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「映画作家 ジャンヌ・モロー」推薦コメント解禁&劇場用パンフレット発売決定

© 1976-1979-1983 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS

 名優ジャンヌ・モローの監督作を一挙上映する「映画作家 ジャンヌ・モロー」が10月11日(金)より、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開される。推薦コメントが解禁され、劇場用パンフレットの発売が決定した。

ジャンヌ・モローが女性たちをいきいきと描いた、新たな視点で見返すべき傑作群
劇場初公開を含む3作品を一挙公開!

 映画史にその名を刻む、フランスを代表する「女優」ジャンヌ・モロー(1928-2017)。オーソン・ウェルズ、フランソワ・トリュフォー、ルイ・マル、ルイス・ブニュエルら「巨匠」「名匠」たちと共に数々の名作に携わった彼女の映画への情熱と好奇心に満ちた創造力は、「映画監督」としても発揮された。40歳代で初めて監督を務めたモローは「私は女たちを称賛している。ありのままの姿を彼女たちに示そうと思った。男たちが示す形ではなく」と語った。その言葉通り、彼女の映画にはさまざまな年代の女性たちの率直な言葉や飾り気のない姿が映し出されている。70年代から80年代にかけて作られた、女性(たち)をめぐる3つの監督作品を一挙公開! 監督第一作『リュミエール』とドキュメンタリー作品『リリアン・ギッシュの肖像』は日本の劇場では初めてのロードショーとなる。

 監督デビュー作『リュミエール』は女優4人を主人公に映画業界を内部から描く作品で、モロー自身の半生を彷彿とさせる。女優の一人サラ役をモローが演じている。ドイツの名優ブルーノ・ガンツが出演し、タンゴを革新した作曲家アストル・ピアソラが音楽を担当。『思春期』は戦争の影が迫る1939年の夏、少女マリーの忘れられない夏休みを丹精込めて紡いだ傑作。伝説的な女優シモーヌ・シニョレが孫を優しく見守る祖母役で出演。日本では1986年に『ジャンヌ・モローの思春期』のタイトルで劇場公開された。『リリアン・ギッシュの肖像』は「歴史的女優」リリアン・ギッシュに迫るドキュメンタリー。ギッシュとの対話から浮かび上がる映画の歴史と好奇心に満ちた人生に胸が熱くなる。映画史の影に隠れていたモロー監督作は、女性たちのありままの姿がいきいきと映し出され、今こそ現代的な視点で見返すべき傑作群といえる。

 この度、一足早く映画を鑑賞した著名人から推薦コメントが到着。山内マリコ(小説家)は「ジャンヌ・モローが映画を撮った意味、女が女の映画を作ることの重要さ。それを理解するスタート地点にやっとたどり着いた気がする」とコメントし、横浜聡子(映画監督)は「直感と知性に満ちたジャンヌ・モロー監督の映画術に驚き、感服した」と称賛する。その他、坂本安美(アンスティチュ・フランセ 映画プログラム主任)、須藤健太郎(映画批評家)、松田洋子(漫画家)、ゆっきゅん(DIVA)からも、特集上映を喜ぶ言葉が届いている。

 また、10月11日(金)より、上映館にて劇場用パンフレットが販売されることも決定し、ポップな表紙イメージが公開された。小柳帝による全三作品の解説、秦早穂子、坂本安美、ゆっきゅんによるレビューなどが掲載されている。デザインはwoolenの福岡南央子が担当した。
 <A5判/本文40P/オールカラー/価格1,000円(税込)>

コメント一覧

坂本安美(アンスティチュ・フランセ 映画プログラム主任)
 もしこれまでジャンヌ・モローという女優の偉大さがこれらの作品を覆い隠してきたのならば、映画作家ジャンヌ・モローをそこから解き放つのではなく、女優であるとともに映画作家であるひとりのアーティスト、ジャンヌ・モローの存在を確認すべき時が、今ようやく来ているだろう。
 *劇場用パンフレットへの寄稿より抜粋

須藤健太郎(映画批評家)
 ここにはいくつものペアがある。映画と人生。女と男。子どもと大人。粗野と繊細。田舎と都会。休暇と仕事。電話と手紙。誕生と死。歴史と現在。眼鏡と裸眼。無声と有声。光と影。木靴と自転車。前と後ろ。姉と妹。そして2人の女優兼監督。互いに互いを照らし合うようにして。

松田洋子(漫画家)
 憧れの人はたくさんいるが「こんな人になりたい」と思ったのはジャンヌ・モローだけ。女性と女優の達人ジャンヌ・モローが撮って見せてくれる女たちにいつかの自分を見つける。私が煙草をやめたのは、禁煙に成功したのではなく愛煙に挫折したのだと思わせる。

山内マリコ(小説家)
 ジャンヌ・モローが映画を撮った意味、女が女の映画を作ることの重要さ。それを理解するスタート地点にやっとたどり着いた気がする。温かなフィルムの中に、女による映画の夢がたしかに刻み込まれていた。

ゆっきゅん(DIVA)
 (リリアン・)ギッシュがやってきたことは、ここにいる(ジャンヌ・)モローに大きなものを残してくれていると分かる。大女優シスターフッド、若者はこれを踏まえた上でギッシュとモローの作品を観まくる2024年をやっていこう。これからで、大丈夫です。
 *劇場用パンフレットへの寄稿より抜粋

横浜聡子(映画監督)
 人間という存在への深い洞察と、あたたかくも冷静な眼差し。
 そしてそれらをうつし映画にするという能力。
 直感と知性に満ちたジャンヌ・モロー監督の映画術に驚き、感服した。

ジャンヌ・モロー Jeanne Moreau

© 1976-1979-1983 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS

 1928年1月23日、フランス・パリ生まれ。フランス国立高等演劇学校(コンセルヴァトワール)で学び、演劇活動を開始。劇団「コメディ・フランセーズ」の舞台などの経験を経て、数多くの映画に出演。フランスを代表する俳優として活躍した。その活動は国内外から高く評価され、1995年と2008年に名誉セザール賞、2003年にカンヌ国際映画祭パルム・ドール名誉賞、1992年にヴェネチア国際映画祭栄誉金獅子賞、1997年にヨーロッパ映画賞生涯貢献賞、2000年にベルリン国際映画祭金熊名誉賞、そして、2007年には芸術文化勲章のコマンドゥールを受勲している。1971年にはシモーヌ・ド・ボーヴォワールやカトリーヌ・ドヌーヴらと共に、中絶の合法化を求める嘆願書「343人のマニフェスト」に署名。その行動は、法律(通称「ヴェイユ法」)成立へと導いた。2017年7月31日、死去。

上映作品

『リュミエール』

LUMIÈRE © 1976 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS

 (原題:LUMIÈRE、1976年、フランス、上映時間:102分)
  ※ 国内劇場初公開

 監督・脚本:ジャンヌ・モロー
 撮影:リカルド・アロノヴィチ
 音楽:アストル・ピアソラ
 出演:ジャンヌ・モロー、ルチア・ボゼー、フランシーヌ・ラセット、キャロリーヌ・カルティエ、ブルーノ・ガンツ

 サラ、ラウラ、ジュリエンヌ、キャロリーヌ。4人の「女優」たちの欲望、葛藤、そして連帯が鮮やかに描かれる監督第一作。モローが主演。音楽をタンゴを革新した作曲家アストル・ピアソラが担当。

『思春期』

L’ADOLESCENTE © 1979 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS

 (原題:L’ADOLESCENTE、1979年、フランス、上映時間:94分)
  ※ 旧邦題:ジャンヌ・モローの思春期

 監督・脚本:ジャンヌ・モロー
 共同脚本:アンリエット・ジェリネク
 撮影:ピエール・ゴタール
 音楽:フィリップ・サルド
 出演:レティシア・ショヴォー、シモーヌ・シニョレ、フランシス・ユステール、ジャック・ヴェベール、エディット・クレヴェール

 戦争の影が迫る1939年。フランス中部の村で12歳のマリーが母、祖母と共に過ごした特別な夏休み(ヴァカンス)。マリーは村にやってきた若き医師に恋をするが――。

『リリアン・ギッシュの肖像』

LILLIAN GISH © 1983 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS

 (原題:LILLIAN GISH、1979年、フランス、上映時間:59分)
  ※ 国内劇場初公開

 監督・脚本:ジャンヌ・モロー
 撮影:トーマス・ハーウィッツ、ピエール・ゴタール
 出演:リリアン・ギッシュ、ジャンヌ・モロー

 1983年の夏、ニューヨーク。サイレント映画期から活躍し、ハリウッドの頂点を極めたリリアン・ギッシュとの邂逅。「歴史的女優」との対話から、その生涯と映画への情熱に迫る至高のドキュメンタリー。

オフィシャル・サイト(外部サイト)

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公開表記

 配給:エスパース・サロウ
 10月11日(金)、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか 全国順次公開!

(オフィシャル素材提供)

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