イベント・舞台挨拶

『若き見知らぬ者たち』公開記念舞台挨拶

©2024 The Young Strangers Film Partners

 登壇者:磯村勇斗、岸井ゆきの、福山翔大、染谷将太、内山拓也監督

 フランス・韓国・香港・日本の共同制作映画『若き見知らぬ者たち』がついに公開! 初日翌日の10月12日(土)には公開記念舞台挨拶が実施され、主演の磯村勇斗、共演の岸井ゆきの、福山翔大、染谷将太、そして内山拓也監督が登壇した。

 亡くなった父の借金を返済しながら母の介護と仕事に追われる主人公・風間彩人を演じた磯村。「彩人が姿を消した後、その家族や友人たちはどう生きるのか? その物語と内山監督の作家性に惹かれました。自分も同じような理不尽さを経験したことがあります。自分の過去の経験が本作と共鳴した感覚があり、自分の中に溜まっている沸々としたものをどのように表現しようか、そう考えさせられるいい脚本でした」とオファー快諾の理由を述べる。

 主人公が途中から不在という空洞化になるという本作のつくりについて、内山監督は「この世の中には見過ごされている人、社会の片隅に残されている人が必ずいます。途中からいなくなる主人公が背負ってきたものを全員で交代していく物語を作ることで、今の時代をえぐることが出来るのではないかと思いました」と言及。

 彩人と風間家を支えようとする恋人・日向を演じた岸井は「撮影中はいっぱいいっぱいでした」と熱演を自覚しながら「感情を我慢するのは大変な事でしたが、撮影中はその状態でいることを大切にしました、くじけそうになるたびに皆さんに助けていただきました」と回想。彩人とともに借金返済と介護をしながら、父の影響で始めた総合格闘技の練習に明け暮れる弟・壮平は「本作の役作りのためにトレーニングを開始して約1年間、総合格闘家としてのスキルを磨きました。それと同時に亡き兄・彩人や亡き父、そして母や日向のことを思いながら、拳や蹴りの一発一発にその思いを宿していかなければとも思っていました。トレーニング期間は長いようで短かったです」と壮絶な役作りを述懐する。

 福山の格闘技の試合の撮影には、すでにクランクアップしていた磯村がお忍びで見学をしに来ていたと言い、磯村は「すでにクランクアップしている自分が『やあ!』と気軽に会いに行ったら本番前の彼が崩れてしまうと思ったので、すべての撮影が終わってから会いに行ってハグをしました」と気を配っていたそうで、現場に磯村がいたことをまったく知らなかった福山も「もう嬉しくて……。磯村さんは兄・彩人として最後の最後までいてくれました」と感激。磯村も「俺も嬉しかったよ、試合場面を見られて。感動したもん」と激闘を労っていた。
 岸井もまさかクランクアップ済の磯村が現場にいるとは思っておらず「(磯村さんが)いらっしゃってビックリしました。役柄とは全然違うツルっとした磯村勇斗さんとしていたので」と磯村の顔を見上げる。撮影中の磯村は髭が生えていたそうで、クランクアップ後のさっぱりとした磯村との対面を岸井は「ああ、剥き卵だったんだと思った」と独特に表現し、会場から笑い! 磯村から「剥き卵って……。俺はいつから卵キャラになったの!?」と照れた表情を浮かべながら困惑の声をあげていた。
 彩人の高校からの親友・大和役の染谷は初共演の磯村について「お芝居が始まった時に、前から知っている旧友感のような気がしたんです、何もしなくても親友という空気が流れていて鳥肌が立ちました」と感謝すると、磯村も「本当に大和役が染谷君で良かったと思っています。引っ張っていただきました」とリスペクトを口にする。

 本作のタイトルにちなんで「名もなき見知らぬ若者」だった頃に夢見ていたことをそれぞれが発表。磯村は「ずっと役者をやりたいと言ってきたので、夢は役者しかなかった」と初心貫徹で今に至っていることを明かすと、岸井は「3階建ての家に住みたいと思って、小さい頃は絵で夢のマイホームを描いていました。団地生まれ団地育ちなので家の中に階段があることに憧れがあるんです」と照れ笑い。ちなみにその夢は「まだ叶っていません!」とのこと。
 「格闘家になることがひとつの夢だった」という福山は「巡り巡ってまさか俳優として格闘家を演じて後楽園ホールに立てるとは……。監督、ありがとうございます!」と本作で願いが叶ったことにしみじみ。子役出身の染谷は「ジャッキー・チェンになりたかった。ある時になれないことに気づきましたが、いまだにジャッキー・チェンとは共演したいという思いがあります」と大スターにラブコールを送っていた。

 最後に内山監督は、観客に向けて「『若き見知らぬ者たち』に出演してくれた皆さんに拍手を送ってもらえないでしょうか。」というと会場から割れんばかりの拍手が起こる、続けてヤング・ケアラーだった自身の過去を明かしながら「そのような経験を通して今の世の中を見つめようと思ってこの映画を作りました。見過ごされている人々は必ず存在していて、僕のヤング・ケアラーだった時の気持ちや思いを結びつけながら、今もそのような状態にある人に向けて作品を作りました。本作を通して同じような思いを抱いている人もいるんだということを知り少しでも知っていただけたら嬉しいです。」と力を込めた。
 主演の磯村は内山監督の粋な計らいに答えるように「内山監督にも拍手をお願いします」と続き、「この映画はまだ完成していません、映画は観てくれたお客様がどう咀嚼して、どう伝えていくのか、その過程を通してようやく完成を迎えます。皆さんの一人ひとりの言葉や思いがこの映画を育んでくれます、多くの方にひろがることを願っています」と観客に呼び掛けていた。

公開表記

 配給:クロックワークス
 10月11日(金) 新宿ピカデリーほか全国公開

(オフィシャル素材提供)

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