イベント・舞台挨拶

ダイバーシティをテーマにした日本の短編作品を一挙公開!『息子と呼ぶ日まで』初日舞台挨拶

© 息子と呼ぶ日まで製作実行委員会

 性別に違和感を持って産まれたトランスジェンダー男性が、差別と偏見の中で葛藤する姿を通じて家族の絆を描いた短編映画『息子と呼ぶ日まで』(配給:株式会社BAMIRI)が公開となり、上映初日となる11月1日(金)に池袋シネマ・ロサにて初日舞台挨拶が開催された。映画に出演のキャスト陣と監督、総勢8名での和気あいあいとした舞台挨拶となった。

 同日より開催となるダイバーシティ(多様性)をテーマにした日本の短編作品を一挙公開する「Diversity CINEMA WEEK」(2週間限定開催)は、本作の上映記念として開催されるイベント。『息子と呼ぶ日まで』を含め計9作品の短編映画が上映され、いずれも本イベントのキャッチコピーともなっている「誰もが何かのマイノリティー」をテーマにした作品を集め上映されている。会期中、『息子と呼ぶ日まで』は毎日上映され、ほか複数作品の上映やトークイベントを日替わりで楽しめる劇場体験型の内容となっており、通常では劇場公開が難しいと言われる短編映画とさまざまな形で出会える上映イベントとなっている。

 主演を務めた合田貴将は、本作が映画初出演。芝居自体も初の経験ということで「現場の用語も含め、分からないことだらけで、ずっと緊張していました」と吐露。共演者たちからは「真っ直ぐなところが芝居に生きていて、緊張しているとは思えず、むしろ余裕そうに見えていた」と絶賛されると恐縮しきりだった。

 父親役を演じた升 毅は「撮影の最初が緊迫したシーンだったので、僕もすごく緊張したし、逆に合田さんに合わせようと思いました」と語り、「打ち合わせなどでお会いした時からすごく目が綺麗ですごく真摯だったし、現場でもそのままでいてくれたので安心感があって助けられました」と、ベテラン俳優のお墨付きにさらに恐縮する合田。監督の黒川鮎美からも「赤ちゃんみたいに目がキラキラしてる」と例えられる場面も。

 メジャーにも多数出演する升が、短編でありバジェットの少ない本作への出演に至った経緯を聞かれると「元々、僕は小劇場の出身ですし、作品に大きい小さいは全く関係なくて、予算も人手も少ない中で作る映画であるというだけ。自分の身を投じることには何も問題はないし、台本を読ませていただいて、素敵な経験をさせてもらうという感覚だったので二つ返事でお引き受けしました」と、作品への愛情を示した。そのなかで、盟友でもある故・佐々部清監督との想い出話しとして「佐々部さんは『自分でプロデュースして自分でお金を集めて作る映画のことを自主映画と言うけれど、それは違くて、自主“的”映画だ』とおっしゃっていた」と明かし、場を沸かせた。それを受け監督の黒川は「それぞれ本当はやることが決まっているけれど、自分だったらもっとこんなことができる、やりましょうと、みんなで助け合って出来たのがこの作品」と、感謝と共に伝えた。共演者の正木は、「ワン・カットごとに全員がモニターを食い入るように見ていて、妥協せずストイックにやりました。とても勉強になりました」と、その熱気あふれる現場を回想。

 升は「撮影に入る前まではどこか特別なテーマの作品と思っていましたが、実際に撮影を進めていくうちに、いつも通りの映画、さらにいうと愛の溢れた映画を撮っているな」という気持ちの変化を表現。そして「こうして出来上がった映画を観ても、特別なテーマでも何でもない、もう今の世の中では当たり前のことを描いた映画が日本に生まれたんだという感覚になれた。なのでご覧になったお客さんも、その気持ちをそのまま持って帰っていただければと思います」と纏めた。また、主演の合田は「トランスジェンダー当事者の映画でもありますが、その家族や恋人たちの心境の変化にもフォーカスを置いた映画なので、当事者だけでなく多くの人に観てほしいです」と、力強く宣伝した。最後に本作の監督である黒川は「昨今、同性婚訴訟がいろいろなところで起こっていて、高裁では北海道に続き東京で二つ目の違憲判決が出たところです。この映画は合田さんが言うようにトランスジェンダー当事者の映画でもあり、愛の物語がテーマになっています。当たり前のことを私たちはできているけれど、その当たり前をできない人たちがたくさんいらっしゃいます。なので、少しでもこういった映画を観て、自分の当たり前や普通という物差しを見直していただけるようなきっかけになれると嬉しいなと思っています」と呼び掛け、会場に温かい拍手がわき起こった。

 映画『息子と呼ぶ日まで』ならびに”Diversity CINEMA WEEK”は池袋シネマ・ロサにて大ヒット上映中。

ストーリー

 不動産屋で働くトランスジェンダー男性の翔太は、カミングアウトをきっかけに田舎に住む父親と疎遠になっていた。
 社会で生きていく中で感じる偏見と違和感に悩み、家族との関係の中で葛藤を抱えながらも、パートナーの絵美とともに自分らしい生き方を見つけていく。

 (2024年、日本、上映時間:25分)

キャスト&スタッフ

 出演:合田貴将、正木佐和、鮎川桃果、秋吉織栄、黒川鮎美、高橋璃央、鮫島れおな、夢香、荒牧奈津希/升 毅
 監督·脚本:黒川鮎美
 プロデューサー:秋吉織栄
 音楽:高堀耕志
 撮影監督:鈴木 佑介

ギャラリー

特報

オフィシャル・サイト(外部サイト)

 公式X:@BAMIRI18(https://x.com/BAMIRI18、外部サイト)

公開表記

 配給:式会社BAMIRI
 11月1日(金)より池袋シネマ・ロサにて開催の“Diversity CINEMA WEEK”にて2週間上映

 (オフィシャル素材提供)

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