記者会見イベント・舞台挨拶

『海の沈黙』札幌 記者会見&先行上映舞台挨拶

© 2024 映画『海の沈黙』INUP CO.,LTD

 登壇者:本木雅弘、小泉今日子、菅野 恵、倉本 聰(原作・脚本)、若松節朗(監督)

 倉本 聰原作・脚本、若松節朗監督、本木雅弘主演の新作映画『海の沈黙』が11月22日(金)に全国公開となる。

 「前略おふくろ様」「北の国から」「やすらぎの郷」など数々の名作を手がけてきた巨匠・倉本 聰が長年にわたって構想し、「どうしても書いておきたかった」と語る渾身のドラマを、『沈まぬ太陽』や『Fukushima 50』などを手がけた若松節朗がメガホンをとり映画化。
 北海道・小樽を舞台に、人々の前から姿を消した天才画家が秘めてきた想い、美と芸術への執念、そして忘れられない過去が明らかになる時、至高の美と愛の全貌がキャンバスに描きだされる。孤高の画家・津山竜次を本木雅弘が演じ、小泉今日子、中井貴一、石坂浩二、仲村トオル、清水美砂、菅野 恵、萩原聖人、村田雄浩、佐野史郎、田中 健、三船美佳、津嘉山正種が共演。日本映画界の豪華キャストが集結した作品。

 10/13(日)に、北海道・札幌において本木雅弘、小泉今日子、菅野 恵、倉本聰(原作・脚本)、若松節朗(監督)が登壇した本作の記者会見と舞台挨拶つき先行上映が開催された。

 午後に行われた記者会見で、倉本は本作の着想の元になった「永仁の壺事件」(1960年、それまで鎌倉時代の古瀬戸の傑作として国の重要文化財に指定されていた瓶子が実は、1897年生まれの陶芸家、加藤唐九郎の作品であると言われ、重要文化財の指定の解除、文部技官が引責辞任するなどの事態となった)について「(偽物だと分かると)皆が美の価値を下げてしまう風潮に納得がいかず、なんとかドラマにしたいと思っていた」と語った。

 主役・津山竜次を務めた本木は、北海道で記者会見・先行上映舞台挨拶を行うことについて、「北海道を皮切りにプロモーションが始まることを非常に嬉しく思います」と挨拶。「繊細さ、頑なさを秘めた難しい役で苦労しましたが、熟練の若松監督の支えもありながら、なんとか乗り切ることができました」と撮影を振り返った。

 倉本 聰脚本の映画は88年の高倉 健主演、蔵原惟義監督作『海へ ~See You~』以来36年ぶり。倉本 聰の最新作に出演することについて尋ねられると、本木は「憧れるような魅力の詰まった作品であり、その中の竜次というキャラクターが私で成立するのか。戸惑いもありましたが、今回は“正真正銘最後の作品になる”というオファーだったので、覚悟を決めてお受けいたしました」と語った。

 竜次のかつての恋人・安奈を演じた小泉は倉本が脚本を手掛けた作品にかつて出演し、別の作品でもオファーがあったが都合がつかず出演が叶わなかった過去を明かした。「いつかリベンジしたいという気持ちがあったので、今回お話をいただいたときにこれで心がスッキリできると思いました。60年、先生が温めてきたテーマ。先生の心に引っかかっていたものを流すタイミングでご一緒できてうれしかったです」と語った。

 今回がスクリーン・デビューであり、小樽で竜次と交流するバーテンダー・あざみを演じた菅野 恵は「錚々たる先輩方、監督、そして倉本先生から言葉をいただきながら、まだまだ力及ばずだなと感じることもたくさんありましたが映画は本当に素敵な仕上がりになりました」と答えた。

 若松監督は「監督であれば誰しもが一度は倉本 聰の脚本を演出したいと願います。しかし相当厳しくやられるのだろうなという不安もありました。しかし倉本さんはとても優しいお方で、先生には背中をずいぶん押していただいて、先生の描きたかった世界観が本木さん、小泉さんたちの力を借りて出来上がったような気がします」と語った。

 夜にTOHOシネマズ すすきので行われた舞台挨拶つき先行上映では、即完売となった観客の前に5人が登壇。北海道を舞台にした作品が地元で先行上映されるとあって、客席からは大きな拍手が沸き上がった。

 いよいよ初お披露目となる本作について倉本は、「俳優さんが素晴らしいです」と太鼓判を押す。

 本木は「倉本先生の本拠地、そしてロケの思い出のある北海道でいち早く皆さんに観てもらえることを大変嬉しく思います」と挨拶。

 監督も「季節は今、芸術の秋。美術館や絵が好きな方たちにはとても良い映画です。そして、本木さんと小泉さんのラブ・ストーリーにもご期待ください!」と本作にて描かれるドラマをアピールした。

 本作に参加した際の気持ちを訊かれた本木は、「倉本作品で定説として言われている“セリフを一字一句最後まで書かれている通りに話せ”というのは、そのようにしたほうがよろしいのでしょうか?と伺ったら、“それはちょっと噂が1人歩きしたんだ”と。“心情に沿っていれば、感じたままにおやりになればよろしい”とおっしゃっていただきました」と倉本との電話のやりとりを明かした。

 小泉は、「倉本先生が書かれたテーマにまず惹かれて、そして主演が本木さんだと聞いて、これはきっと面白く素敵な映画になるだろうなと思い参加しました」と語った。

 菅野は、本作の豪華な出演陣について「子どもの頃から見ていた方々ばかりの中に私の名前が並ぶチャンスを貰えたので、しっかり準備して、やるぞ!という意気込みで臨みました」と撮影を振り返った。

 監督は、「HBC制作の東芝日曜劇場に倉本さんの北海道を舞台にした作品がいっぱいありまして、それが僕の教本でした。倉本さんと一緒に仕事ができるということが、監督としての誇りです」さらに「本作でも倉本節といえるセリフもたくさん出てきます。ぜひ楽しんでもらえたらと思います」と語った。

 最後に倉本は「皆さんがおじいさん、おばあさんになったときに、孫に昔、北海道はこうだったんだという昔話をできるような映画になればいいなと思います」と本作が長く愛される作品となることを願いイベントを締めくくった。

公開表記

 配給:ハピネットファントム・スタジオ
 11月22日(金) 全国公開

 (オフィシャル素材提供)

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