記者会見アニメ

『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』制作報告会見

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 登壇者:神山健治(監督)、ジョセフ・チョウ(プロデューサー)

 J・R・R・トールキンの傑作原作を基に、ピーター・ジャクソンによって映画化された『ロード・オブ・ザ・リング』3部作。2004年の「王の帰還」日本公開から20年の時を経て、『ロード・オブ・ザ・リング』の知られざる200年前の伝説の戦いを映画化した『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』。この度、世界に先駆け本作の制作報告会見が実施された。

 MCの呼び込みにより、神山健治監督とSOLA ENTERTAINMENTの代表で本作のプロデューサーを務めるジョセフ・チョウが登壇。早速、『ロード・オブ・ザ・リング』のアニメーション映画化を企画した理由と、神山監督へオファーした経緯について聞かれるとジョセフは「6、7年前に神山監督と共同でNETFLIXの『ULTRAMAN』と『攻殻機動隊 sac_2045』を作ることになったのですが、その時点で大きなIPをアニメ化することに興味を持っていました。そのうちに『ロード・オブ・ザ・リング』の企画が挙がってきまして。SF作品をアニメ化しようという動きはよくあるのですが、こういった作品を日本のアニメとして挑戦してみるというのは今までなく、“やる”という選択肢を選びました。そこで“誰と一緒に?”となった時に、どう考えても日本アニメーションの第一人者であり、脚本を作成することもできる神山監督しかいないと思いました」と回顧。本オファーを引き受けた理由について神山は「『ロード・オブ・ザ・リング』は『ホビット』も含め大好きな作品で一ファンとして観ていましたし、それを映画として(改めて)作れるチャンスってなかなかないだろうと思い、やるべきチャレンジだと思いました」と振り返った。

 『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』で描かれるローハンや、角笛城を舞台に、壮大な戦いが繰り広げられる本作。改めてストーリーと登場人物の紹介を求められると、神山は「あの指輪を巡る物語の200年前、ローハン建国以来9代目の王様であるヘルム王でその血筋が途絶えてしまう物語がありまして、そのお話を今回は映画にしようと考えました。原作には11ページくらいしかない物語を映画化するにあたってもう少し内容を広げないといけなくなり、3人いるヘルムの子どものうちの末っ子の娘を主人公にすると原作にはない部分で映画オリジナルのエピソードとして広げられるのではないかなと思いました。原作に名前もないキャラクターなので、映画オリジナルキャラクターとしてヘラを追加しました」と説明。本作のヴィランであるウルフに関しては「ローハンを統べている部族とは別の部族で、彼らを束ねている長の息子、敵役としての主役です」と解説した。

 実写『ロード・オブ・ザ・リング』3部作の世界観を手描きアニメーションで完全に再現するため、ニュージーランドの「スタジオWETAデジタル」全面協力によって、実写のプロップスのすべてを提供という異例のサポートを受けた本作。まるで実写と差異が無いほど細かく作り上げたという絵コンテについて神山は「200年前の世界と本作をどのように繋げるかを考えたのはもちろんなのですが、それとは別に『ロード・オブ・ザ・リング』ファンがニヤッとするような仕掛けもいくつか仕込めたと思います」と細部へのこだわりを語った。

 モーション・キャプチャーを使用しての撮影後にCGシーンを撮影、それらをベースに手描きのアニメーションを作り上げていくという映画3本分の労力を費やした本作。すべて手描きで作成される長編アニメーションは、スタジオジブリとSOLAスタジオのみのようなのだが、神山はこの工程について『実写3部作を25年前に観たとき“すごい映画だ”という印象がとにかく残っており、それを(本作でも)なんとしても死守しなければならないと感じました。ヘタなものは作れないと思いましたし、“当時のあの体験をもう一度してもらいたい”と思いました。そのため、最終的には従来の日本のアニメの作画で描いています」とこだわりを吐露した。

 ヘルム王役に市村正親、主人公・ヘラ役に小芝風花、王国の脅威となるウルフ役に津田健次郎が既に発表されている日本語吹替版キャストだが、この度新たな追加キャストを発表。日本語吹替版の制作について聞かれると神山は「先に英語版を作って日本の声優さんに声をあててもらうので、洋画の吹替に近いのかなと思うんですが、日本の監督、スタジオ、スタイルのアニメーションの手法で作ってますので不思議な感じではあり。改めてやってみるとしっくりくる感じがありました」と回答。日本語吹替版での上映リクエストが世界中から多数来ている点と、本作が全米で3000館以上、世界で数万スクリーンに及ぶ拡大上映が決定していることについてジョセフは「本当に感謝ですね」、神山も「ありがたいですし、ぜひ多くの人に観ていただきたい」と思いを重ねた。

 終盤、マスコミからのQ&Aを実施。『ロード・オブ・ザ・リング』に手描きの手法がマッチすると思いついた理由について聞かれると神山は「ゴラムや戦いのシーンなど、実写3部作ではCGとは分からないくらいの凄さを感じましたが、アニメを作るうえでCGのみで作成してしまうと苦労と凄みがスクリーンに映らないのではないかというのが僕の思いで。手描きだと潜在的に伝わるというか、映画に凄みが増す気がしており、実写3部作と同じ力強さが宿るのでは?とひしひしと感じたからです」と説明。

 最後にファンの方へのメッセージを求められるとジョセフは「アニメは海外で一つのムーブメントとなっていて、文化的で影響力のある日本のコンテンツです。『ロード・オブ・ザ・リング』を、アニメを通して制作できるチャンスをいただけて感謝しています。監督含め実現不可能だとお互いにいいながら作り上げた作品です(笑)。『ロード・オブ・ザ・リング』のファンの皆さんはもちろんですが、あくまで1つの日本のアニメーション映画として観ていただきたいです。ご期待いただければと思います」、神山は「今は観ていただきたいという気持ちでいっぱいです」と力強く締めくくった。

吹替版追加キャスト発表!コメントも到着

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 先日の解禁より、騎士の国ローハンの偉大なるヘルム王を市村正親、王国の運命を託される主人公の王女ヘラを小芝風花、ヘラの幼馴染であり王国の脅威となるウルフを津田健次郎、王女ヘラを支えるオルウィンを『ロード・オブ・ザ・リング』でローハンの国に登場するエオウィンの日本語吹替を担当した本田貴子、物語の関わる重要なキャラクターのオーク、ロットを『ロード・オブ・ザ・リング』ドミニク・モナハン演じるメリアドク・ブランディバックの日本語吹替を担当した村治 学、そしてローハンの従者リーフを田谷 隼が演じることが発表され話題となった本作の吹替キャストだが、本会見をもって追加キャストも解禁となった。
 ヘルム王の甥・フレアラフ役に中村悠一、エオウィン役に坂本真綾、ウルフの父・フレカ役に斧アツシ、ヘルム王の第一王子・ハレス役に森川智之、第二王子・ハマ役に入野自由、フレカの忠実な右腕・ターグ将軍役に山寺宏一、老ペニクルック役に沢田敏子、ヘルム王の側近・ソーン卿役に大塚芳忠、凶暴なオーク・シャンク役に飯泉征貴、魔法使い・サルマン役に勝部演之と超豪華声優陣が勢ぞろい。実写『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズに吹替キャストとして参加した経歴をもつ面々も会すなか、彼らからコメントも到着した!

吹替版追加キャスト コメント全文

坂本真綾/エオウィン
 世界中を虜にした『ロード・オブ・ザ・リング』が新たにアニメーションとなって描かれる、しかも神山健治さんが監督を手掛ける!というビッグニュースに、驚きと期待で胸が高鳴りました。
 私がやらせていただくエオウィンは、実写『ロード・オブ・ザ・リング』三部作との架け橋になるような存在です。
 たくさんの方がわくわくしながら公開を待っている今作、私自身も楽しみながら、丁寧に向き合っていきたいと思います。

斧アツシ/フレカ
 20年前は声優の仕事を始めて間もない頃で『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズは一ファンとして劇場で観てました。
 そんな作品の最新作に関われる日がやって来るとは思ってもいなかった。
 フレカは身体も大きく豪胆な人物で彼の振る舞いが息子のウルフの運命を決めることになる重要な役どころ。
 そんなキャラクターを活かすように命を吹き込めればと思っています。
 また久しぶりに神山監督と仕事ができるのがとても嬉しく、神山健治監督ならではの演出と細部に至るまでの映像美が今から楽しみです!

森川智之/ハレス
 あの『ロード・オブ・ザ・リング』の200年前の物語『ローハンの戦い』に出演できると知って、とても嬉しく大変光栄に思っております。
 ファンの皆さんにとっても、私にとっても、知りたい、観たい!垂涎の作品だと思います。
 私が担当するのはヘルム王の第一王子ハレスです。
 第一王子というからにはとても責任重大な役どころなので、責務を全うするべく王子ハレスを演じたいと思います。
 公開を楽しみに待っていてください!

入野自由/ハマ
 こんなにもスペシャルな企画、作品に参加させていただけることをとても光栄に思います。
 神山健治監督とご一緒できることがなによりも嬉しく、オファーをいただいた時には「やります」と考える間もなく、反射的に答えていました。
 そして、楽しみなことがもう一つ。舞台でも親子役で共演した市村さんとまたご一緒できることです。
 前回は義理の息子でしたが、今回は実の息子(笑)。
 アニメーションの世界での共演も、全力で楽しみたいと思います。
 見たこともない世界が、壮大な冒険が、皆さんを待っています! お楽しみに!

山寺宏一/ターグ将軍
 『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズにはローハンの騎士エオメル役で参加させていただきました。
 映画史に輝く名作に関われたことは本当に光栄で、ヘルム峡谷とゴンドールの戦いに挑むシーンでは、心底身震いしたことを思い出します。
 また、魅力的な登場人物たちの心の葛藤や絆に何度も涙しました。
 今作に関しては予告のナレーション収録時に「ローハンが舞台で監督は神山健治さん」であることを知り大興奮!
 「役もあります」と言っていただきとても嬉しかったです。
 『攻殻機動隊』シリーズでお世話になり心から信頼し尊敬する神山監督が、今作をどのように仕上げるか楽しみで仕方ありません!
 全力でターグ将軍を演じさせていただきます。

大塚芳忠/ソーン卿
 20年程前に、映画『ロード・オブ・ザ・リング』にてヴィゴ・モーテンセン演じるアラゴルン役をやらせていただきました。
 そして本作品では、ソーン卿役として出演させていただきます。
 ヘルム王の側近としてどのような立ち回りをするのか……。
 新しい『ロード・オブ・ザ・リング』をお楽しみください。

飯泉征貴/シャンク
 この度、『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』でシャンク役のオファーがSMSで届き、大変驚きました。
 ずっと俳優・声優業から離れていたため「絶対スパムだ」と思ったほどです(笑)。
 以前演じたホビットのピピンは愛らしいキャラでしたが、今回は凶暴なオークのシャンク。
 同じ世界線で全く異なる役柄を挑戦できる機会に、今から心が躍っています。
 前三部作の収録時、エルフ語の研究者も指導で参加し、スタッフ全員が本気でファンタジー世界の構築に向き合う姿が今でも鮮明に残っております。
 これほど愛されている物語を神山監督が新たに紡ぎ、その独自の視点で語られる壮大な冒険に参加できることを、心から誇らしく思います。

勝部演之/サルマン
 映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでは、ゴンドールの執政デネソール役で参加させていただきました。
 本作品では、実写シリーズでも有名なあのサルマン役としてご指名いただきました。
 サルマンは、実写の本編においてはかの名優、クリストファー・リーが演じたという、大変な役をもらって、震えています。
 何とか、イメージを崩さぬよう、心を込めて演じたいと思っています。

中村悠一/フレアラフ

沢田敏子/老ペニクルック

公開表記

 配給:ワーナー・ブラザース映画
 12月27日(金)全 国公開(吹替版/字幕版同時公開※一部劇場除く)

(オフィシャル素材提供)

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