『ル・ジャルダンへようこそ』初日舞台挨拶

　【登壇者】主演：清瀬汐希、共演：小松みゆき、監督：山口みちへい
　　　　　　高級クラブ「ル・ジャルダン」オーナーママ、原作者：望月明美

　映画『ル・ジャルダンへようこそ』が10月11日(金)から全国公開中だ。公開初日には、ヒューマントラストシネマ有楽町で舞台挨拶が行われ、主演の清瀬汐希、共演の小松みゆき、原作の「ル・ジャルダン」オーナーママ望月明美さん（明美ママ）、山口みちへい監督が登壇した。
　また、オフィシャル撮影の時のみ、共演者の石渡陽子、春野ゆりか、諸岡沙紀、久乃も参加した。

　本作は、銀座の高級クラブ「ル・ジャルダン」のオーナーママ・望月明美さんの同名著書をベースに映画化。2020年からのコロナ禍に翻弄されるクラブの様子や、そこで働く人々の想いを描く。

　舞台挨拶でステージに登場した明美ママは「おかげさまで公開することができました。原作者として私の拙い小説が素晴らしいプロデューサーの方、監督、脚本家の方に出会い、素晴らしい女優の方に熱く演じていただけて、とても幸せな気持ちです。こんなにすてきな映画になったと思うと夢のようです」と笑顔で挨拶。続けて、「舞台がコロナの時だったので、この映画を観るとコロナ禍を思い出します。私の小説はほぼノンフィクションで、実際にあったことをパラパラと崩して書いている感じですが、ちょっとしたセリフや内容も本当にあったことなので、ところどころ胸に沁みました。小松さんがそれを語ってくださる場面にジーンとし、清瀬さんが演じてくださるとドキドキして嬉しかったです」と本作の公開を喜んだ。

　主人公の舞子を務めた清瀬は、「私は原作がある作品に出るのが初めてですごく緊張しましたし、この役を私がやっていいのかと不安だったのですが、皆さんに支えられながら、『ル・ジャルダン』のお店で撮影することができました」とコメント。

　明美ママを演じた小松は「私はこの映画館（ヒューマントラストシネマ有楽町）が大好きで、信頼しているので、そこで、自分が出ている映画が上映されることに驚きと感動をしております。こんなにすてきな明美ママを演じせていただいて、公開にたどり着いたことで、なお一層ドキドキしています」と心境を語った。

　また、出来上がった映画を観た感想を聞かれた清瀬は「私は、自分の笑顔があまり好きではないのですが、今回、オーディションで監督に『清ちゃんの笑顔がすごく寂しそうで、この役に合うのではないか』と言っていただけたので、今回は、舞子さんと私の笑顔や寂しそうな顔を存分に使っていただいた作品になりました。この作品はコロナ禍という実際にあったことを描いているので、皆さんが経験したことや人間味あふれる感情が前面に引き出されているのではないか」と想いを馳せた。

　清瀬は、本作のクランクイン前に実際に「ル・ジャルダン」で体験入店をして役作りをしたそうで、「お店の雰囲気や、ホステスの皆さんのお話の対応の仕方を伺いたく、お邪魔させていただきました。私が想像していた銀座のホステスは、おしとやかに『はい、はい』と聞いている感じだと思っていたのですが、『ル・ジャルダン』はすごく華やかで、とてもやわらかい空気感があり、お家のようでした。すごく居心地が良くて想像していた銀座のクラブと違ったので、体験して良かったと思いました」と振り返った。

　一方、小松は役作りについて「明美ママと似ていると言っていただいたので、それだけで気を遣わない役作りができました。そして、清瀬とともに「ル・ジャルダン」を訪れたことも明かし、「お店の皆さんの動きを把握したくてお伺いしました。一つだけ後悔をしているのは、やっぱり私も体験入店すれば良かったと。探るだけでは得られない何かがあったかなと思いました」と本音も吐露した。

　そして、山口監督は、「（本作は）コロナ禍の話なので、人と人とのつながりの大事さを伝えたいと思い、最後のシーンでは手を繋いで走るシーンを撮らせていただきました」と本作へのこだわりを明かした。見どころは「全部のシーンです」と胸を張り、「全部お客さんに受け止めてもらえればと思います」と訴えた。

　最後に、明美ママは「コロナ禍を一緒に乗り越えた女の子たちはもちろん、当時を知らない人や、たくさんの方に観てもらえたら嬉しいなと思います」と想いを述べ舞台挨拶を締めくくった。