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『二つの季節しかない村』カンヌ国際映画祭でトルコ初の最優秀女優賞受賞!役所広司氏とも親交あるメルヴェ・ディズダルとは?本編映像解禁

© 2023 NBC FILM/ MEMENTO PRODUCTION/ KOMPLIZEN FILM/ SECOND LAND / FILM I VÄST / ARTE FRANCE CINÉMA/ BAYERISCHER RUNDFUNK / TRT SİNEMA / PLAYTIME

 カンヌ国際映画祭に作品を出品するごとに、常に高評価を得続けているトルコの名匠、ヌリ・ビルゲ・ジェイランの監督最新作で、第76回カンヌ国際映画祭において、トルコ人初の最優秀女優賞を受賞した「About Dry Grasses(英題)」が『二つの季節しかない村』の邦題となり、10月11日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか、全国順次公開となる。

 去年2023年のカンヌ国際映画祭。ザンドラ・ヒュラー、スカーレット・ヨハンソン、ジュリエット・ビノシュ、ナタリー・ポートマン、ジュリアン・ムーア、ミア・ワシコウスカといった名だたる女優が名を連ねる中、プレゼンターのソン・ガンホから盾を受け取ったのはトルコの女優、メルヴェ・ディズダルだった。これまでパルムドール、2度のグランプリ、監督賞など、カンヌ国際映画祭をにぎわせ続けてきたヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督は、『二つの季節しかない村』でトルコ初のカンヌ国際映画祭最優秀女優賞受賞を獲得した。
 テロに巻き込まれ片足を失ったヌライという英語教師を演じ、第76回カンヌ国際映画祭で最優秀女優賞を獲得したメルヴェ・ディズダルとはどんな俳優なのか? その秘密に迫る!

メルヴェ・ディズダル プロフィール MERVE DIZDAR

 1986年6月25日、トルコ・イズミル生まれ。チャナッカレ・オンセキズ・マルト大学芸術学部演技学科を卒業後、カディル・ハス大学で上級演技プログラムを学び修士号を得る。
 トルコの人気テレビドラマ“Masumlar Apartmani”(20-21)での演技が高く評価され、トルコの権威あるテレビ賞である第47回ゴールデン・バタフライ・アワードで主演女優賞を受賞。“Snow and the Bear”(20/セルジェン・エルグン監督)で第59回アンタルヤ・ゴールデンオレンジ映画祭と第10回ボスポラス映画祭で最優秀女優賞を受賞。本作『二つの季節しかない村』でトルコ人として初めてカンヌ国際映画祭最優秀女優賞を受賞した。その他の主な出演作品は「ホタルを見たことありますか?」(21/アンダッチ・ハズネダロール監督)、TVドラマ「エルサン・クネリの野望 ~大いなる映画道~」(22)など。女優としての活動のほか、子ども向け番組の司会など幅広く活動している。Instagramのフォロワー数は110万人を超える。

ディズダルが演じたヌライ役

 平和活動に身を投じ、テロに巻き込まれて片足を失った英語教師。物おじせず、思ったことをズバズバと口にする。このヌライ役は2015年10月10日にアンカラで起こったISISによるアンカラ駅爆破テロで片足を失ったギュナイ・カラクシュ氏に影響を受けたキャラクター。当時、大学生だったカラクシュ氏は平和活動を行い、アンカラのテロにより片方の足を失い義足になった。その後、絵を描くようになり、個展も開いている。本作『二つの季節しかない村』では、ヌライ役のメンターとしてカラクシュ氏も参加している。また、ヌライが描いた絵として、ヌライの部屋に飾られている絵は、イスタンブールからパリへ移住し画家・漫画家として活動しているラミズ・エレール氏によるもの。平和活動を行っていたヌライ同様に「平和のための風刺漫画」というネットワークに参加している。

© 2023 NBC FILM/ MEMENTO PRODUCTION/ KOMPLIZEN FILM/ SECOND LAND / FILM I VÄST / ARTE FRANCE CINÉMA/ BAYERISCHER RUNDFUNK / TRT SİNEMA / PLAYTIME

カンヌ国際映画祭でトルコ初の最優秀女優賞を受賞とその余波

 カンヌ国際映画祭でのワールドプレミアのあと、各映画媒体ではディズダルについて「まばゆいばかりの存在感。この映画の最高の見どころのひとつ」(The Hollywood Reporter)、「温かさと繊細さをもってヌライ役を作り上げている」(The New York Times)、「素晴らしい演技が光る」(Los Angeles Times)と絶賛する声があがった。

カンヌの最大の思い出は「ザンドラ・ヒュラーとハグ!」

 「毎作品欠かさず観ていたヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の世界に自分が入れることになるなんて考えたこともなかった」と言うディズダル。カンヌでのワールドプレミア後は興奮してジェイラン監督に「絶対この映画はなにか賞を獲ると思う!」と伝えたそう。まさか自分が賞を獲るとは想像もしておらず、「受賞はご褒美みたいなもの」と語る。「『私が賞をもらった』という個人的な喜び以上に、もっと重要で大きな力を感じる。私にとって、トルコのみんなの幸せの方が大切なんです。みんなが喜んでくれるから、私もすごくうれしいし、誇りに思うんです」と最優秀女優賞受賞について語っている。
 「本当に素晴らしい女優がたくさんいた重要な映画祭。受賞が発表されたとき、本当に驚いて、その感情は言い表せませんでした」というディズダルのカンヌの一番の思い出は「ザンドラ・ヒュラーとハグしたこと」だそう。

メルヴェ・ディズダルはテロリスト!?

 カンヌ国際映画祭の受賞式では「ヌライは自分の信念と自分の存在のために奮闘し、代償を払わざるを得なかった女性です。通常ならば、彼女を理解するために多大な努力を要したでしょう。しかし、残念なことに私たちの国では(女性であるというだけで)生まれた日からヌライが感じているような気持ちを知ることになります。この賞を、屈せず、行動を起こし、この大義のためにすべてを賭け、何があっても希望を持ち、ふさわしい素晴らしい日々を過ごすために闘う、諦めなかったすべての美しい姉妹たち、ヌライと彼女のような女性たちの魂に贈ります」とスピーチしたディズダル。しかし、このスピーチはトルコ政府の反感を買った。授賞式翌日2023年5月28日はトルコの大統領選だったのだが、彼女の発言はエルドアン政権を否定するものと受け取られ、「西側の奴隷」「テロリスト」といった言葉でトルコ与党AKPの幹部たちは非難した。それに対し、トルコの人権協会機関などはディズダルに対する政府与党の対応を非難する声明が発表されるほどの騒動に発展した。

役所広司との縁

 ディズダルが最優秀女優賞を獲得した2023年のカンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を『PERFECT DAYS』で受賞したのは日本が誇る名優、役所広司。カンヌでともに受賞を果たした縁は続き、今春2024年4月に行われた第43回イスタンブール映画祭でふたりは再会、親交が続いている。

こんなふうに見つめられたら……ドキドキが止まらない本編映像解禁!

 併せて解禁されるのは、メルヴェ・ディズダル演じるヌライが主人公のサメットと同僚のケナンとともに出かけたディヤディン渓谷で語り合う一コマ。3人で話していたのに急に黙り込んでケナンを見つめるヌライ。そして「あなたを撮っても?」とケナンの顔を見つめ続ける。主人公サメットは横でお邪魔虫……? ディズダルの美しさも堪能できる、一風変わった口説き文句をお楽しみいただきたい!

公開表記

 配給:ビターズ・エンド
 10月11日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー!

(オフィシャル素材提供)

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