10月28日(月)、日比谷にて第37回東京国際映画祭が開幕となった。
今年は、国内でも多くの映画人が登場し、海外からも多くのゲストを招き、世界的な国際交流の場として華やかな幕開けとなった。
東京ミッドタウン日比谷のステップ広場から日比谷仲通りにかけて敷かれた162mのレッドカーペットには、トップ・バッターとしてオープニング作品の『十一人の賊軍』から白石和彌監督、山田孝之、仲野太賀ら10名が登場。その後、フェスティバル・ナビゲーターの菊地凛子が登場すると会場からは歓声が上がった。
そのほか『外道の歌』の亀梨和也、『雪の花 -ともに在りて-』の松坂桃李、『劇場版ドクターX』の米倉涼子、『ルート29』の綾瀬はるか、『オラン・イカン』のディーン・フジオカ、『サンセット・サンライズ』の菅田将暉、『Spirit World』の堺 正章、『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』の河合優実、エシカル・フィルム賞審査委員長の齊藤 工、海外から『チャオ・イェンの思い』のチャオ・リーイン、『娘の娘』のシルヴィア・チャンら豪華ゲストが煌びやかな衣装で観客を魅了し、終盤には今年度のコンペティション部門審査委員長であるトニー・レオンが登場し、会場のボルテージも最高潮に達した。国内外からは228名の豪華ゲストがカーペットを彩り、国内外のマスコミと多くの観客による熱気に包まれ、大いに盛り上がりを見せるレッドカーペットとなった。
レッドカーペットイベント終了後、東京宝塚劇場にて行われたオープニングセレモニーでは、オープニングアクトとしてVirtual Singerの花譜-KAF-が登場し、スペシャルパフォーマンスでドラマーの大井一彌、琴アーティイストのLEO、ダンサーの池田美佳、鈴木陽平、歌手・ヴァイオリニストのサラ・オレインと一緒に演奏、部門紹介のMCも務めた。武藤容治経済産業省経済産業大臣の祝辞と石破茂首相のビデオコメントが届けられ、その後今年のナビゲーターの菊地凛子が登場し映画と映画祭の素晴らしさについて熱く語った。さらに、今年の審査委員が紹介され、コンペティション部門の審査委員長であるトニー・レオンの挨拶では、「審査委員チームの一員になることができ光栄です、ベストを尽くします」と審査に対しての思いを語った。オープニング作品の『十一人の賊軍』からは、監督の白石和彌、山田孝之ら総勢8人が登場し、映画の見どころについて明かした。最後はチェアマンの安藤裕康による開催宣言で締めくくり、会場には大きな拍手が鳴り響き、イベントは終了。
■レッドカーペット参加ゲスト:国内外 228名
■レッドカーペット&セレモニーの取材マスコミ数:国内外 173名
■レッドカーペットの長さ:計162m
■セレモニーの参加客数:742名
■本年度の上映本数:計208本
男女共同監督を含めた女性監督作品は43本(女性のみ37本、男女共同6本)で全体の中での比率は21.9%(昨年は22.4%、同じ監督による作品は作品数に関わらず1人としてカウント)
コメント
石破 茂 内閣総理大臣ビデオメッセージ
皆様こんにちは。内閣総理大臣の石破 茂です。
東京国際映画祭はアジアを代表する国際的にも注目を集める映画祭です。
映画の発展に貢献されてきた皆様の創意工夫とご尽力により、本日第37回の東京国際映画祭が開催されますことを心よりお慶び申し上げます。
日本のコンテンツ産業は鉄鋼や半導体産業に匹敵する輸出規模があり、その競争力の源泉は会社と共に映画監督や製作現場の方といったクリエイター個人の皆様にあります。日本のコンテンツ産業のさらなる発展のために政府としても次世代を担うクリエイターの育成支援や取引の適正化といった環境の整備を図ってまいります。
本年の8月には日伊、日本イタリア映画共同製作協定が発効し、いよいよ共同製作作品の募集も開始となりました。今年生誕100年となるイタリアの有名俳優マルチェロ・マストロヤンニ氏や、有名監督の作品に関する特集が上映されると聞いております。改めて過去の名作の魅力が再認識され、新たな作品の製作に向けた皆様方の出会いや交流の場となりますことを心より期待いたしております。
最後になりますが、この映画祭の成功と我が国の映画産業の益々の発展を祈念いたしまして、わたくしのご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
第37回東京国際映画祭フェスティバル・ナビゲーター:菊地凛子
東京国際映画祭に初めての参加で、このような身に余るお仕事をいただき、この場所に立つことができました。映画を通じて多くの方々と繋がっていきたいと思っております。
Q.東京の並木道を活かしたレッドカーペットを歩いてみていかがでしたか?
東京というすごくユニークな都市の真ん中でこのようなレッドカーペットがあるんだと、歩かせていただいて実感したとともに、本当にたくさんの方々がいらっしゃって、映画を観て楽しんでいるんだろうなというのを肌で感じることができました。
Q.菊地さんにとって映画祭の楽しさはどんなところでしょうか?
映画は一つの共通言語としていろんな国の方々と繋がることができる方法だと思っています。映画をもって、会話ができるというのはすごく素敵なことだと思います。
Q.海外の作品でも活躍されている菊地さんですが、邦画洋画に関わらず、菊地さんの思う映画の良さはどんなところですか?
映画で自分の人生が変わるような、衝撃を受ける作品に出合ってきました。映画の中の登場人物が傷ついたり泣いたり希望を持って生きようとしたりと、その中で一緒になって傷ついたり喜んだりすることで、映画館を出るころにはすっかり元気になって、明日も頑張ろうというふうに思えます。子どもの頃から観てきた映画と共に、自分も映画の世界に入って、映画を通じてたくさんの人々にいろんなことを伝えていけたらいいなという希望を持って日々頑張ろうと思います。
コンペティション部門 審査委員長:トニー・レオン
今年、この審査委員チームの一員になることができ光栄です。私たちの審査が皆さんに満足していただけるものになることを願っています。簡単なことではありませんが、ベストを尽くしたいと思います。皆さんすてきな夜をお過ごしください。
『十一人の賊軍』:白石和彌監督
『十一人の賊軍』をオープニング作品に選んでいただきありがとうございます。撮影は去年8月から11月までみんな必死に泥まみれになりながら撮影したのですが、ここにいるキャストの皆さんの姿を見て誇らしい気持ちでいっぱいです。映画ではかっこよく汚れているのですけど、この場では綺麗な姿を見られて感無量です。映画を楽しみにしてください。
『十一人の賊軍』:山田孝之
昔の設定ではありますが、昔の人たちの行動や考えは現代においても同じだと思います。見る視点によって悪だなと思うこともあるかもしれませんが、結局自分だったり周りの人たちを少しでもいい状況にしようと動いている人たち。そこを自分や自分の周りに落とし込んで重ねて観ていただければ響くのではないかと思います。
安藤裕康チェアマンによる開会宣言
朝方から雨が降っており、レッドカーペットを特に心配していましたが、天が味方をして午後には雨が上がり、レッドカーペットも大変華やかに行うことができました。今年はレットカーペットにお越しいただいた方が20%くらい増えましたし、楽しんでいだたいたお客様も昨年の倍以上いらっしゃいました。そしてオープニングセレモニーにも昨年を上回る方々に来ていただきました。大変喜んでおります。今年の映画祭も多様な作品を多数集めて皆様方にお見せしようというふうに思っておりますし、イベントの数も増えてより楽しんでいただけるのではないかと思っております。どうぞ東京国際映画祭を支えていただいて、盛大な映画祭となりますよう皆様方のご支援を申し上げます。それでは第37回東京国際映画祭開会を宣言いたします。
ギャラリー
©2024 TIFF
第37回東京国際映画祭 開催概要
■開催期間:2024年10月28日(月)~11月6日(水)
■会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
■公式サイト:https://2024.tiff-jp.net/ja/(外部サイト)
(オフィシャル素材提供)