神隠し』リン役声優として、さらに『渋さ知らズ』メンバーとして音楽活動も、多彩なアーティストとして知られる。

 塚田監督:私は撮りたいものだけが撮りたいって人生でして。すごく撮りたいものがあって、それが私の地元の長野で子どもたちと一緒の「刻」という作品です。私が中学校時代の頃から大人になるまでの友達たちの多くの話をずっと心に抱えていて、いつか映像にして、みんなに言い返したい、生きていて欲しいな、と思っていたことを言いたいなと思って、映画を作ろうと思いました。作るにあたって、映画のために大人役とか映画の都合ではなくて、キャラクターが本物の人間だっていうことをもっと尊重していただきたいなと思い、子どもたち1人の人間を1人の子どもに任せて10年ぐらいかけて子どもたちを撮ろうと思いまして。今それを制作しています。
 演技も多分今後もやる気ないし、今までやったことない子たちなんですけど、すごく魅力的で、みんながなんかそれぞれのことを撮りたいなと思って。満月からは 人生を聞いて脚本を書いて、あきちゃんとはともに脚本を書いて2人に本人を演じてもらうという短編を2本作りました。 それがこの「満月、世界」です。
 満月の時はただ満月をひたすら見つめて撮りましたが、あきちゃんの時は一緒に関わってきた年月が撮影期間であったので。 こどもたちがいかに私たち大人を励ましてくれる。光のような存在になっているか、世の中にとってあなたたちの希望とか。未来があるっていうことはいかに大きく重要なことかっていうのを理解する、すごい自信があったので、私の視点を入れようと思いました。玉井夕海さんは私とすごく感覚が近いと思ったので、自分の役を相談してやっていただきました。 音楽も作ってくださいました。

 (バンドメンバーには)1人1人で活動されていますが、3人が一緒に演奏しているところがなんか眩しかったので、もうこのまま。 出ていただこうと思って。演技経験はなかったと思いますが、演技までちょっとお願いしてお願いしました。

 私のことを子どもたちはいっぱい話してくれるんですけど、好きなことをいつもそれが希望だと思います。好きなことやっぱりやっている人たち、私も好きなことやってきて、それをやり続けて欲しいと子どもたちにすごく思っています。好きなことをできるようなほうがいいなと。

 トーク後、バンド・メンバーで楽曲演奏、塚田監督と玉井夕海がメンバーにマイクを向けるなどほっこりとした雰囲気に包まれ、場内はアコースティック・ギター、三線、カホンが奏でる心地よい音楽に聞き入った。

 本作は『刻』(とき)(2020年から監督が出⾝地・⻑野市で地元の⼦どもたちと制作を続けている、16mmフィルムで10年をかけて撮影するプロジェクト)撮影の中で⼦どもたち⾃⾝と触れ合い、生まれたオムニバス映画。すでにロッテルダム国際映画祭2023⼊選(「世界」)など数多くの国際映画祭で上映され、「光の魔法、引き算の美学、詩的な世界」(Filmexplorer・スイス)など絶賛されている。
 いつも通り過ぎていく日常の中で、小説を書いたり音楽に没頭しながら、自分の居場所を探す中学生の物語「満月」(主演:満月)。吃⾳のある中学⽣と、夢をあきらめつつあるミュージシャンの日々が交差していく「世界」(主演:涌井 秋)。

公開表記

 配給:Foggy
 9月21日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開
 (8月16日(金)より長野ロキシー先行上映

(オフィシャル素材提供)

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