イベント・舞台挨拶

『ぼくのお日さま』全国公開記念トークイベント

© 2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINÉMAS

 登壇者:橋口亮輔(映画監督)、奥山大史監督

 映画『ぼくのお日さま』の公開を記念して、『ぐるりのこと。』や『恋人たち』などで数々の映画賞を受賞し、今年9年ぶりの新作『お母さんが一緒』が公開された映画監督・橋口亮輔監督と本作の奥山大史監督の対談イベントが開催された。

 きっかけは、7月に都内で開催された橋口監督の過去作特集上映へ、もともと橋口監督のファンであった奥山監督が橋口監督のデビュー2作目の『渚のシンドバッド』のトークイベントゲストとして登壇。今回、奥山監督の新作公開記念として、橋口監督のゲスト登壇が実現した。学生の頃に橋口監督の『恋人たち』(2015)の公開初日に、テアトル新宿へ駆けつけていた奥山監督は、自分の新作公開のトークイベントで、ここテアトル新宿で、橋口監督とともにステージに立っていることを「学生時代の自分に、こんな将来が待っていることを伝えたい」と感慨深く話した。

 橋口監督は、サンセバスチャン国際映画祭から帰国したばかりの奥山監督に対して、「いかがでしたか? 反響が良かったみたいですね?」と質問。奥山は「すごく映画愛に溢れる人ばかりだった」と言い、客層も若く、熱気もあって「幸せな空間だった」と振り返った。そして、現在出品が決まっている映画祭が30以上あり、そのうち10つは参加予定だという奥山が「橋口さんもデビュー当時はたくさんの映画祭へ参加されていましたよね?」と問うと、「若いうちは映画祭に行って“顔を売る”のが大切。何年も経つとそこに参加していた方がいいポジションになって、『奥山の新作を招待したいと思っていた』と言ってくれる人が出てくる」とアドバイスをした。

 その後、『ぼくのお日さま』について、橋口監督は「痛みがちゃんと描けていることが、良かった」と話し、「心が痛いと感じた時、大人になる」という橋口監督が好きな詩を例にあげ、『ぼくのお日さま』の劇中のセリフ、それを受け止める池松壮亮が演じる荒川の対応をあげ、「『今まさに痛みを感じた』という瞬間がきちんと描けていることが、良かった」と述べた。そして、公開後本作に対してSNSなどで寄せられる賛否の意見に少し戸惑いも感じていることを明かした奥山に対して「作り手の勇気だと思います」と断言。『二十才の微熱』など同性愛を題材にした映画を発表した当時を振り返り、「今みたいにSNSがある時代じゃなかったので、2ちゃんねるで、いろいろ書かれていましたが、自分の作るものに自信があったので、誰に何を言われても平気でした。だから、作り手が『作るものに対して自信を持つ、勇気を持つ』ということが大切だと思います」と先駆者だからこその力強いメッセージを奥山監督へ送った。

 その後も、『恋人たち』を観て本作に出演する篠原 篤へ『ぼくのお日さま』の出演オファーをかけたエピソードを伝え、橋口監督と篠原 篤の話題で盛り上がった。最後の挨拶では、この映画が素晴らしかった点として、改めて「僕は、痛みが誠実に描けていたこと」と断言。「ぜひ口コミで拡散してあげてください」と、橋口亮輔監督から次世代を担う若き映画監督へのエールでイベントは締めくくられた。

公開表記

 配給:東京テアトル
 全国の劇場にて絶賛公開中!

(オフィシャル素材提供)

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